気付けば四十二歳になろうとしている今年、本厄から後厄となったわけですが、 年の初めから清々しい気分でいられるのは、スタッフのおかげかもしれません。 小さな会社なので、若手自体も人数が知れているわけですが、それでも経験された ことがある方ならおわかりだと思いますが、社員教育とは実に骨の折れる仕事で、 それが実際実るかどうかも分からない「もや」のようなもの。
更に一人一人異なる ため、一から各自を手探りで指導していかねばなりません。 私は日本での会社勤めを二十五歳から始めたので、人よりも出遅れてしまった。そこを補うべく、なるべく自分がカラカラのスポンジのように何にでも興味を持ち、 受けた仕事はレベルが低いながらも上司の期待以上の成果を目指して、こなしてき ました。起業するまでの五年の間、二つの会社に転職したわけですが、実に內容の 濃い時間でしたし、まだ私は二十代でした。
二十代はがむしゃらに数をこなしなが ら、三十代への準備をしていく期間だと考えています。三十代はそれまでの場数を 応用していく時期で、私のような四十代は応用してきた経験をある程度の形に落と し込まなければなりません。やってきたつもりでも、もっと今よりも先に進めたの ではないかと自問自答したりもします。
ミルトンで頑張ってくれている二十代の若手は目まぐるしい速度で成長してくれて います。それも彼女たちはまだ二十代前半ですから、当時の私はまだ社会人にも なっていませんが、今は何が楽しみかと言えば、私と同じ四十二歳になった時、ど んなに素晴らしい人材となっているのかワクワクしますし、幸せな生活と充実した 仕事をしていて欲しいと願うばかりです。
いい大人が若いスタッフの粗捜しをしても仕方ありません。今できる最大限の可能 性を探ってもらえるようこちらが動いた方が、共に幸せになれます。ミルトンは コーヒー屋ですが、共に働く仲間にはコーヒー以外の重要な部分も体験・経験してもらい、素晴らしい人となってもらいたいと思っています。