カスカラティー再販と価格改定のお知らせ|ゲイシャ種のカスカラについて

こんにちは!ミルトンスタッフです^^

しばらく完売していたカスカラティーを再販いたします。
今回販売するのは、ゲイシャ種のカスカラティーです。

そしてこの度、カスカラティーは価格を改定いたします。

長くご愛飲いただいている方には、大幅な値上げに感じられるかもしれません。

ですが、今回の価格改定は「ゲイシャ種だから高い」という話ではなく、現地での手仕事による生産コストが大きく上がっていることが一番の理由です。

今日は、ただの値上げのお知らせではなく、美味しいカスカラティーができるまでのお話をしようと思います。 産地でどんなふうに収穫され、どんなふうに選別されているのか。 その手間の積み重ねが、どうして味の良さにつながるのか。 そのあたりを、できるだけわかりやすくお伝えします。

まず最初にお伝えしたいこと

今回のポイントは、大きくこの3つです。

・今回の価格改定の主な理由は、ゲイシャ種だからではなく、産地での人件費高騰です。

・カスカラは、乾燥後の選別をほぼすべて手作業で行うため、コーヒー以上に人件費の影響を受けます。

・価格は変わりますが、その分、産地で丁寧に作られた、自信を持ってご紹介できる品質です。

私が産地買付に同行したのは2020年のことです。 この6年の間に、本当に様々なものの価格が高騰したことは、皆さんも日々感じていらっしゃると思います。

これは産地でも同じで、2020年から現在までの間に、労働者に支払う賃金の単価が約3〜4倍に上昇していると、今年の産地買付で生産者が話していました。

カスカラは、コーヒー以上に「人のコスト」が価格に直結します。
コーヒーもカスカラも、最高の品質を目指す選別過程において、人の手仕事は欠かせません。 その中でもカスカラは、最後の仕上がりをほぼ人の目と手で整えていくため、人件費の高騰が価格に大きく影響します。

カスカラは、まだ「本当に美味しいもの」が広く知られていない飲みものです

カスカラは、コーヒー豆を包む果実「コーヒーチェリー」の外皮から作られるお茶です。 コーヒーとは違い、プルーンのような自然な甘みや、ローズヒップティーを思わせるやさしい酸味を楽しめます。

コーヒーは飲料として多くの方に親しまれていますが、その果実を使ったカスカラティーは、まだ広く知られている飲みものではありません。 丁寧に選別・乾燥された品質の良いカスカラに出会える機会は少なく、本来のフルーティーな甘みや香りが、まだ十分に知られていないのが現状です。

だからこそ私たちは、「副産物だからこのくらいでいい」という扱いではなく、きちんと美味しい飲みものとしてご紹介できる品質のカスカラだけを扱っています。

手摘み収穫から始まる、品質づくり

少し、コーヒーとカスカラの選別過程のお話をします。 ミルトンコーヒーで扱うコーヒーの収穫は、すべて手作業です。

大規模な農園では、機械でまとめて収穫するようなところもあります。 ただ、機械収穫ではどうしても木を傷めてしまったり、熟していないチェリーも、熟しすぎて樹上で乾いてしまったようなチェリーも、まとめて収穫してしまいます。

小規模な農園では、手作業で収穫することで、熟度のそろったチェリーを選ぶことができます。 この最初の選別が、その後の味づくりにとても大きく関わってきます。

手摘みで収穫された赤く熟したコーヒーチェリー
宝石のようにキラキラと綺麗なコーヒーチェリー。ひと粒ずつ状態を見ながら、最適なタイミングで手摘みされた収穫の賜物です。
STEP 1

手摘み収穫

完熟チェリーを見極めて収穫します。熟度がそろうことで、味のきれいさにつながります。

STEP 2

コーヒー豆の選別

浮力選別や色彩選別機など、機械を使える工程もありますが、最後はやはり人の目で確認します。

STEP 3

乾燥処理

アフリカンベッドで乾燥させ、カビや過度な発酵を防ぐために、一日中かき混ぜながら管理します。

STEP 4

カスカラは手選別

乾燥後のカスカラは、機械に頼らず、人の目と手で一つひとつ選別して仕上げます。

コーヒー豆は機械を使える工程がありますが、カスカラは最後の仕上がりをほぼ人の手に頼ります。 ここが、コーヒー以上に人件費の影響を受けやすい大きな違いです。

カスカラは、選別を重ねたコーヒーのさらに果皮だけを使用します。 コーヒーのナチュラル処理などに使用される、通気性の良い「アフリカンベッド」の上で乾燥処理を施しますが、ここでも丁寧な管理が必要です。

アフリカンベッドで乾燥途中のカスカラ
アフリカンベッドで乾燥途中のカスカラ。ここにはまだ、脱穀したコーヒーの殻なども混ざっています。これらは乾燥後に、人の目と手で丁寧に取り除かれていきます。

乾燥処理が荒いと、カビや発酵が起きてしまい、品質低下につながります。 アフリカンベッドは建設が必要な設備ですが、コーヒー同様、カスカラにも使われています。

なぜ、そこまで選別が必要なのか

選別の際に見るポイントは数多くあります。 チェリーの状態では、適した熟度か、傷やカビがないかを確認します。

いちご狩りを思い浮かべてみてください。 未熟なフルーツは甘さや香りが足りず、酸っぱくなります。 反対に、熟しすぎてしまったフルーツは発酵感が出たり、余韻が短くなってしまいます。

コーヒーはフルーツなので、まったく同じことが起こります。 傷やカビももちろん雑味の元になるので、きちんと取り除く必要があります。

良いカスカラにするには、ただ乾燥させればいいわけではありません。
「どのチェリーを使うか」「どう乾かすか」「どれを残すか」という選別の積み重ねが、味のきれいさや甘みにそのまま表れてきます。

ミルトンが扱うカスカラは、ここが違います

ここまでカスカラにかかる手間のお話をしてきましたが、そうまでしても、ミルトンコーヒーでは最高品質のカスカラだけを扱いたいと思っています。

カスカラは、もともとコーヒーの副産物です。 コーヒーを作るときに果皮は必ず出てきますが、一部は堆肥として利用され、残りの多くは廃棄されてしまいます。

堆肥として再利用されるカスカラ
堆肥として再利用されるカスカラ。コーヒーづくりの中で生まれる果皮は、畑へ還されることもあります。自然の循環の中で大切に使われています。

世の中に出回るカスカラティーの中には、ここからあまり手をかけられずに商品化されるものもあると思います。 そうなると、「カスカラってこんなものなんだな」と思われてしまい、本来の美味しさが伝わりにくくなります。

ミルトンで扱うカスカラは、コーヒーとしても超一級品のチェリーから、とても丁寧に乾燥処理を施し、さらに選別を重ねたものです。 副産物だからではなく、きちんと美味しいものとして扱っています。

ほんとかなぁと思った方は、ぜひ「カスカラティー」で検索してみてください。
私たちの扱うカスカラは、一般的に出回るカスカラティーよりもかなり黒っぽい色合いをしています。 この黒さは、糖度が高く、果肉がしっかりついている証拠です。 色味を見ただけでも、甘くフルーツが濃縮された素材であることがわかると思います。

今回のカスカラは、ゲイシャ種です

冒頭で、今回のカスカラは「ゲイシャ種」になったとお伝えしました。 では、品種が変わると、チェリーであるカスカラにはどんな違いが出るのでしょうか。

ゲイシャ種は、コーヒーとしては希少な品種です。 花のように広がる香りが特徴ですが、チェリーを生で食べると、他の品種よりもトロピカルフルーツのような味わいが強く感じられます。

カスカラにしても、その華やかさや香りの余韻のきれいさが出やすく、今回のロットもとても楽しみにしていた素材です。 プルーンのような甘み、やさしい酸味に加えて、ゲイシャらしい明るい印象も感じます。

生産者は、エルサルバドルのリマさんです

今回のカスカラは、エルサルバドルで農薬を使わないコーヒーづくりを続けるリマさんのコーヒーチェリーを使用しています。 除草剤・化学肥料・農薬不使用で、日々とても丁寧に栽培されています。

リマさんのゲイシャ種は、COEで3位に輝いたこともあるトップクラスのコーヒーです。 コーヒーとして高く評価されるチェリーから生まれる、特別なカスカラティーです。

※農園としては、オーガニックやレインフォレストアライアンスなどの認証を取得している区画もありますが、 ミルトンコーヒーで小売商品として販売する際には、認証表示を取得しているわけではありません。 取得には手間やコストが大きくかかるためです。

リマさんのコーヒー栽培については、ご夫妻来日の際のブログもぜひ読み返してみてくださいね。

最後に

カスカラは、副産物として見れば「そこまで手をかけなくてもいい」と思われやすい素材かもしれません。

でも私たちは、そうは思っていません。 美味しい飲みものとしてきちんと届けるなら、コーヒーと同じように、あるいはそれ以上に、丁寧に向き合う価値があると感じています。

価格は変わりますが、その分、産地で丁寧に選ばれた、自信を持ってご紹介できる品質です。

しばらく完売していてお待たせしてしまいましたが、今回のゲイシャ種のカスカラも、とても良い仕上がりです。 ぜひ、カスカラ本来の甘みと香りを楽しんでいただけたら嬉しいです。