数名の若い学生さんから、大学や大学院の必要性についてどう思うか聞かれたので、答えたことがありました。ひと昔前までは親の経済力で行けるか行けないかを考えていたかもしれませんが、今はそもそも行くことに意味はあるのか考える学生が増えてきたのかも知れません。 その背景には、大学を卒業した親達の働いている姿を見ても、親が言うほどの期待が持てなくなってきているのかもしれません。
 
私の考えは至ってシンプルで、何か興味や関心事が強いジャンルのものがあるのなら、大学や大学院は最適な学びの場だと考えています。また、将来の職業ややりたいことは決まっていないけど、大学に行くチャンスがあるのなら、学生同士の繋がりを大切に過ごしてもいいと思います。どちらも考えにないのなら、行かないでも良いのでは?とお伝えしています。
では、行かない選択の先には何が待っているのだろうと考える学生さんも多いようで、だいたいが、高卒でも働けるような場所で働くことしか思いつかないと返事が返ってきます。
もう何十年も全国民が同じ内容の授業を受けて、優劣を付け、それに基づいて就職先まで決まり、年収もそれに比例するように貰うシステムでした。しかし現在、周囲を見渡しても、良い大学を卒業したからといって、高収入とは限りませんし、高卒でも充実した生活を送っている友人知人はいるのではないでしょうか。
企業側から見ても、これまで大卒を積極的に採用していましたが、果たして本当に欲しい人材を確保できていたのでしょうか。どのような人材が我が社には欲しいという明確なものがないがために、とりあえず大卒生をざるで掬い、ふるいにかけて、優秀な人材を発掘する方法をとっているのではないでしょうか。
そして中小企業はそこから漏れた中から少しでも優秀な人材を確保すべく、あの手この手で採用してきたように見えます。 もちろん例外もあると思いますが。正直、もうそういう時代は終わっているように感じます。 大学に行こうが行かまいが、自分をしっかりと見つめることができ、世の中にとっての自分の価値を見い出せ、面白おかしく生きていきたいと思っている人材が、重宝されると考えます。 そういう人材はだいたい様々な特技を身に付け、それを活用する術も理解しています。 
最近お話した学生さんには、視野を広げる意味も込めて、バックパッカーになって、世界を見てくるのも一つの手と伝えました。 それから大学進学でも遅くはないと。既にJPモルガンチェース(米国の金融系会社)では、社内三分の四のポジションに学士号は必要ないそうです。
もう、一遍通りの学問を学んだドングリさん達は強みや個性、特技・技術がないので要りませんよ~と言われているような気がします。 私の会社も同じ様に考えています。どちらにせよ、自分の将来に強く関心を持つことが大事なのではないでしょうか。