コーヒーの木(品種)は植えてから収穫までに最低でも3年はかかるので品種改良などもなかなか時間のかかることですが、処理方法に至っては少しづつ色んな方法が試せて、結果も出やすいので改良のスパンが短いのです。
コーヒー生産者さんの中でも乾燥処理場を所持している生産者はひと握りですので、設備や敷地を持っていない小規模生産者にとってはなくてはならない存在です。
だいたいの生産者はこうしたドライミル(乾燥場)に収穫したコーヒーチェリーや、パーチメントコーヒーを持ち込み、手数料を支払ってその後の出荷までを委託しているのです。
それほどこの「処理方法」によって1杯のコーヒーとしての味わいが大きく変わるわけですが、もしかすると品種以上に処理方法は多岐にわたるかもしれません。
コーヒーの木(品種)は植えてから収穫までに最低でも3年はかかるので品種改良などもなかなか時間のかかることですが、処理方法に至っては少しづつ色んな方法が試せて、結果も出やすいので改良のスパンが短いのです。
さて、どのコーヒーも実から種子の状態にしないといけないので、何かしらの処理を施しますが、その最終過程で必ず乾燥を行います。
コーヒーを生産する上でどの工程も、場所(施設)が必要ですが、私たちが見てきた中ではこんな感じです。
農園→農家さんの所有土地(自身で管理)
処理場→農家さん所有または外部委託
乾燥場→農家さん所有または外部委託
輸出→ほぼ外部委託
いずれにしても費用やノウハウが必要ですので、自前なのか、委託なのか、は農家さんの事情や考え方によるところです。
さて、ニカラグアを始めとする中米ではBeneficio Secoと呼ばれる乾燥場があります。収穫後のチェリーやパーチメントを乾燥させ、輸出まで行う場所となります。ここが品質管理上とても重要な場所となります。
スペシャルティコーヒーにおいての乾燥場はに黒いメッシュで覆って直射日光を当てないようにアフリカンベッドで処理するか、中心部分に見える地べたに敷いた黒いメッシュ状の網の上で乾かされる光景をよく目にします。
よく見ると小さい区分けがされていますが、これはその一つ一つがロットとして細かく分けられ、タグをつけて管理しています。
一回毎の収穫分で分けている事が多く、トレーサビリティ(消費者がその食品の情報をいつでも辿れること)の為に細かく管理しています。
マイクロロットやナノロットと呼ばれるものは、この一個一個の事を指します。
マイクロロットやナノロットでできるコーヒーの生豆の量は30kgの袋で1袋から20袋程度といったところでしょうか。
ロット毎に次々と運ばれてくるコーヒーを乾燥管理しながらカッピングをしていき、カップスコアをつけながら評価をロット毎のタグとを結びつけます。
必要であれば後でブレンドすることもありますが、まずは細かく管理していく事が鉄則となります。
手間暇かけるだけコストがアップしますので、低品質なコーヒーは大量消費用に回るイメージです。
自分の農園内に乾燥場を持たない生産者は多数いますが、そうした生産者達は乾燥を乾燥場業者に委託します。
収穫したチェリーをパルパーにかけてパーチメントの状態にしたら(ナチュラルの場合はチェリーのまま)すぐに乾燥場に運びます。
暑いと袋の中で輸送中に発酵してしまうので、予防のためにわざと夕方や夜の日が当たらない時間帯を選ぶ生産者もいます。
請け負った乾燥業者はロットごとに計量し、ロットごとに乾燥させていきますが、生産者としては追加の費用が発生しますし乾燥工程も自分の好きなようにできないことから、近年自分で乾燥工程までを行いたい生産者たちが増え、輸出業務だけを乾燥場業者に依頼するようにもなってきました。
これも時代の流れだと思います。
スペシャルティコーヒーの普及もあって、生産国では乾燥場兼輸出業者も格段に増えました。ロースターやカフェが爆発的に増えたのと同じような動向です。
既にそうした業者の淘汰も始まっているようですが、今から始める業者も増えていますので、需要が高い間は競争が止まらないといった感じです。
昨年のニカラグア滞在中に新たな生産者達と会い交流が始まりました。Lenny Jimenez もその中の1人で、今から本格的にアフリカンベッドを作って更に品質を上げたいと言われていましたが、先日彼から写真が届き、基礎がだいぶ出来上がって来たようです。
来年のカップオブエクセレンスにも出品するらしくマラカツーラにしょうか、アフリカンブルボンにしようか迷ってるけどどう思う?って感じで教えてくれました。
こういう設備系は本当に費用がかさみます。コンテストで受賞した賞金をそのまま設備に投資する生産者も多く、それだけボーナス的な収入が、銀行から容易に融資を受けれない環境下では設備投資をする上で必要不可欠になっていると感じます。
お付き合いをまだしていない生産者達とも交流が始まりましたので、試験的に2、3年輸入して行きます。コロンビアの生産者ともそういう流れになります。
取引きをしていくうちに量と質の安定供給が可能か否か、お互い安心して信頼し合えるかなど見定めた上で、本格的に買付けを始めるイメージでしょうか。
Lennyさんも熱心な方なので質の向上を図っていただきお付き合いできるようになれたら良いなと思います。
さて、一方でエルサルバドルですが、クツカチャパという同国最大の農協処理場があり、お付き合いのあるフェルナンド・リマさんはここの会社の経営者の一人。
毎年訪問時にはこの処理場にも案内していただきます。
この組合に加入している生産者組合員はここで様々なサービスが受けられます。
ここでは収穫したコーヒーを乾燥させたり、乾燥後の処理輸出作業をしたり、時にはティラピアを育てゲストにランチとしてご馳走してくれたりもします。
コーヒー生産者さんの中でも乾燥処理場を所持している生産者はひと握りですので、設備や敷地を持っていない小規模生産者にとってはなくてはならない存在です。
だいたいの生産者はこうしたドライミル(乾燥場)に収穫したコーヒーチェリーや、パーチメントコーヒーを持ち込み、手数料を支払ってその後の出荷までを委託しているのです。
乾燥処理といってもその方法(アフリカンベッドなのかコンクリートパティオなのか、天日なのか日陰なのかなど)によって仕上がりや手間(=コスト)が大きく変わってきます。
時代によっての変化への対応も常に必要に迫られていますが、今後農家さんがどうシフトしていくのか、見守っていくところであります。
]]>この新たな関係性は一昨年の産地訪問から始まりました。
産地訪問前は特に生産者と密に連絡を取り合うのですが、数珠繋ぎ式に「ダイスケを紹介してほしい」と現地から連絡を受け、渡航前からスケジュールが埋まってしまうほどでした。
実際に現地に行くと、新たな生産者の方々も皆さん歓迎してくださりカッピングや農園へと案内してくださいました。その一つがモゴトン山。これは福袋にも入りますがLenny JimenezさんのBrisas del Mogoton Bourbon K7 Natural。モゴトン山がニカラグアで最も高い山だとは知っていましたが、それまで16年間の訪問で一度も行ったことがありませんでした。それもそのはず。モゴトン山でスペシャルティコーヒーを作っている生産者が彼らヒメレス一家しかいないからです。
]]>今年の福袋、一部は予約開始から10日足らずで完売してしまい、今年購入できなかった方…ごめんなさい💦
まだ、10人の農家さんのドリップパックコーヒーセットの福袋は僅かですが予約いただけますのでお早めにご連絡ください!!
さて、今年は初の試みである新たにお付き合いの始まった5人の農園主さんを含め総勢10人の農園主による多種多様な味わいを楽しめるという超贅沢なセットとなっております°˖✧。✧˖°
さて、この新たな関係性は一昨年の産地訪問から始まりました。
産地訪問前は特に生産者と密に連絡を取り合うのですが、数珠繋ぎ式に「ダイスケを紹介してほしい」と現地から連絡を受け、渡航前からスケジュールが埋まってしまうほどでした。
実際に現地に行くと、新たな生産者の方々も皆さん歓迎してくださりカッピングや農園へと案内してくださいました。その一つがモゴトン山。これは福袋にも入りますがLenny JimenezさんのBrisas del Mogoton Bourbon K7 Natural。モゴトン山がニカラグアで最も高い山だとは知っていましたが、それまで16年間の訪問で一度も行ったことがありませんでした。それもそのはず。モゴトン山でスペシャルティコーヒーを作っている生産者が彼らヒメレス一家しかいないからです。
彼らは過去に2回CoE受賞経験があり、そこらにゲイシャやK7、ピンクブルボンやオレンジブルボンなど数多くのエキゾチック種が植えてあり、定番のカツーラやカツアイ、マラカツーラも見るからに健康に育っていました。
意外に平地部分が多く、手入れが良く行き届いているのも一目瞭然。
農園名はブリサスデルモゴトン、モゴトンの風。
彼らもまた日本のロースターと長い付き合いをしていきたいと願っている生産者の一人です。
実はその滞在の目的の一つはニカラグアのカップオブエクセレンスオークションへの参加。
会場にはニカラグアの多くの農園主が集結し、どの生産者達も自分のスマホを見ながら自分のコーヒーの金額が上がっていくのを見守っています。もっと緊張しているのかと思いきや、なかなかのリラックスぶり。
6、7人の生産者に聞くとコロナ禍でのオークションですし、ニカラグアのブランド力の心配もあるので、金額がどこまで上がるのかが、みんなの心配事のようです。
オークション自体はあっという間に終わってしまいましたが中にはあまり金額が伸びなかったコーヒーもあり、生産者によって明暗が分かれたようです。それにしても日本勢の落札者が多かったですね!日本人から支持されているのがうかがえます。
ウンレガロデディオス農園のガディエルさんは、今年3位受賞していました!彼はラベンディシオン農園でおなじみのルイスさんの息子さんです。めちゃめちゃクリーンカップでキメの細かいコーヒーを作るルイスさん。親子ともども安定して美味しい高品質なコーヒーを作ります。
今回であった新たな農家さんもそうですが、ミルトンでは創業当初からオークションロットに近い品質をいつも輸入しており、安心できる生産者達とお付き合いしています。量に関わらず継続的なお付き合いのできるロースターと繋がりたいと言うのが彼らの願いでもあるんです。
ただ、ここからは少しディープな話なので興味があれば読んでいただきたいのですが。
この品評会には裏話もあり、実は以前、とある生産者から連絡があり、今年の品評会は見合わせようと思うというものでした。どうしたのか?と聞いたところ、知名度を上げる目的でもあった品評会だったが、継続的にいい値段で買ってくれるロースターが増えてきたこと、そして品評会で落札してくれるロースターも有難いが、そうしたロースターが継続的に通常ロットを購入するに至らないことが主な理由だと教えてくれました。
そしてもう何年も囁かれていますがジャッジの質に疑問を感じているようでもありました。
生産者達が自分たちでカッピング出来るようになって点数が正確に付けられるようになると、バイヤーである我々の評価にも自ずと目がいくものです。大きな点数の開きがあったり、点数は高いのに価格が見合ってなかったりという事は、よくある話です。
私たちは、消費者側やロースターとの繋がりを重視する生産者達が一定数いるので輸入しています。もちろんさほど重視しない生産者達も昔からいますが年々重視する傾向が強まっているように感じます。
品評会の話はなんだか複雑な気分にさせられましたが、直接的な関係性を重んじてくれている以上、私たちも応えたいと思っています。
今後、福袋でお入れした農家さん達の豆も一般販売したいと思っています。福袋を飲まれてお好きな銘柄があればぜひ覚えておいてくださいね
]]>この「処理方法」には、世界的にその時代のトレンドのようなものが見られます。
処理というとウォッシュド・ナチュラル・ハニーあたりは聞いたことがあるかもしれません。でも、そこから派生して、今や数えきれないほどの処理方法が存在しています。
例えばアナエロビック、アエロビック、カーボニックマセレーション、セミカーボニック、フュージョンコーヒーなどが生産地側ではブームとなっています。
所謂発酵ブームとでも言いましょうか。微生物の分解する力を借りて処理するのですが、まだまだ新しい処理だということは言えますので、どこの農園でも試行錯誤をしているわけです。
発酵と言うと日本ではお酒や味噌、醤油がメジャーですが、麹を使った発酵が一部ではコーヒーにも利用されているそうで、思わず少し違うんじゃないかなと思ってしまいましたがコーヒーに携わるものとして一度は飲んでみたい!
個人的にはプレーンなウォッシュドが好きで、豆の品種そのものの味とテロワールが感じられるところがいいなと思います。
発酵も楽しいのですが、カッピングしていて正直思うのは、もう本来の味どこかいっちゃったよね?といったコーヒーにもぶつかる時があります。
複雑な発酵工程を加えても本来の風味を残すぐらいまでに留めて欲しいなぁと個人的には思う次第です。
さて、アナエロビックとカーボニックマセレーションの違いについて参考までに。
大まかな概要と違いは他のサイトを参考にしてもらうとして、何が決定的に違うかというと、タンク内のチェリーに炭酸で強制的に圧をかけているかどうかです。
チェリーを密閉タンクに入れるところまでは一緒。(稀に皮を剥いた状態で行う人もいる)
外気は取り込まず、発酵過程で出る自然発生する炭酸だけを抜く方法がアナエロビック処理となります。この時炭酸ガスは外に逃すので圧はかかりません。
それに対してカーボニックマセレーションは、炭酸ガスボンベ等を使って強制的に発酵タンク内に圧をかけます。
細かいかけ方や頻度は生産者によるところですが、浸透圧を使って生豆内部にまで発酵の影響を及ぼすように仕向けます。
参考までに炭酸を5気圧で5分間注入し、1日3回かける生産者もいます。ガスでチェリーがぎゅーっと圧縮される形になります。
攪拌出来ないタンクでのカーボニックマセレーションは完成品にばらつきが出てしまいますが、本来は攪拌しながら圧をかけていくのが好ましいようですが、お金もかかります…
肝心の風味ですが、アナエロビックがパンチの効いたナチュラルっぽさが表現出来るのに対して、カーボニックの方が繊細で複雑味が満遍なく浮き出ているようにカッピングすると感じます。
もちろん、カーボニックマセレーションの後、皮を剥かずにナチュラル処理としてアフリカンベッドで天日干しをしても良し。
最後にカーボニックマセレーション処理をどの時点で終わらすかが非常に大事ですが、微生物によってチェリーに含まれる糖分が分解されBrix(糖度)が20%から約10%程度まで下がって行きます。それに伴いphも酸性に傾いていきます。だいたいph 3.5まで進んだ段階でストップすると良いようです。それ以上はフェノールが発生してしまい駄目になるのでお勧めしないそうです。
処理がより複雑になってきているので、ロースター側も覚えるのも大変ですが、何の処理であれ良質な生豆を仕入れることが大事かなと感じます。
カーボニックマセレーションの新しいドアを開いてくれた2022年産地でのカッピング。
これまでカップしてきたどのカーボニックマセレーションよりも、まとまりがあり、風味に全く嫌味がないどころか、クリーンなコーヒーでとてもいい意味で驚かされ、認識がひっくり返りました。
ここの処理場から今年のCOE受賞1位を始め数個輩出されたのも理解できます。
ナチュラルやカーボニックマセレーションが好きなロースターに特におすすめしたいので、引き続き連絡を取り続けようと思います。
彼らのモットーでもある情報の透明性は共感できるところでもあります。
今や世界中の生産地で収穫後の生産処理の多様化は確実に広がっています。
また、驚くべき一例で、収穫後のチェリーをそのまま冷凍し風味の変化を観察するものもあります。生産者が少量ずつ色んな方法を試しながら新しい可能性を探ることは、我々ロースターにとっても興味深いことです。
そして最終的に購入してくださる消費者がどこまでその特徴的な味に興味があるのか、そして毎日飲むコーヒーとして選んでくれるのか、それとも特別な時に飲むコーヒーとして購入してくれるのか。
どちらにせよこの傾向はこのまましばらく続きそうです。個人的にはまだまだウォッシュドの可能性がありそうな気がしています。
今後どのようなトレンドが生まれるのでしょうか..
]]>コーヒーの味を評価するために最も重要なスキルです。
カッピングスキルがないと仕入れの際に正しい評価が出来ず、自分の扱う豆の判断基準が持てません。ということは、仕入れ価格は業者のコントロール下にあるということになります。
ましてやミルトンは直接取引なので正しく点数が付けられないとフェアな交渉ができません。現地では生産者を目の前にしてカッピング、スコア付けをするのですが現地のカッパー達とかけ離れた点数が付いてしまうと交渉上、不利になってしまうということになりかねないのです。
幸い、ミルトンはオーナーが元国際審査員をしていたこともあり、現地のヘッドカッパーと点数がほぼ揃います。そういったことも現地での信頼関係に繋がっているのかもしれません。
さて、これは個人的な楽しみと言うべきかもしれませんが、生産国に行ってカッピングをさせてもらっていると、アメリカやヨーロッパの有名ロースターが購入したコーヒーとお目にかかれます。または大手チェーン店やインポーターのコーヒーもカッピング出来たりします。
あそこはこのレベルを買っているんだと知ることが出来、ハイスコアなコーヒーであればあるほど、そのブランドのイメージと合っていれば、流石だなと勝手に感じるゲームをしています。ちょっとした自分だけの楽しみのようなものです。
ちなみにこれはサンフランシスコのフォーバレル出荷分。他にも幾つか有名どころの名がありました。
いいコーヒーは海外勢は確実に買い付けていますね。
豆もさることながら、焙煎も流石で、ばっちり決まっていましたのでカッピングが楽しかったです。Joaquín さん、どうもありがとうございます!
こちらは先日コロンビア訪問した際のカッピング結果をホワイトボードに書き出したもの。現地で頻繁にカッピングをしているカッパー達、中にはナショナルカッパーもいて彼らとの擦り合わせもお互いにとって大事な仕事だと思います。
ミルトンの採点が右端のTanakaと書いてあるスコア。Geishaが90点オーバー出ました!
コロンビアはメインの収穫期が年に2回ありますが、その合間もちょこちょこ収穫できたりするわけです。家族経営の農園が多いですし、山も急勾配でなかなか厳しい状況での栽培や収穫の作業となります。
それらを集めてまとまった量を確保しなければなりません。微妙にスコアも違うものをブレンドしてまとまったロットを作るようなものです。ナノロットであれば、混ぜることもないかもしれませんが、1袋ぐらいしかできないかもしれませんので、せめてマイクロロットぐらいまでボリュームを上げてブレンドしてもらう方が現実的です。
とんでもないハイスコアなコーヒーがあればもちろんナノロットでも買い付ける価値はあると思いますがその分値もはります。
まずは正確な品定めが原則必要となります。
このように、生産地では行く先々でカッピングして回りますが、毎度点数をつける時は集中力を切らさないようにしています。特に一日の終わりの回では疲れで目も充血気味の時もありますが、生産者にこの点数がフィードバックされると思うと真剣に向き合いたくなります。
0.5点の差や1点の差がどこに生じたのかも、一緒にカッピングする現地のカッパーと擦り合わせをします。どちらが正しい正しくないという話し合いではなく、お互いの質の捉え方や、点数をつける上での加減を理解し合う感覚で行っています。
カッピング力というのは自分で身に付けることが出来る人でも、第三者のカッパーの意見を聞くことが多いかと思います。小規模農家さんは乾燥を依頼したり、輸出を依頼している場所にカッピングをお願いするケースが多いですが、若い農園主さんは自分でどんどんやろうという方も多く、自身でQグレーダーの資格取ってカッピングして尚且つ第三者にも意見を求めるパターンが増えていくかもしれません。更には今のところは稀なケースではありますがイカワとか使って自身で焙煎までしたいという方もおり、味が取れること(カッピングスキル)の持つ意味を生産国で急速に重要視され始めているのを感じます。
]]>
コーヒーの品種の一つですが、ミルトンコーヒーでも毎年福袋に入れたり、最近は立て続けに販売したりと目にすることも多かったかと思います。
パナマを皮切りに世界中で大人気の品種ですが、ゲイシャ自体も30-40タイプに分かれるって知っていましたか?
タイプ別に番号が付帯しているのですが、全部が同じ味ではありません。それぞれのタイプが異なる土地や微気候によって風味特性を変えるわけです。
収穫後の処理も今ではパナマでは天日干しをしていませんし、ゲイシャの木特有の性質上肥料の内容から散布するタイミング、頻度を他の品種とは変えなければいけません。
農地に苗を植えてから早くて2年目から収穫出来るようになりますが、しっかりと本来の風味を出すようになるには5年はかかります。
美味しくなければ売れませんから、育てたゲイシャも伐採し、新たなタイプや品種に植え替えられます。 なかなかの手間のかかる品種なのです。 値段が高くなりやすいのは特徴的な風味だけではなく、とにかく手間とコストのかかる品種だからです。
数年前にパナマのエスメラルダ農園のゲイシャが脚光を浴びてからというものの、コーヒー好きな方であれば1杯何千円とするそれを口にした方も多いかと思います。が、先に言いましたがゲイシャ種のタイプも多く、更にそれを植える国、もっと言えばテロワールが違うので風味としてどんな仕上がりになるかははかり知れません。実際にミルトンで販売したロスピリネオス農園やエルカンバラチェ農園のゲイシャはどちらもニカラグア産でエウドロさんとサミュエルさんはご近所農園なのですが、違った印象。そして今まさに販売中のエルコロッソ農園はエルサルバドル産で、華やかな感じはパナマのものと通じるものがありますが、やっぱりハッキリ違います。
一度基準を作ってしまうと「これはゲイシャではない(ゲイシャっぽくない)」とレッテルを貼られがちですが、決してそういうことではありません。コーヒーに携わる仕事の方はご存じだと思いますが、ゲイシャといえばこの味!とハッキリあるものではなく、色んな要因で色んな特徴になり得るという前提で、楽しんで頂けたらいいなと思います。好みにあうゲイシャ種に出会ったり、出会わなかったりがありますし一概に美味しい、美味しくないとは言えないかも知れませんね。
さて、昨年のエルサルバドルのフェルナンドリマさんを訪ねた際に、まずは昨年の2021年にCOEで3位のプレジデンシャルアウォードを獲得したゲイシャを見に行きました。初めて植えた時に訪問した時点では、ほとんど枯れかけていていましたが、ゲイシャ種の特徴を勉強し、2度目から全く問題なく育ち、結果90点オーバーで受賞するに至りました。しかも一番素の味が分かるウォッシュドで。
この元の種は多くの皆さんがご存知のパナマの超有名農園からだそうで、100%ゲイシャとなります。来年はコンテストに出品せずに皆さんにかって買ってもらおうかなと、言っていましたよ!
写真はフェルナンドさんと次男のアンドレスさん。エルコロソ農園でゲイシャについて説明してくれているところです。
とはいえ、ゲイシャを育てる事自体が難しいと、どこの生産者も言います。特に最初の1-2年は試練かもしれません。
あれ?去年植えてたゲイシャはどこ行ったの?と聞いて、1年持たなくて育ちが悪いからパカマラに植え替えたよ!なんて会話もありました。
実際撮影した場所もきっと苗が死んでしまうだろうと、パカマラとゲイシャのダブル植えをしていましたが、思いの外ゲイシャが育ってきたので、残念ながらパカマラはお役目ごめんで切ってしまいます。
それでもゲイシャが育ってくれて笑みも溢れるフェルナンドリマさん。嬉しそうに話してくれるのが印象的。
フェルナンドさんは今年も新たなエリアにゲイシャ種を植えています。
同じ所に成長の早い木と遅い木を植え、どちらがこの土地に合うのか、どのような味わいになるのかを検証しています。
結果がわかるまでには後2.3年かかるでしょう。
こうやって数年先を見据え、より良いものを作る為に農園に投資をしています。
特にゲイシャ種は利益が出るまでには10年かかるそうですが、
それも楽しみながらやっているとフェルナンドさんは話してくれました。
シェードツリーとは、コーヒーの木に長時間直射日光が当たらないようにする為にコーヒーの木よりも背の高い木を植え、陰(シェード)を作ってあげる為の木を指します。
もちろんコーヒーの木は植物ですので、他と同様に水も日光も必要不可欠です。ただ、生命維持のための光合成だけでなく、他にも「高品質(=美味しいコーヒー)」になり得るための条件にもシェードツリーは関係してきます。
その理由はこのようにいくつかあります。
①コーヒーの葉が長時間直射日光に当たると日焼けする(葉焼けすると栄養不足となり生育状態が悪くなる)
②地表の温度の上昇を防ぐ
③種目の違う植物を植えることで多種多様な動生物が集まり、有機物の影響で良質な土壌となる
④風や霜などからコーヒーの木を守ってくれる
この写真はコーヒーの木がまだ小さく、シェードツリーが高くそびえたっているので分かりやすいかと思います。
シェードツリーを植えると当然コーヒーの木を植える面積が狭まるので収穫量も減ってしまいます。それでも植えるメリットや必要性は多分にあることがお分かりになるかと思います。
余談ですがミルトンの店舗でも創業当初からコーヒーの木をいくつか育てているのでかれこれ20年近く日本の過酷な環境で育てています。四季があるので出来るだけ現地の環境に近づけるよう工夫はしています。
基本的に冬は室内の日当たりの良い場所へ、暖かくなってきたら外の軒下へ移動させます。
が、3年前ちょっとした事件が起きました。。。
この軒下の向きが西側にあるコーヒーの木が葉が焼けたような枯死したような状態になってしまいました。日中は軒がしっかりシェードツリーの役割を果たしてくれているのですが夕方になると特に花畠店は西日が強く、葉にダメージを与えてしまいました…気づいてからすぐに場所を移動させましたが、この少しの移動も木にとってはストレスになるようで、なかなか回復に時間が掛かりました。
ただでさえ地植でなく鉢植えですので根がはびこるのも窮屈そうですし、やっぱり適所ってあるんだなぁといつも思います。
日本でもコーヒー農園があったりハウスで栽培されているところもあるようですが、並々ならぬご苦労があるんじゃないかと思います。
近年は紫外線がより一層強くなりシェードツリーの重要性が一層増してきたと生産者達は話してくれます。
皮肉なもので、日光を当てた方が生産量も増え収入も増えるわけですが、その分木にはストレスとなり木の寿命が縮んだり、年によっては収穫高が大幅に減産となってしまうなど、彼らの生活までもが安定しないものとなってしまいます。目指すはまずは毎年安定した量を生産する事となりますので、シェードツリーを上手に管理しながら、枝ぶりも調整しながら、陰のコントロールをしていくわけです。
実際の農園は想像をはるかに超える広さなのでシェードツリーの管理だけでも、相当な作業となります。
フェルナンドさんは沢山の苗木を植えていて、更に農園に植えるシェードツリーも沢山種から育てています。
自身の農園に適した木を植え、より良い環境でコーヒーを育てる事が出来るそうです。
そういった細かなこだわりが毎年Cup Of Exellenceで入賞する理由の一つなのかもしれませんね。
私たちが産地買付を始めた20年弱前、生産者さん達のほとんどが自分で作ったコーヒーは飲まない(正確に言うと味が取れない=カッピングスキルがない)ために、クオリティの判断が出来ず品評会やバイヤー任せだったところがありました。
自分でジャッジできないということは、コーヒー作りや処理などの生産過程における課題が見えず、改良もしにくいということです。
それがここ20-30年でスペシャルティコーヒーが飛躍的に広まったことに比例し、コマーシャルコーヒーでなくこの分野に農家として、ビジネスとしての可能性がおおいにあるということに気づき、動き始める生産者が増えました。
それには生豆の品質を上げていくことが必須であり、その為には自分たちが理解をしなければなりません。
今までのようにただ物理的に生産し、量で取引をする時代から質で評価され、取引をする方にシフトしていく農家さんが増えると同時にカッピングを学び、焙煎を学び、消費国と同じ土俵で語れなければフェアトレードは叶いません。
同じように私たち消費国側(バイヤー)も、産地を理解する必要があります。どういう条件や環境だとどういう味になり得るのか、取引する上での消費国との認識を擦り合わせることも大切です。農家さんは何年もかけて(時には何十年も)生産の計画を立てます。
一度植えてしまうと長い木で100年も生きるので、いつどのエリアにどの品種をどのくらい植えるのかをテロワールの相性を踏まえながら考えるのです。消費国側は、「この品種のこの処理を〇袋欲しい」などと簡単に言ってしまいそうですが、そんなシンプルな話ではありません。オーダーを受けてくれたところで、本当に輸出するまでは、それがきちんとした品質で商品(生豆)となるかは分からないからです。
さて、生産者の一人であるルビオさん(87点台でCOE1位受賞)は、ロースターでもあり、焙煎機をも自作するエンジニアでもあります。
オーナーが前回訪問時に、焙煎するところを見学させてもらったそうです。とても自作したとは思えない36キロバッチロースターで、今回受賞したロットのカーボニックマセレーションを焙煎。いつもはローカル市場用に焙煎しているそうですが、ニュークロップのしかもカーボニックマセレーションを焙煎する様子は慣れているな〜と感じさせるものがあったようです。しかも年間1コンテナ分を焙煎して販売しているのですから、スーパー生産者です。
自前のエアロプレスで飲んだところ焙煎もクリーンに焼けていて、風味のメリハリこそ弱いもののパパイヤやマンゴー、赤いリンゴにタマリンドを感じるしっかりとした風味がきちんと出ていたそう。
生産国で活躍するバリスタの方が選手権等で目立ちますが、ルビオさんのような器用な生産者もいると言うことも興味深いところです。
また、Bella Aurora CoE 5位を獲得したルイス ホワキン ロボさんもカッピングに注力されており、産地訪問中も彼から直々に朝からカッピングのご招待。3代目となるルイスさんは16年前からカッピングの重要性を感じ、今ではIKAWAを使って自ら全てのロットごとで焙煎し、カッピングしています。
実際に5位のサンプルも用意してくれていて、なかなかの別格ぶりのマラカツーラ種のウォッシュドでした。余裕で89点は付きます。試しで作ってみたというナチュラルもカツーラ種でしたが、バランスの良さといい、豊かな丸みを帯びた質感といい、ナチュラルを作り始めて2年目とは思えない完成度に驚きです。
生産処理場でカッピングを用意したのは初めてだよと話してくれ、最後にはとても充実した有意義な時間だったと言ってくださり、こちらこそわざわざ全て用意して下さり感謝の気持ちでいっぱいです。
Four Barrel やCafe Ladró、CoavaやCarabelloなどアメリカのロースターをメインに出荷していますが、日本のスペシャルティのロースターにも卸し始めたいという事なので、日本のロースターの店舗に並ぶ日も近いかもしれませんね!
CoE4位のロスボルカンシートス農園のセルジオグティアレスさんはコーヒー農園だけでなく、これから自分が焙煎したコーヒーを使ったカフェも始めようとしています。こうした自分のコーヒーを焙煎したり、カフェで提供するスタイルはニカラグアではまだまだ新しい試みと言えますが急速に広がる予感がしています。
このように生産者自身が自分のコーヒーを適切に焙煎して、カッピングで正確な評価が出来ることは、その後の品質レベルアップにとても大きな影響を与えます。
先日農園に招待してくれたCOE受賞者達からの依頼で今回の訪問中、半日ほど焙煎のイロハとカッピングセッションを行い意見交換する機会を設けました。
異なる焙煎の温度帯の味の影響や、豆のポテンシャルを出す方法など、自分の舌で感じることが出来たことが収穫だったのではないかと思います。
こうした擦り合わせにより生産国側と消費国側のギャップが減り、取引においても本当にフェアで透明性のあるトレードが出来ると感じています。もちろん良い豆は日本にいながら手に入れることは出来ますが、現地と相違ない品質の善し悪しの判断基準を持ち合わせていることが前提にある気がしています。
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左半分は除草剤を使っている生産者の土地で、草が黄色くなっています。そのうち茶色になって枯れていきます。
右半分が薬品に頼らずmachete(マチェーテ)という鉈を使って人海戦術で雑草を刈っている生産者の土地です。
ミルトンでで取引きのある生産者は全員この後者の土地にあたります。
お察しの通り除草剤の散布は簡単に行えますし、短期間で終えれるので人件費削減がメリットと考えられますが、与えるダメージは雑草だけでなく土壌のバクテリアや土地に必要な植物にまで影響を与えます。
コーヒーの木に何も影響が無いとは言い切れないでしょう。
右側の土地の生産者は人件費は一見嵩むように感じますが刈り取った草はそのまま有機肥料となり、微生物の繁殖にも貢献し、土壌が柔らかくなり、コーヒーの根も張りやすくなるなど、メリットがとても大きいのです。
手作業の草刈りをするには広大な農園なので作業が大変ですが、長い目ででみた時には土地が痩せていく除草剤はデメリットが勝り、サステイナブルではありません。
そんな話当たり前じゃないかと思われるかもしれませんが、意外とその簡便性から除草剤を使う生産者は少なくはありません。
こうした地味で細かいところも我々は確認しながら買付けを行なっています。
農園同士の境界線が柵で仕切られているケースばかりではなく、ぱっと見では写真のように境目がわかりにくいのですが、地面を見てみると明らかに土壌の様子が異なるので、そこが境界線だと分かります。
小ネタですが、実は実際の費用を長期間で統計で取ってみるとmacheteで人件費をかけて草を刈った方が最終的には除草剤よりも思った安上がりだという話を実際に聞きました。
正にサステイナブル万歳です。
少し話が逸れますが、一言で農薬と言っても除草剤・殺虫剤・殺菌剤の総称を「農薬」と呼びます。
そしてこれが厄介な誤解を生んでいるのも事実です。
コーヒーづくりにおいては無農薬は実現できても化学肥料不使用というのはかなり現実的ではありません。
化学肥料が悪というイメージも広がっているようですが、実際は人体や環境に悪い影響はありません。
20年近く農園をまわりながら買い付けをしてきていますが、無農薬は可能でも化学肥料不使用はかなり難しく、現実的に持続可能ではないことが分かりました。
私どもも当初は気にしていましたが、気にしないといけない物質と、気にしなくてもよい物質に分けて考える必要があります。
気にしないといけないのは、殺虫殺菌剤と除草剤です。
特に除草剤は取引農園では自主的に禁止しています。
殺虫殺菌においては虫捕獲機や天然素材の銅などの散布を行い、被害を最小限に抑えてもらっています。
ほとんど気にしなくて良い物質は化学肥料ですが、その使用するタイミングと有機肥料とのバランスが大切です。
化学肥料は即効性はありますが使いすぎは土を痩せさせ、持続可能な農業に繋がりません。
そこで手間暇とコストのかかる有機肥料作りが出番として出てきますが、効果が見えるまで
最長数年かかるというデメリットも存在します。
そこでコーヒーの花の開花前にだけ、即効性のある化学肥料を与え均一な開花を促す生産者がほとんどです。
その物質が木そのものに蓄積されることはなく、ましてや我々の口に入ることはありません。
実際、エルサルバドルのリマさんも開花の時期にだけですが、開花を促進させるために化学肥料を利用しています。
逆をいえば、それら完全不使用のコーヒーを作るとなると、効率も悪くかなりコストが上がりますので、我々も従来の何倍も原価が上がり、消費者もコーヒー1杯あたり数千円ということになりかねませんから持続可能とは言えないかなと思っています。
最近は情報が蔓延した影響で、誤った知識や思い違いをしやすくなっているとは思うので私たちも色眼鏡で見るのではなく実際に現地へ赴き、自分の五感で正しいものを吸収し、ご提供できたらと思っています。
毎年念のために農薬等に関しては各生産者と農園内を回りながら確認しておりますので、安心してお飲み頂けます。
そして、コーヒーの害虫と言えばブロッカ、またの名をベリーボーラーと言います。
乾燥を好み、実の先端から侵入し、徐々に内部を食い荒らしていきます。
手遅れの場合は生豆に到達されてしまい、欠点豆の被害が拡大してしまいます。
早期の処置が要ですが、今年は例年になく雨ばかり降るので、ブロッカの被害が少ないようです。
(※ブロッカと降雨量との関係はかなり密接に繋がっています)
ブロッカのような害虫にとどまらず、菌が付着することで起こるサビ病も重大な問題の一つです。
こういった問題をその場しのぎで対処するのではなく、人体の影響や自然破壊・環境問題などを鑑みながらうまく対処していくことが持続可能な農業だと感じます。
参考までに、ミルトンで主に取り扱うコーヒーの情報としてこちらにしるしておきますね!
【ニカラグア】
殺虫剤 不使用
除草剤 不使用
化学肥料 開花時期だけ使用
【エルサルバドル】
殺虫剤 不使用
除草剤 不使用
化学肥料 開花時期だけ使用
※エルサルバドルから購入している取扱い農園は全て活火山のエリアに位置します。
過去の噴火の影響で火山灰が堆積して酸性に傾いている為、より酸性に傾く化学肥料を物質的に与えることが出来ません。
また、標高が高く気温が低めのおかげで害虫が登ってこず、対策等もほとんど必要ありません。
]]>
逆に生産国からすると「輸出品」となり、外貨を稼ぐ大切な商材ですので品質の良いものは高値で売れる国へと流れていきます。
では、自分たちが作ったものを良いものは自分たちの口に入りにくいのでしょうか?
私(一社員)が始めて産地訪問させてもらったのは約10年前。
ミルトンとしてもまだ創業10年未満の時期でした。当時は、トップレベル(ハイスコア)=スペシャルティコーヒー品質のものは全て海外のバイヤーが買取り、ハイコマーシャル・コマーシャルレベルのものもある程度のお金になるため、処理過程で弾かれた行き場のない欠点豆などを掻き集めたものが国内消費用として流通していると現地の方が言われていました。(※ミルトンはスペシャルティコーヒーの買付の為、そこでの選別の話です)
では、現在はどうなのでしょうか。10年も経てば、コーヒーの質や各国の景気動向、消費量など大きく変わってくるはずです。
昨年7月より、オーナーがコロンビア・ニカラグア・エルサルバドルへと買付に行ってきましたが、やはり変化してきてるようです。
これまでは消費国側で発展してきたカフェやロースター文化ですが、今では生産国側でも自国のスペシャルティコーヒーを扱う事が当たり前となりつつあります。
その時に訪れたトロピカリアというロースタリーカフェは雰囲気も良し、食事も良し、何よりコーヒーが美味しいことに驚いたそう。
そして、コロンビアではお邪魔したCoE受賞農園のブルボンロサドのマイクロロットをカップさせて頂きましたが、焙煎がとにかく上手!というかほぼ完璧。スペシャルティでありがちなアンダー気味は全くなく、冷めてくると気持ちいいぐらいクリーンさが際立ってくるという印象です。
それでも焙煎しているホセさんは更に美味しくしたいと熱心に焙煎の話をしてくれる。エスプレッソ用とドリップ用と販売用と3パターン同じ豆を焼き分けるところまで行っているのは消費国と全く同じ認識です。しかもこのハイレベルのコーヒーを飲み慣れた消費者はもう元のコーヒーに戻らないのは消費国側でも同じですから、今後自国消費は増えるでしょう。
むしろ、ここのように鮮度抜群のニュークロップを完璧に近い形でお客さんに提供してるあたり、消費国側では難しいですし、生産国ならではの農園や品種などの情報の得やすさもあります。地産地消です。輸入トラブルもなければ為替変動もありません。日本のロースターからしたら羨ましい環境です。
それでもミルトンが直接買い付けを始めた20年近く前は、生産者さんはカッピング(味の評価のためのテイスティングスキル)をほぼ持っておらず、とりあえず「作っては売る」という繰り返しだったのだそう。
それが、量が減ったとしても品質を上げれば売り上げも上がり生活は向上する。これからは品質重視のスペシャルティが増えていくから切り替えた方が経営的にメリットが大きいと思考を切り替える農園主さんが増えていきました。
その為には自分で味を知り、方法を知らなければなりませんので自然と自国で味を評価するスキルを持つ人が増えるほど全体のレベルが上がり、結果的に自国でも美味しいコーヒーに対する需要が伸びたのかも知れません。
改めて日本を見てみると、色んな要因でコーヒーの価格が爆上がりの今、ここで品質を落とす事は追々致命傷になるだろうなと感じざるを得ません。ここ最近は、具合悪くなるぐらいの高騰ぶりですので、円安も相まって多くのロースターにとってはなかなかの踏ん張り時です。
少なくとも消費国側で出来ることは、月並みですが良い品質をこのまま取り扱い、安売りせず、お客様に価格以上の価値を提供することではないでしょうか。もうどこをどう探しても安くて高品質なスペシャルティコーヒーは難しいのですから。
主な目的は、現地の取引先へのバリスタ指導。
実はシンガポールでミルトンのコーヒーが飲める店舗は現在3店舗あります。
(店舗の詳細は後述いたしますね!)
その内の1店舗は、パティスリーカフェ”mooi”
パティスリーと名の付くお店なので、クロワッサンを始めデニッシュ系や焼き菓子が本当にハイレベルで、私も始めて食べたとき美味しすぎて驚きました!
シンガポールはクロワッサンやデニッシュは人気のようでどこに行っても見かけましたがmooiのものは贔屓目なしでも絶品です!
さて、ここではミルトンの本店と同じくSYNESSOのエスプレッソマシンとMAHLKONIGのミルを導入し、コーヒーにも本気です。
そして、私たちのコーヒーを扱って頂いているので、抽出してお客様が口にされるまで最高の状態で提供できるようこの度トレーニングをさせていただくことになりました。
ミルトンとお付き合いのある現地企業の社長であるケンさんは、シンガポール内に5店舗飲食店も経営されていますが、とにかく味にこだわるというのはミルトンのオーナーとも一致しています。
ケンさんが始めてミルトンの店舗へ来訪したときにコーヒーに感動し、自分の店でも取り扱いたいと思ったのがきっかけだったそうです。
さて、実はmooiはずっとプレオープンの状態で営業していましたが、4月15日の本格オープンに合わせ渡星し、オープンにも立ち会わせて頂きました(^O^)
オープンには現地の他店バリスタや有名シェフ、各界のボス(?)のような方々がたくさん来てくださり、私自身も普段関わらないような方とお話できて貴重な経験をさせていただきました。
そして何より嬉しかったのが、この舌の肥えている方々にコーヒーやカフェラテなど気に入っていただき、豆も買って行って下さったこと。
もちろんシンガポールでもスペシャルティコーヒーは人気で近年スペシャルティコーヒー専門のカフェやロースターも増えています。
面白いと思ったのは、日本と同じで昔ながらの苦い深煎りが好きなご年配層と風味特徴の出たスペシャルティコーヒーを好む若年層に分かれていることです。
酸味に苦手意識のある方も、スペシャルティコーヒーに出会い深煎り派から中煎り派へと変わる方も増えてきたと現地のバリスタも言っていました。
山口県周南市のコーヒーがシンガポールへ渡り、現地の方々に美味しいと認めていただけるなんてとても不思議な感覚ですが、同時に”美味しい”という感覚は世界共通だなぁと改めて感じました。
もっともっといろんな国でセルヒオさんやルイスさん、サミュエルさん、エウドロさん、リマさんなど優秀生産者さんのコーヒーが楽しめるようになってくれる日が来ることを願っています(^^)
では以下の三店舗でミルトンのコーヒーを提供しています。
機会があれば是非言ってみられてください。
Patisrrie cafe mooi 119967 Singapore 438C Alexandra Rd,#01-06/07 The Hub,Alexandra Technopark
Naked finn 109442 Singapore Block 39 Malan Road,Gillman Barracks
Burguar Labo 159553 Singapore #01-10 Henderson Industrial Park,213 Henderson Rd
]]>先日の中南米訪問時も航空券だけで、しかもLLC使っても例年の倍の費用がかかったので、ひっくり返りそうになりました。
燃油サーチャージが航空券並みにかかることもあるようで、数年前では考えられません。
今も価格高騰は続いているので、今後の産地訪問もどの航路を利用したら安くなるのか模索中ですし、もしかしたら中米間はバスを利用する事になるかもしれないと思い始めました。
生産国側でも、経由地であるアメリカでも物価は上がっていますので、滞在ホテルや食費などもこれから負担が大きくなるでしょう。
また、買付に掛かる費用だけでなく、円安も相変わらず進んでいますし、生産国側の物価高に応じて私たちの取引価格も吊り上げざるを得ません。
さて、10年近く前からミルトンでは卸先のお店スタッフを産地までお連れしたり、一般のお客様や農学部の大学生に同行していただいたこともあります。
もちろんメインは買付の為ですので、観光は一切ありません。
本当に興味があり、尚且つお金と時間(2月に2週間程度)に余裕がないと行けませんので、行きたい気持ちがあってもなかなかハードルは高いでしょう。コロナが始まってからはしばらく同行頂くのは控えていましたし、ミルトン自体も18年の間で初めて1度だけ訪問できない年もありました。
2022年あたりからだいぶ規制が緩和され、いよいよ2023年の買付では、関係ロースターの方々をお連れすることができました。
今後も出来るだけ希望される他店ロースターには一度でも現地に行っていただきたいので、今後募集を広げていく予定です。
渡航者が14名程度あつまればミニバスをチャーターした方が良さそうですし、最善策&安全策を検討中です。
私たちがそこまで産地に行って欲しいのには理由があります。
今回お連れした方々は天地がひっくり返るほどの衝撃を受けていらっしゃいました。
今は情報化社会で直接見たり聞いたり体験しなくても、オンラインで何でも入手できます。
それでも、思ってたのとちがう…と何につけても感じます。
特にコーヒーは味覚に関するものなので、こればかりは現地でカッピング(テイスティング)をして、そこでしか学べないことが山ほどあります。
現地のナショナルカッパー(国際審査レベルの味を評価・判断するテイスティングのプロ)と直接、意見交換をしながら擦り合わせて行くことでロースターとしてのスキルが格段に上がりますし、何より意識が変わります。
でもそれは、ロースターだけではありません。
10年前に卸先さんをお連れし、お客様・大学生をお連れした時も意識の変化や衝撃を受けられているのを強く感じました。
一歩外に出てみると、自分の可能性が広がったり、私自身も他者の意見を聞くことでモヤモヤしていた霧が晴れることがよくあります。
海外の資本力のあるバイヤーはこれからもっと加勢していくでしょう。
お客様の舌が急速に肥え、知識もプロ並みに持たれる方が増える中で日本のスペシャルティコーヒーもレベルの高いものを提供し続けるために私たちも日本のバイヤーとして個々のレベルを高め、日本の人々に飲んでほしい!と生産者さんに思ってもらえるようにコツコツ積み上げていきたいと思っています。その為にも、他店のロースターさんと産地訪問をご一緒させていただくことで、ロースターさんと生産者さん、私たちの全てが刺激しあい全体のレベルの底上げにもなると信じています。
日本から飛び出し、地球の裏側である生産国で何が起こっているのか、どんな人々がどんな思いで生活しているのか、どんな人生を歩まれているのかは言語が通じなくても感じ取れますし、それこそが最大の価値なんだと思います。
]]>毎回のことですが、こちらに来てみると世界で起こっている様々な出来事や課題に直面し深く考えさせられます。
少しだけ思いをシェアさせてください。
私たちコーヒー屋さん(ロースター)にとって「これは譲れない」とか「ブレさせたくない事」が何かしらあると思います。
もちろん私個人もロースターを始めた身として譲れないものがあります。それは、「絶対に質だけは下げたくない」というもの。
下げる時は辞める時と決めています。創業当初からお客様にも明言しており、常連さんの間では浸透していると思われます。
実はこの「質」というものが、ミルトンでお付き合いのある生産者達が絶対に拘り続けたいと口を揃えて言うセリフなのです。
それも年々気持ちが増していっている事が伝わってきます。それは生産国内での熾烈な競争も影響しているのではないでしょうか。
どこの誰よりも一点でも高いスコアのコーヒーを作り、品評会でも常に入賞できるようになり、それに見合う対価できちんと買ってくれるバイヤーと繋がっていきたいという強い思いがそうさせているように感じます。
また生産国同士の競争も激しさを増しています。これに関してはその国の政治的環境と政府の関わりが大きく物を影響します。
ニカラグアのような国では国を挙げてコーヒーをアピールする事が難しく、スペシャルティコーヒーの団体も明らかに機能不全を起こしているのが現状です。生産者達の力では外国へのアピールは非常に難しいのが現状です。
だからこそ彼らはハングリーなのです。もっと美味しいコーヒーを、もっと消費者の喜んでくれるコーヒーを作ろうと日々挑戦し続けているのです。
全く人気のなかったニカラグアがここまでの知名度になってきたのは彼らの努力の賜物です。ここまで上がってきた質に目を向けているのは日本人だけではありません。中国勢の買い方も半端ではなく年間世界中のスペシャルティコーヒーを買い続け、香港のトレーダー曰く7000コンテナ以上輸入しているそうです。もちろん現地で買付けをしていると話を耳にします。
量だけではありません。買付け時の金額も日本勢より高値で買います。中国勢だけではありません。オーストラリアも積極的に支払い買付けしていますし、アジア圏のバイヤーも同じ状況です。
このままでは一部のロースター以外は格下のコーヒーしか扱えなくなる気がしてなりません。せっかくコーヒーの品質を認めてくださり、ここまで支えてくださったお客様に今まで同様、またはそれ以上の品質のコーヒーをこれからも飲み続けて頂きたい。
そのような気持ちでお店の経営や買付をさせていただいています。
もっともっと生産国側の実情と世界の動向に目を向け、今すぐに出来ることから始めていく必要があると感じます。
今日はピッカーについてのちょっと真面目なお話です。
コーヒーに関わる人々にとってのピッカーとは、農園でコーヒーの実を摘み取る収穫人のことを指します。
スペシャルティ―コーヒーを生産するにあたり、このピッカーの仕事はかなり重要な役割を果たしています。
大量生産のコーヒーとは違い、人の手で一粒一粒摘み取っていく作業は今のところAIには代われないのです。
いまだに人の手で行わなければならない難しさはいくつか理由があります。
まず、標高の高い所で採れるスペシャルティコーヒーのコーヒーチェリーは山の斜面に位置しており、中にはかなりの急斜面になることもあります。
また、収穫に適した熟度も人の目で判断し、色で判別しているので未熟も過熟も避けなければなりません。
1本の木でも数か月の間に約4回に分けて収穫をし、チェリーの熟度を揃えていきます。
私たちも産地訪問時に収穫体験をさせていただきましたが、収穫スピードでいうとプロピッカーの方が10倍は早いですし、精度もレベルが違い驚きました。
さて、今まさに収穫時期なのですが、この時期は季節労働者でもあるピッカー(収穫作業員)であちこちの農園が溢れます。
個人や家族で移動している場合もあれば、小さな村の住民ごと移動して稼ぐ場合もあります。最近は収穫よりも楽で高額な仕事が増え始め、アメリカへ出稼ぎに出た方が世帯収入が増えるといったことから、ピッカー達の確保が難しくなってきています。
少しでも稼ぎたいピッカーはどこの農園はいくら払ってくれると値段交渉をし、条件の良い農園で働きます。
給料だけではなく、食事や寝床などの福利厚生も比較対象になりますから、生産者としてはコーヒーの生産を始める段階から出費がこれまで以上にかかっています。
ある程度摘み取ったチェリーは80-100kgある袋を山の麓まで運び、重さを計ります。その重さによって収入が決まるわけです。スペシャルティコーヒーを作る上では、完熟したチェリーのみを収穫するようにピッカーに指示または教育している為、緑色の未熟豆などを含めてはいけません。
その分多くの量を摘み取らなければ収入に響くため、ピッカーはその分単価アップを生産者に要求します。
生産者としては摘み取ってもらわないと困りますし、放っておけば商品になりませんし、単価アップに従わなければ他の生産者の元にピッカーたちが流れていってしまうかもしれません。
ピッカーにしてみれば、ここ時期に出来るだけ稼ぐことが家計維持には必要具不可欠ですから、妥協するわけにはいきません。
なかなかシビアな世界です。
農園主とってみれば質の良いピッカーを揃えることは容易ではありません。
農園を経営する上でピッカーの存在がどれだけ影響を与え、スペシャルティコーヒー生産国ではこういった現状があることを消費国側でも知ると、また見方が変わります。
]]>
今まさに楽しんで下さっている真っ最中の方から、既に飲みきられた方まで
おられると思います。
そして、残念ながら完売のため購入いただけなかった方は申し訳ございません
毎年12月初めから予約を開始するのですが、お問合せ自体は秋頃からいただきます。
ミルトンの公式アプリではアプリ会員特典として、優先予約を受け付けておりますので
是非この機会にアプリをインストールされてくださいね!
さて、今年はご案内の時点でおおよその内容は公開していましたが、詳しい銘柄は受取ってからのお楽しみとさせていただいておりました(^^)
参考までに今年のランナップをご紹介させていただきますね!
【一万円福袋】※¥12,000税込商品
①ラスラデラス農園パカマラ種ハニー処理
Las Laderas Pacamara Honey
②サンタエレナ農園ブルボン種スペシャルトリートメント処理
Santa Elena Bourbon Special Treatment
③ラスヌベス農園ブルボン種イーストアナエロビック処理
Las Nubes Bourbon Yeast Anaerobic
④サンホセ農園カツーラ種ナチュラル処理
San Jose Caturra Natural
⑤アイレフレスコ特級畑(エルポルベニール農園)パカマラ種オレンジハニー処理
El Polvenir Lot.Aire Fresco Pacamara Orange Honey
⑥ラベンディシオン農園SL34種ウォッシュド処理
La Bendicion SL34 Washed
⑦エルカンバラッチェ農園ゲイシャ種ウォッシュド処理
El Cambalache Geisha Washed
⑧ロスピリネオス農園ゲイシャ種ウォッシュド処理
Los Pirineos Geisha Washed
⑨エルカンバラッチェ農園マラカツーラ種ハニー処理
El Cambalache Maracaturra Honey
⑩エルポルベニール農園パカマラ種5日発酵ナチュラル処理
El Polvenir Pacamara 5days Fermentation Natural
⑪ラベンディシオン農園マルセイエサ種ナチュラル処理
La Bendicion Marcelleza Natural
⑫紅ブレンド
Red Blend
⑬白ブレンド
White Blend
⑭ノベルティ:ミルトンオリジナル折りたたみ傘(収納ケース付き)
【五千円福袋】※¥5,200税込商品
①エルコロソ農園ゲイシャ種ウォッシュド処理
El Corozo Geisha Washed
②ラベンディシオン農園パカマラ種ウォッシュド処理
La Bendicion Pacamara Washed
③ロスピリネオス農園カツアイ種ナチュラル処理
Los Pirineos Catuai Natural
④ドリップパック5種
Drip Bag 1Pac*5
⑤ノベルティ:ミルトンオリジナルトートバッグ
※③④をドリンクチケット10枚に交換可
ミルトンでも初めて買付させていただいたマルセイエサなどの珍しい品種や、ゲイシャ種も3種類揃っていることはなかなかないので、100gという少しづつ色々飲み比べが出来るのは福袋だけの魅力です!!
毎年2月には中米に買付に行くので、皆様からの福袋の感想を農園主さんたちに直接お伝えできるのが、私たちもとっても楽しみです(^^♪
また、今年から、配送に限りお正月三が日にお届けが可能になったこともあり、元旦から
家族や親戚、友人みんなで美味しいコーヒーが飲めたと、とっても喜んで頂けました♪
来年の福袋も是非楽しみにしていただけると嬉しいです。
]]>どちらもお馴染みのサミュエルさんの農園です。
今日はサミュエルさんを初め、ニアラグアの農家さんたちのちょっとリアルなお話をさせてください。
今年はオーナーの田中も長期にわたり中南米へ買付で滞在することが出来たので生産者たちとも多くの時間を共にし、なんとニカラグアのカップオブエクセレンスのオークション会場へ行くこともできました!
今回からオークションのインターフェースが新装されてリアルタイムでスマホで状況確認ができるようになり、より見易くなりました。
どの生産者達も自分のスマホを見ながら自分のコーヒーの金額が上がっていくのを見守っています。
緊張の瞬間かと思いきや、なかなかのリラックスぶり。
とは言え会場で6、7人の生産者に話を聞くとコロナ禍でのオークションですし、ニカラグアのブランド力の心配もあるので、金額がどこまで上がるのかが、みんなの心配事のようです。
私たちミルトンは、オークションロットに近い品質をいつも輸入しているので、安心して生産者達とお付き合いさせていただいています。
また、継続的なお付き合いのできるロースターと繋がりたいと言うのが彼らの願いでもあります。
今年の品評会ではなんと、全26農園のCOE受賞農園中、2つの受賞農園を輩出したサミュエルさん!
エルカンバラチェ農園、ラピコナ農園、ラエスペランサ農園をメインにコーヒ栽培をしている優秀な生産者です。
不作の年と言いながらもきちんと受賞するあたりハイポテンシャルです。
実はヨーロッパで人気の彼のコーヒですが、日本のロースターにも引き続き使って欲しいし、日本への販売に比重をおきたいと言っています。
ゲイシャを始め様々な品種を試し栽培していますが、私がコロンビアかから持ってきたブルボンチロソの種が彼の農園での今後どうなるかも楽しみです。
ニカラグアのラエスペランサ農園とサンホセ農園は両農園ともCOE受賞歴が多数あり、その高い品質を疑う余地はありません。
隣同士に位置しているその両農園は、生産者同士も頻繁に情報交換をしている仲。
元々はカツーラ種が主に栽培されていましたが、サビ病の影響も大きく、近年の新種の人気ぶりから、カツーラ種の収穫高は年々減っていっています。
さて、コーヒーは種を植えてから収穫できるまで早くて3年が必要で、その間は収穫(=収入)がないので経費ばかりがかかります。
3年後美味しくなければ伐採して次の品種を植えるということになります。
ロースターとして目新しい品種が販売しやすいと考えがちですが、生産者側の利益を本当の意味で考えられたとしたら、今のマーケットドリブンのような動きをロースターは支持しないような気が個人的にはしています。
抽出や焙煎のことも大事ですが、生産者側の気持ちに寄り添う事も同じく大事だと考えます。
COEオークション会場で聞いた生産者達のリアルな声を聞いてとても不安になりました。
「こんなハイリスクで大変なコーヒー作りに未来があるのだろうか?子供には継がせたくない」という声を聞いて私たちも考えざるを得ません。
コーヒーの木は毎年沢山のチェリーが熟し、収穫されるのを待っています。
しかし作業に大変さから収穫作業員は年々減少傾向にあります。
もう何年も前から問題になっていました。
高い賃金でも集まらないのです。
多くはアメリカへ移住し、ニカラグアの家族へ仕送りし始めています。
収穫出来なければコーヒー産業の危機です。
様々な部分で今の世の中の歪みが出てきているなと感じています。
僕たちに出来ることは、生産者の方にも常に目を向けておくということではないでしょうか。生産者が成り立たなければロースターもカフェも成り立ちませんから。
少しシビアな話にはなりましたが、こうして結果を出してくださっている農家さんの豆をより多くの方にお届けすることが私たちの役割ですので、皆さんに美味しく飲んで楽しんでいただけると嬉しいです!
]]>店頭でもお電話でも既にたくさんのお問い合わせをいただいておりましたが、ようやく12月1日より毎年恒例の福袋を予約受付いたします!
今年はのラインナップはこちら!!!!!
《一万二千円福袋》※税込
・コーヒー豆(粉) 全13種類
(シングルオリジン11種、紅白ブレンド各1種)
・ノベルティ ミルトンオリジナル折りたたみ傘
《五千二百円福袋》※税込
・コーヒー豆(粉) 2種類(シングルオリジン)
・ノベルティ ミルトンオリジナルトートバッグ
2023年の福袋の目玉は「ゲイシャ種」が合わせて3種入っています!!!!!私も先日3種一度にカッピング(テイスティング)してみたのですが、印象が全部違っていて驚きました。飲まれたことがある方は想像が付くかもしれませんが、フレーバーティーのような分かりやすい華やかさのある特徴的な風味のコーヒーです。今回の3種は、エルサルバド産とニカラグア産がありますが、いわゆる「ゲイシャ」らしい風味のものから、よりどっしりした質感や飲みごたえが出てコーヒーらしい濃さのあるものまで、本当に土壌で変わるんだなぁという発見がありました。その他にも、マルセイエサ種というミルトンでは初、なおかつこの福袋でしか飲めないコーヒーも入っております!
そしてもう一つの目玉は「アナエロビック処理」のコーヒー。
ゲイシャ種は樹の品種の話ですが、こちらは収穫後の実の処理の話です。この処理が出来上がりのコーヒーに大きな味の影響を与えます。
アナエロビック処理は日本語で「嫌気性発酵」と呼ばれる発酵方法を指す言葉ですが、同じ発酵でもそのタネとなる物が必要で、こちらの生産者のリマさんは「イースト菌」を利用しています。嫌気性ということで空気に触れさせずに発酵を行なう方法なので実の水分は放出されない分、凝縮感を感じます。
余談ですが、スペシャルティコーヒーを選ぶポイントとしては、国の名前や農園名よりも、この「品種」や「処理」で選ぶ方がご自身の好みを探るにあたって近道なのかなぁと思います。
近年、ミルトンと長年取引のある農家さんが続々と国際品評会(Cup Of Excellence)で受賞しておられます。今回の福袋でも初登場の農園「El Cambalache エルカンバラッチェ農園」は、2022年国際品評会でも7位受賞の農園なのですが、ミルトンが4年前ハンガリー進出の際に購入させていただいたサミュエルさんのコーヒーの売り上げで、この農園を拡張目的で彼が買い足されたという経緯もあり、私たち自身も思い入れがあるコーヒーです!
長々と書きましたが、そのくらい今回の福袋のラインナップは充実している自慢の福袋となっていますので是非皆さんで楽しんでいただきたいです♪
今年は、お正月に親戚や友人たちで楽しみたい、手土産でプレゼントしたいという要望にお応えし、配送に限り元旦からお届けできるようにいたします(^^)
ご予約時に日時指定が出来ますので是非ご活用ください。
※指定がない場合は、1/1以降順次配送いたします。
]]>8月→通常通り営業
9月→12日(月)~16日(金)の間、夏季休業
※8月は木曜定休以外はお盆期間中も営業します!!
【通販の発送についてのご注意点】
お休み中は通販のご注文はいただけますが発送作業はしておりませんので
休業前日(9/11)の15時以降のご注文分は、休み明け(9/17)発送となります。
休業中を着日にご指定頂いてもお届け日はズレますのでご了承ください。
さて、只今オーナーはニカラグアに滞在中です。
コロナ禍になってから、毎年2月にミルトンのスタッフ全員で産地訪問するという恒例のサイクルが叶わなくなってしまいました。
会社としても2月の買付で選んできた豆を、帰国後オーダーし、現地でオーダー通りに準備をしてくださって夏~秋頃に港へ届くという流れで10数年経営してきましたので何だか調子がくるってしまいますが、長年の付き合いで信頼関係をしっかりと築いていたおかげで今回のような産地へ行けないような事態でも産地側でしっかりミルトンの求めるレベルを理解し、準備してくださいました。
ようやく海外への渡航が緩和されてきたので、例年とは違い日本でいう夏のタイミングでオーナー単独ですが、産地訪問をすることとなりました。
7月半ば~9月上旬の予定でコロンビア・ニカラグア・エルサルバドルの滞在となっております。
それぞれの国で、かつてないほどたっぷり滞在しますし、いつもとは時期も違うのでとてもメリットが多いようで、既にたくさんの現地情報を日本にいる私たちにもリアルタイムで届けてくれています。
今はちょうどニカラグアのタイミングですがこちらの国に関しては特に、1か月もの長い間滞在となるので、四六時中生産者さんと行動を共にし、毎日夜遅くまで語り合うことで生産国に起こる問題や日進月歩のコーヒー豆の品種や精製処理についての理解が格段に深まる!と、興奮気味に連絡が入ります。
とは言っても、異国ですので食生活の違いや冷たいシャワーでなく温かい湯船に浸かりたい。。など、たいていの人は何かしら思いそうですが、何か月でも居れちゃうあたりがさすがだなぁと思わされます(^^;
店頭ではお客様にも産地に関するご質問(コーヒーのこと以外でも!)よく頂きますが、せっかくご縁があってその国と取引させて頂いていますので、皆さんにも農園場や農家さん、コーヒーに関することだけにとどまらず、国やカルチャーなどもシェア出来たらと思っています!
楽しみにお待ちください(^-^)
]]>
といっても今年はオーナーのみの訪問です。
ただ今、コロンビアに滞在中。
今回の買付はコロンビア、ニカラグア、エルサルバドルの3か国をトータル2か月半滞在する予定です。
毎年スタッフみんなで訪問していた中米ニカラグア・エルサルバドルに比べコロンビアは格段にハードなのだそう。
でも、コーヒーのカッピング(テイスティング)では、ひっくり返る程おいしいコーヒーがいっぱいあった!と連絡がありました。
ここで買い付けた豆を実際に皆さんに飲んでいただけるのはまだまだ先になりますが楽しみにお待ちください(^-^)
さて、オーナーはこの後中米ニカラグア、エルサルバドルに飛びますが、2022年収穫の中米の豆が今まさに日本へ向けて海の上です。ややこしいのですが、こうして買い付けに行って選んだ豆は、実はまだ収穫中なことが多いので今から収穫を終えて処理して乾燥させて寝かせて水分値を下げて輸出の手続きをして…というなかなかの行程を踏んで私たちのもとに届くので、半年程度はかかってしまいます。
コンテナ船に乗せて輸送しますので、2-3か月(コロナ禍の序盤にはもっと)かかってしまいます。そんなこんなで来月到着予定ですので、こちらの方は秋ごろから順次販売できるかと思います。
そして新豆が届いたころには現地では既に実を付け初め、収穫の準備が始まります。
それと共に、私たちも次の買付に向けて現地とのやりとりや航空券の手配などの準備が始まり、収穫や買付が年に一度とは言え息つく暇がないような感覚です。
正直なところ、今年は世界的にもコーヒー豆が減産傾向で特にニカラグアは、ミルトン17年の中でも最も採れ高の少ない年となってしまいました。更に新型コロナウイルスやロシアとウクライナの戦争の影響ももちろんあります。燃料高騰・円安、そして国内でも全てにおいて物価高騰しており、直輸入で製造小売業という私たちのような商売には大打撃です。
日本国内のロースターさんは皆さん同じように影響を受けられていると思いますが、折角コーヒー産地側が年々レベルをあげられているのに、こちら側で質を落とせませんし、その思いはどこのロースターさんも同じだと思うので今は苦しい時ですが、美味しいコーヒーを提供し続けるために色々踏ん張り時なのかなと思います。
やっと少しづつ海外に出られるようになり、また能動的に仕入れや活動出来ればいいなと思っています
]]>5月16日(月)~5月20日(金)
※通販の予定※
5月15日14:59までのご注文→当日発送
5月15日15:00以降のご注文→21日以降発送
その他は通常通り木曜定休です。
ご不便をおかけしますがよろしくお願いいたします。
]]>
ラベンディシオン農園ではパカマラを多く取り扱わせていただいていたので今回皆さんの反応がとっても楽しみです!!!
パライネマも品種名。
こちらはオーナーも「ミルトンのお客様は好きな方多いんじゃないかな?」と言うほどバランスよく甘いスパイスを思わせるエキゾチックなコーヒーです(゜-゜)
香りもハッキリ、ボディーもしっかりなので飲みごたえあります!ラピコナ農園でもミルトンでお馴染みのマラカツーラ種ではなく、初登場品種の新豆となります。
さて余談ですが、ミルトンの取引農家さんは皆さん「美味しいもの」を作るのにどん欲です。
正直なところ、従来のコマーシャルコーヒーと呼ばれる安価なコーヒー豆の生産して薄利多売になるよりも、スペシャルティコーヒーレベルのもの時間と労力を作って少量でも本当に評価してくれて高値で売る方向性に希望を見出している生産者たちも増えているようです。一昔前は、作り手自身が味の善し悪しが解らずにただ生産していたことを思うと、生産国側にしても消費国側にしてもコーヒーに求めるものがまるっきり変わってきているのを感じます。
毎年の買付訪問でも、1年の間にどんな変化や工夫・挑戦があったのかを話してくださいますし、様々な品種にも毎年のように挑戦しておられます。品種に挑戦と簡単に言いましたが、コーヒーの木は植えてから収穫できるまで早くて3年~5年はかかります。
その間はもちろん収穫できない(=収入にならない)ですし、育ったところで味の保証はないわけですから農家さんにとっても大きな賭けなのだと思います。
近年、コーヒーの品種や処理に消費者の注目があつまり、品評会向けに注力されたりと様々ですが、ミルトンでは特に受賞豆に拘らず、買付時は品評会ジャッジ方式で点数化して相応のハイレベルな豆を買わせていただいています。
農家さんが1年もかけて作られたコーヒーを正当な価格で取引し、今回のような新しい品種や処理などもストーリーごと皆さんに楽しんでもらえると嬉しいです♪
]]>もちろん、毎年恒例の新春新豆福袋を購入いただいた方々にはひと足早く飲んでいただきましたが、
ようやく一般販売となりました!
以前にミルトンコーヒー公式アプリの方ではお話させてもらっていますが、アイレフレスコは実は農園の名前ではありません。
ニカラグアのセルヒオさんおなじみ「エルポルベニール農園」の中の“特級畑”。
アイレフレスコのオレンジハニーはミルトンでも最高評価ですし大好きな方も多いですよね!
この区画にも産地訪問時には必ず訪れますが、アイレフレスコはエルポルベニール農園のある山の頂上エリアのロット名なんです!
なのでアイレフレスコには修業のようにハードな登山の思い出があります(笑)
もちろん、農園全体が山に位置するので、グルーっと緩やかに蛇行しながら、でも道は獣道のような険しい通りがところどころにあり慣れない私たちからすると「これでどうやって収穫したり重たい荷物を運ぶんだろう…」と不思議でなりません。
そうこうしている内に急に視界が拓けるエリアにたどり着きます。
そこがアイレフレスコ区画。
アイレフレスコは頂上だけあって日当たりや風通しも良くベストな環境です。
が、管理は大変です!!
肥料を何キロも与えるのに台車で悪路を何往復もしなければなりません。
実際に私達も台車に載せて体験しようとしましたがまず肥料が重くて台車に載せられず…
載せられても動かせません!
農園運営のどこを切り取っても、計り知れない苦労には毎回驚きと感謝でしかありません。
余談ですが、ここで私は生まれて初めて野生のアボカドの樹を見ました!ちょうどアボカドの実もたくさん付いていました。アボカドの樹は想像をはるかに超える高さで10メートルはあったように感じます。背の高い樹はコーヒーにとっても良いシェードツリーになるので重宝しているようでしたが、きっとアボカドを商用として栽培していたら樹が高すぎて収穫が大変だから扱いやすい大きさに品種改良されちゃうんだろうなぁ。
アボカドの実は地面にもたくさん落ちていたので、ホテルへ持ち帰って食べようとしましたが、繊維質がすごくて食べにくいし何だか美味しくない…でも良い体験ができました(;^ω^)
話を戻しますが、そんなこんなで同じコーヒーでも山の麓か山頂エリアかでも栽培方法や苦労など全然違うことが分かります。
そんな環境で育ったアイレフレスコです、是非想像しながら飲んでみて欲しいです!
このブレンドは毎年チョコレートに合うようにブレンドしております!この時期はバレンタインであげたりもらったりはもちろんですがチョコレート商品がたくさん出るので何かと食べる機会が多いですよね。
チョコレートなんだからどんなコーヒーでも合うでしょ!?という声が聞こえてきそうですが、コーヒーの種類によって全っ然違います!!!スペシャルティーコーヒーだから合うという訳でもありません!
毎年このブレンドを作るにあたって色んなパターンのブレンドを試作してはチョコレートと合わせてみるのですが、ブレンド単体としては美味しいのにチョコレートと合わせたとたんに味のバランスが崩れたり、口の中でチョコレートとコーヒーの味がうまく融合してくれなかったり…本当に微妙な差なんですが調整が難しいんです(^^;
ただ、ばっちり決まった時の味わいは感動モノなので購入された方は絶対にチョコレートとマリアージュ体験して頂きたいです!!!!
特に「生チョコ」や「ミルクチョコレート」
くちどけの良い滑らかなチョコレートは特に相性抜群です♪
また、ミルトンではブレンドと併せて毎年恒例、阿知須のパティスリー「ロワゾブルー」さんの生チョコを250個限定で販売しております°˖✧。✧˖°
■ロワゾブルーの生チョコと「バレンタインブレンド」のドリップパック2Pセット ¥1850-
■ロワゾブルーの生チョコと「バレンタインブレンド」250gの豆(粉)セット ¥3300-
こちらは店頭受取が可能な方のみとさせていただいておりますm(__)m
ちなみにミルトンのコーヒーが練りこまれたこの生チョコは、
毎年使用するコーヒーが替わります。
今年は「ラベンディシオン農園ナチュラル処理」を使用。
赤い完熟果実を思わせるフルーティーで甘さ濃厚なコーヒーなので
チョコレートとも相性抜群です!
また、コーヒーが入っているといってもコーヒー味というよりは
余韻にフワッと微かに香るくらいの繊細な香りです。
この生チョコは毎年バレンタイン前に予約開始をしますが、年々お問い合わせが早まっているほど人気です。ですので数量制限やミルトン公式アプリをお持ちの方には先行予約特典を付けたりさせていただいております。
それでも買い逃す方もおられるので、ミルトンとしても出来る限り皆さんに行き渡るよう考えていきたいと思っております(;^ω^)
また、バレンタインブレンドは、この生チョコに合わせる為に作られた自信のブレンドです( *´艸`)
甘いものが苦手な方への贈り物としてもおススメです~♪
一方、エルタンボール農園は深煎りならではのダークチョコのようなビター感はしっかり存在しながら口当たりは優しくスルスルと飲み干せてしまいます!
どちらも創業当初からお付き合いのある農園で、取り扱いのなかった間も「ミラドール入らないの!?」とよく問合せ頂いていました。
実はエルミラドール農園の農園主であるフェルナンド・リマさん(Fernand Lima)は、こちらに限らず多くのコーヒー農園を保有しておられ、同時にエルサルバドル最大の生産処理・輸出業務を請け負う会社の役員をされています。
ですので産地訪問の際は、何十サンプルものスペシャルティコーヒーを準備して下さり、ミルトンではそのサンプル中からその時の収穫のベストなものを購入させていただくので、他農園が上回ればそちらを優先して買い付けたり、今年のようにエルミラドール農園が良かったりで購入するものを決めるので、皆さんにお届けできる年とそうでない年があるわけです。
とは言っても、創業当初からエルミラドール農園は根強いファンが多く、「あの味が忘れられない」「ミラドールを超えるものがまだ見つからない」との声を、店頭でも通販サイトのコメントでも頂くことが多かったので今回再販が決まって私たちスタッフがまず喜びました(^O^)/
また、エルタンボール農園はフェルナンドさんのお兄さんであるエルネスト・リマさん(Ernest Lima)の経営する農園です。
ミルトンでは時々ラスヌベス(Las Nubes)を販売していますが実はラスヌベスはエルタンボール農園の一部でロット名なのでなんとなく味のイメージは近いかと思います。また、以前販売していた「サンパブロ農園深煎り」(こちらはフェルナンドさんの農園)がお好きだった方のお口にも合うんじゃないかなと個人的には思っています。
久々に皆さんに飲んでいただける農園なのでとっても楽しみです♪
ちなみに...
写真はパンデミック直前の2019年2月訪問時。
毎年のようにリマさんの経営する農園を回り、収穫体験をさせて頂けました!
一時間みっちり収穫(もちろん本気を出しました笑)させてもらった結果、カゴ1/5程度。。。
さすがプロのピッカー(収穫人)さんの凄さを実感しました。
ちなみに「この籠いっぱいにして〇百円」と、農園によって決まっていますが、きちんと教育して熟度の揃ったチェリーだけを積む優秀なピッカーを集めるにはお給料を初め好条件にしなければ集まりません…
実際、予約の時点で本当に楽しみにしてくださり、今日も開店前から待っててくださるお客様も!!!
早くみなさんに飲んで頂きたいです!(^^)!
また混みあうことが予想されるため配送もおススメしており、通販のお客様や自宅配送ご希望の方への発送の準備も着々と進めております(^-^)
通販の方はご注文の順に順次発送いたしますので、2-3日かけて発送完了の予定です。 楽しみにされている皆様、もうすぐ届きますので今しばらくお待ちくださいませ。
皆さんはどんな年末年始を過ごされましたか!?
まだまだコロナ禍ですので派手なことは出来ませんが、私は友人の家に行ったり家に招いたりで、外出こそ控えたものの久々に会ったり話したり、充実した休みを過ごしました(^-^)
仕事始めでは他のスタッフとも5日ぶりに会い、(とっても久しぶりの感覚です笑)みんな気が済むまで寝たり、家族で過ごしたりと思い思いの休みを過ごしているようでした。家族親戚が集まるのはお正月がメインだと思いますが、そんな時にミルトンのコーヒーやドリップパックを手土産にして下さる方が本当に増えたと思います。
12月はお歳暮はもちろんですが、大人数で楽しむためのコーヒーを買い求めて来られる方が多いので、私自身もお正月は家族みんなでコーヒーを飲みながら、ミルトンのお客さんも今頃みんなで飲んでるのかなぁと思ったりして過ごしていました(^^)
さて、ミルトンは今17年目の年となりますが、コロナの影響で初めて産地に行けないという事態となりました。
それでも今回の福袋のラインナップを見ていただけると分かると思いますが、通常では手に入らないようなコーヒーや珍しいコーヒー、ミルトンのお客様に喜ばれそうなコーヒーを農家さんはたくさん提供して下さいました。
セルヒオさん、ルイスさん、エウドロさん、サミュエルさん、フェルナンドさん、エルネストさん。これらの取引農家さんはこれまでのお付き合いによりミルトンのお客様が求めているレベルをとてもよく理解して下さっています。今年も最高品質のコーヒーを皆さんに無事お届けできることに本当に感謝しかないです。そしてコロナが落ち着いてまた会えた時にそれを伝えたいですね!
では今年もミルトンコーヒーロースタリーをどうぞよろしくお願いいたします。
そしてつい先日も、エルサルバドルからのコンテナ(生豆)が到着しました!!!
例年だと夏ごろに届くのですが、昨今のコロナの影響、また昨年に続き、今年は特に世界規模で主要コンテナ港の混雑状況が更に悪化するという稀に見る事態となり、正直私たちもハラハラ...(*_*;
私自身も輸入業務に携わらせてもらってから、海外から商材を仕入れるってこんなに大変なんだ!と驚きました。特にコーヒー生豆という特性上、目視では品質の善し悪しが分からないこと。尚且つ納品までに多くの輸入工程を踏むので、色々なリスクも考えられます。その上で一番重要だと感じたのはカッピングスキルです。カッピングとはそのコーヒーの品質を味で評価することなので正確に表現でき、スコアを付けられないことには始まりません。そして信頼できる業者の選定。今でこそ改善されて来ているとは思いますが、悪質な輸出業者などによる商品の差し替えなどよくある話でした。また、日本に無事に到着したところで日本の厳しい品質検査(農薬など)をパスしなければ、モノが届いていても輸入許可がおりません。今年のように船の渋滞や航路変更、更には為替リスクなど本当に色んなリスクをはらんでいるので毎年この時期は内心ドキドキしながら待っているんです。。。
とにかく無事に着いてくれて本当に良かった!!
さて、このエルサルバドルの新豆、販売に向けて早速サンプル焙煎を行ないました。
販売用の豆は普段、もっと大きな35キロ焙煎機で一気に焙煎しますが、サンプル焙煎では小さな焙煎機で少量づつ焼いて、プロファイル(焙煎方法)の研究や味のチェックをしながら販売に向けての準備を行なっています。
今年はニカラグアに続き、エルサルバドルのリマさんも受賞されました。
実はリマさんの事務所には、壁一面(しかも四方!)にびっしりCOE受賞の賞状が
飾られています(゜-゜)
その国でトップ10に入るということは、とんでもなく凄い事なんです!
ニカラグアでも今年のCup Of Excellence(国際品評会)では上位10位中5銘柄が
ミルトンの取引農家さんが受賞されるという過去最高の成績でした!
そんな最高品質のスペシャルティコーヒーが取り扱えることや、皆さんに飲んでいただけることは
とっても光栄です(*‘ω‘ *)
エルサルバドルの新豆は順次販売していく予定です!通販サイトにも同時に載せていくので楽しみにお待ちくださいね♪
今年は9月に入ってもまだまだ暑く、更には10月になっても水出しが良く出るという稀に見る年となりました(+o+)
ギリギリまでホットにするかまだアイス用を買うか迷われていた方も多かったですね(;^ω^)
今年のように夏が長引いた分、急に涼しくなったりすると多めに買っていただいていた水出しアイスコーヒーが中途半端に余ってしまうこともあるんじゃないでしょうか。。。
そんな方に是非試してもらいたいのですが、水出しの個パックから粉を取り出し好きな器具で
ホットコーヒーを淹れてみてください(゜o゜)!!
一袋40g入っているので1杯分だと半分の20gくらいで十分です
ペーパードリップの場合は少量の熱湯でしっかり蒸らしをしてくださいね!
プレスだといつもと同じ感覚で淹れても濃く感じるかもしれませんので、その時は後からお湯で好みの味まで薄めていくことをおススメします!
(※ミルトンの水出しアイスコーヒーは、低温の水からでも十分香りや甘さ、味が出るように濃い目のブレンドとなっています。)
水出しアイスコーヒーは、水から抽出するのでホットと違い本来は香りをしっかり出すことが難しいのですが創業当初に試行錯誤して作り上げたブレンドで、決して炭火焼のような苦味やエグミはなく飲み口は香りと甘さで余韻はスッキリしています。
また当時はまだ珍しかったのですが、不織布にパックされているので麦茶のパックのように浸けておくだけという手軽さもあって当初からかなりの人気商品(むしろ夏場は水出しアイスコーヒー専門店くらいよく出ます…)ですのでまだ試されたことない方やギフトでも本当におススメです!!
今年から水出しのパッケージもリニューアルし、可愛い装いにもなりギフトで受取った方もパッケージを見ればミルトンの本気度合いが伝わるのではないでしょうか。。。エージレスを封入したことで常温でも未開封の賞味期限が6か月と延びました!
更に開封後もしっかり空気を抜いてチャックしていただき冷凍庫保管をしていただくことでより風味が保たれやすくなります。
余ってもったいなかった・・・と諦める前に、ぜひ最後まで美味しく飲み切って頂けると嬉しいです(^O^)♪
まず、
・ラベンディシオン農園 ハイブリッドH1種 ナチュラル処理
・ラベンディシオン農園 パカマラ種 ナチュラル処理
この2つは「ナチュラル処理」と呼ばれるフルーティーな香りが特徴的な処理方法。
元々は赤褐色の完熟果実ですが、果皮の付いたまま乾燥させることで写真のように
黒っぽいドライフルーツなります。
その乾燥過程で、果皮に包まれた果肉が発酵し、糖度の高い果肉が後にコーヒーとなる種子の部分に、香りとともに浸透して独特の香り・味わいが生まれます。
どちらも同じ処理なのですが、コーヒーの木の品種が違います!
リンゴやお米と同じように樹の品種で味の特徴が変わりますよね。
それだけで、同じナチュラル処理のこの2つも全く違った印象になるんです!!!
こちらのパカマラ種ナチュラル処理を焙煎によって差をつけたものが
・ラベンディシオン農園パカマラ種ナチュラル処理 深煎り
焙煎度合いを深めにしている分、ビター感もしっかりありながらもナチュラル特有の
フルーティーな香りも楽しめます。
とにかく甘さも香りも上品でいてコーヒーならではの苦みも感じられるので満足感は高いです。
そして、4つ目が
・ラベンディシオン農園 パカマラ種 ハニー処理
ハニー処理は収穫後、果皮は剥くものの果肉の部分はしっかり残したまま乾燥処理に入ります。
果皮で覆われていない分ナチュラルに比べると発酵状態になりにくいという違いがあります。
果肉がむき出しになっているので糖度の高い果汁が乾燥とともに粘土を増し、甘さとして種子に浸透していきます。
ハニー(蜂蜜)と表現されるだけに、甘さも酸もハッキリ際立っています。
その分余韻も長く満足感が続きます。。。
最後に
・ラベンディシオン農園 パカマラ種 ウォッシュド処理
こちらは収穫後に果皮も果肉も剥いて種子に残った果肉まできれいに水洗いして乾燥させて処理です。
コーヒーチェリーの持つ本来のクリーンな風味が楽しめます。
個人的にはこの何も邪魔しないクリーンな味わいが飽きがこず毎日飲むならちょうど良くて好きです。
一昔前は国や山全体で銘柄やイメージを表していたものが、こうして同じ農園に絞られてもなお5種類もの違った味わいが楽しめるようになったのはスペシャルティのクオリティの進化だと思います。
そしてこんな楽しい飲み比べが出来るのは、毎年絶えず色んな実験・検証をされているルイスさんと16年お付き合いをさせて頂き、色んなコーヒーを買付させて頂いているお陰です(゜-゜)
それにしてもミルトンでもこれほど同農園が揃っていることも稀なので、興味のある方は今の内に試してみられてくださいね♪
いつもミルトンのコーヒーを飲んでくださっている方に、
お店からのささやかなプレゼントです(^.^)
ちょっぴりの増量ですが、どうせ買うならおトクなほうが嬉しいですよね♪
何より私たち的に嬉しいのは、
今回は通販のお客様にも適用できるイベントってことです!!
いつも、どうしても店頭でのイベントだったりプレゼントだったりに偏りがちで
通販のお客様には通販ポイントという形でしか還元できなかったので...
通販では毎回、一人一人にお手紙を書かせていただくのですが何せお会いしたことがありませんので勝手に想像をしながらコーヒーの好みなどを分析したりしています(^^;たまにお手紙のレスポンスとして次回注文時にサイトの備考欄に私たちへのコメントを下さる方もおられ、ささやかな交流がいつも楽しみです♪なので出来る限り通販サイトでのお客様にも何か楽しんでもらえることできないかなと考えます。
さて余談ですがこういったイベントや各種キャンペーン、限定商品などはスタッフみんなで話し合って決めております。
お客さん皆さん、ミルトンを色んな使い方をしてくださいます。毎日家で楽しむためのコーヒー豆を買いに来てくださったり、何か手土産やギフトの機会があったら必ずミルトンと決めてる!という方も多いですし、通販サイトを通して交流させて頂いているお客様も一度もお会いしたことはないものの大切なお客さまです。また、店頭ではドリンクも提供していますのでお仕事の合間に平日は毎日のようにドリンクで来て下さる方から週末にご家族みんなで来て下さる方、本当にたくさんの方に来ていただいています。そんな皆さんに何が喜ばれるのか…常に新しい発見があり、いつ来ても楽しかったと大満足してもらえるお店にするには…と、いつもみんなで考えています。
限定ドリンクや季節限定ブレンドは定番となってきましたが、夜カフェ・バーのコラボイベントやレシートくじなども好評だったのでこれからも色んな面白いことをどんどんしていきたいなぁと思っています(^O^)/
今回はその一環としての10月限定増量デーですが、もし好評であれば後続したいなぁと
個人的には思っています!
では明後日からです!
ご注文お待ちしてますねー(^O^)/
コール ミ・ル・トン
TEL:0120-56-3610
10月 01, 2021
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