今回のブログでは、インターンシップに参加してくれた学生さんたちに話した内容の中から、「自分次第と他人次第」というトピックを共有したいと思います。

人は頭で理解しているつもりでも、行動が伴わないことがよくあります。その代表的な例が、「他人次第」の生き方をしてしまうことです。他人の意見をそのまま受け入れて自分で判断しているつもりになっている、なんて人は思ってもいません。

他人次第の生き方とは、「他人の声に影響されやすいこと」だと言い換えられるかもしれません。もちろん、人の意見を聞いた方がいい時もあります。影響もあっていいと思います。ただし、それをしっかりと自分の中で消化し、自分で納得した上で決断しているかどうかが重要です。消化できたと勘違いし、自分に向き合わないまま決断をした、というパターンが実際には多いのではないでしょうか。

特にインターンの学生さんたちは社会経験もありませんから、卒業後のことを想像すると不安しかないわけです。社会人何十年のベテランでさえ、時には藁にもすがりたい瞬間はあることでしょう。不安で仕方ない時には、とっさに手の届きそうなものにすがります。そして、それを無意識のうちに信じ込んでしまう、受け入れてしまうこともあるでしょう。しかも無自覚のまま誤った判断をしているかもしれません。自分の中で消化せずに決断することを僕は「他人次第の行動」と呼んでいます。それが続けば結果他人次第の人生となってしまいます

こうした「他人次第」の決断を続けると、意識の矛先が自分以外になります。他人だったり、環境だったり、とにかく自分以外のすべてに矛先が向きます。自分を見ずに他人を判断基準にしていると、見えていない自分自身の自信を失いがちです。さらには、自分を棚上げにして他人のせいにしたり、社会や環境が悪いのだと思い始めます。それは決してポジティブな意識ではありません。それもそのはず。自分をどこまでも置き去りにしているわけですから。まさか置き去りにしているなんて思ってもいないと思います。怖いのは「無自覚で行っている」ということです。

新卒生が就活を経てとある会社に入社したとします。この時点で「自分次第」の判断ができている人は恐らく多くはありません。ほとんどが「他人次第」の意思決定をしていると思います。学生の間は学校や家庭、社会に守られてきたわけですから、自分で意思決定をする必要もありませんでした。しかし、社会に出るとそうはいきません。これまで守ってきてくれた人達や環境はないと思った方が良いでしょう。すべては自分次第なのだと意識を変えていかなければならない社会人になったタイミングに、親があれこれ関与するような状況が続くと厄介なことに「自立できない」という事態に陥ります。

一方で、「自分次第」の発想を持つと、まず前向きな気持ちを持てるようになります。くよくよしなくなります。意思決定が速くなります。行動が早くなります。失敗を経験とみなせるようになります。時間を有効に使えるようになります。慎重さと大胆さに磨きがかかります。他人や環境を客観視できるため、周囲のせいにしなくなります。人の意見はあくまで参考資料の一つとして捉え、自分の思考を落とし込むための要素として扱えます。人を妬みません。人生の少し先とずっと先を見据えて経験を逆算する癖がつきます。結果的に目標を達しやすくなります。

どうでしょう。いいこと尽くめだと思いませんか?そもそも自分の人生なので、「自分次第」の発想で生きた方が心地よいはずですし、納得のいく日々を送れるはずです。僕は学生さんたちにはこの話をまず伝えるようにしています。大人や経営者にとっても大切な考え方です。若い時に気付けると良いですが、大人でも可能です。結局は、やるかやらないかだけの話です。

デメリットがあるとすれば、「他人次第」に意識が向いている人たちから妬まれたり、冷たいと言われたりすることかもしれません。しかし、人生は「自分次第」周囲も「自分次第」と考えられる人は自分に意識を剥けることに集中できるので、余計な話に耳を貸すこともないでしょう。

せひ、自分も思い当たる節があると感じた方は、「自分次第」の生き方に切り替えてみてはいかがでしょうか。きっと肩の力が抜け、気持ちが晴れ、自分らしさを取り戻し、気持ちに余裕ができた分、人に優しくなれ、人に心からもっと感謝できるようになると思います。僕自身、この考え方をもっと若いうちに知っていればよかったと思うことがあります。これからも精進します。

最後に、「自分次第」の生き方を始める上で最大の障壁は、自覚している以上に根深い理想やエゴの存在です。「自分は大丈夫!」と思った瞬間に、謙虚に欠け、素直になれないエゴが出ているかもしれません。そのことも忘れずにいてほしいと思います。