こんなタイトルだと幽霊などの見えないものと捉えられがちになりますが、そういうことではありません。目に見えないものにも目を向ける必要があるのではないでしょうか。
例は多数ありますが、客商売をしている以上、見なければいけない「お客様の心の中」も、その一つです。形としては目には見えませんが、確実にそこに存在する上、商売上大変重要な部分です。人の欲しているものや状況を察する、感じる力が必要になってきます。
他にもあります。 時代を把握し、今後を予想する力もまた目には見えませんが、必要な力です。商売をしている私もそうですが、一般的にも必要な力ではないでしょうか。
何かの本でも読みましたが、犬猫などの所謂動物と人間の大きな違いは未来の予想を立てることが出来るか否かだそうです。 馬も猿も明日どのようなことが起こるだろうから、それに合わせて準備をしておこうとはならないそうです。 冬が近づき、食料を集めておかないと冬が越せないと、せっせとどんぐりを集めるリスは、ディーエヌエー(DNA)に刻み込まれている作業を潜在能力的に行うわけですが、明日の天気が悪くなりそうだから、今日の内に活動しておこうとはならないそうです。
なぜ私がこんなことを書いているかというと、人が退化してきているのではないかと感じるからです。そして、それはもはや修復不可能な域に達してきているような気がしてなりません。私も退化してきているのは間違いないでしょうが、まだ問題視しているだけマシかもしれません。
退化の理由としてまず、世代問わず短絡的な意思決定が増えてきたことが挙げられます。物事について深く考えなければ人からの情報に振り回され、自分の知る範囲だけで、「これに間違いないだろう」と安易な決定をしてしまうように思います。 深く考えなければ、見えている物しか信じられなくなり、自分のスキルアップにも繋がらないので、すぐ人に頼って問題解決しがちです。
また計画性のない行動を起こしがちになるので、未来を考えることが面倒くさいと感じてしまっているかもしれません。脳は本来、負荷がかかるような面倒なことをしたがらないので、余計に創造力も想像力も衰えていく傾向になっているのかもしれません。
目に見えるだけの世界で生きるという事は、人間以外の動物と変わらないのではないでしょうか。 「それでいいじゃないか」と言われれば、それまでですが、疑問に思うのであれば、見えないものを見る力の付け方と、何がその力を阻害しているのか今一度考えてみてもいいかと思います。 自分が想像もしなかった意外な事実が見えてくるかもしれません。