容器包装リサイクル法改正により、七月よりミルトンでもレジ袋有料化を義務付けられました。お店としてはこれまで無料だったものに代金を頂くことになるため、確かにコスト的な負担は減りますがお客様の反応や店舗側の手間、昨今のコロナによる衛生面もありどうなるのかなと、この環境問題に取り組む身として興味深く捉えています。
 
環境問題と大枠で言えばごみ問題に限らず大気汚染・海洋汚染・エネルギー問題・森林破壊など本当に様々な課題が挙げられますが、ミルトンで言えばコーヒー生産国の農業汚染や水質汚染などが身近なものでしょうか。
 
私は創業当初から取引条件として(これは豆の袋の裏面にも掲げていますが)生産活動の中で「環境に配慮していること」を挙げています。 サスティナビリティを実現するには最も重要な課題と言えるでしょう。
店舗で言えば、ドリンクを利用される方はご存じの通りこれまでプラカップをバイオペットにしてみたりストローを紙や生分解性物質にしてみたりと試行錯誤してきました。しかし現状ではまだゴミ処理に関する法整備が整っていないことや国内でのエコ対応商材の選択肢が少ないことなどからなかなか踏み込めない課題が残ります。そもそものゴミの量も減らしたいとも考えています。
 
また、日本の贈り物文化では箱・包装紙・熨斗紙・紙袋・更には雨が降れば防水ビニールに至るまで手厚い梱包がスタンダードになっています。素敵な慣習ではありますが、同時に矛盾も感じる時があります。大切なのは気持ちであり、それを見た目では推し量らない世の中になればまた贈り物文化も形を変えるでしょう。
 
だいぶ前の話になりますが「不都合な真実」という映画が話題になりました。その内容に驚き、焦りを感じた人もいると思います。あれから何年も経った今でも度々話題に上がり、続編が出るほど人々に衝撃を与えました。内容の賛否は色々ですが、「真実」と謳われるものにも疑問を持ち、自分の目で足で確認して自分なりに理解をしたいというのが私の性分です。ただ見聞きしただけで判断したくないのです。
 
とある環境先進国ランキングでは上位ヨーロッパ各国に続き日本がランク入りしていました。どこの数字やデータを根拠にし、何を以ての順位なのかいまいち分かりませんが鵜呑みにする前にまず自分で咀嚼しなければなりません。「リサイクル」という言葉に誤魔化されていたり、自国のお金や利権を優先させるあまり、弱い国が犠牲になっていては本末転倒ですから。 
 
結局、人間は身体が資本であり、全人類が「健康」を永遠のテーマとするように、地球も健康でないと将来に繋がらないのです。前にオーナーレターでも書きましたが、「子供への投資が未来をつくる」とは、何もお金や教育だけでなく、環境においても通ずるのです。今この瞬間の自分たちの行動が何十年何百年後に現れる。そう考えれば他人事とは決して言えなくなってくるのではないでしょうか。