私の血を確実に受け継いでいるせいか、息子は勉強と聞けば吹けない口笛を吹いている真似をして、しれーっと別のことをし始める始末。 そう言えば私も興味のないことは全く関心が沸かなったし、学校の勉強も、将来役に立つからと言われながらも、意味も分からず先生に教えられるのは、尚更意味がわからん!と一人で勝手に不満に思っていたぐらいです。
しかし不思議と友達同士で始めた問題集の解き方や、方程式の覚え競争、どれだけ四文字熟語やことわざを知っているかを競うなど、遊びながらやってきたことは、何の不満も感じず、むしろ面白がって勉強していったわけです。 先生から教わるのは嫌で、友達と一緒に習うことには抵抗がなかったというのは、何が違うのでしょうか。
大人になって自分で勉強し始めた私ですが、興味が尽きないのであれこれと妄想にふける毎日を送っています。 妄想していると自分自身をとても客観的に見ることが出来ますし、何より楽しみながら遊び心満載で勉強と妄想を行き来することができるのです。 やはり楽しみながら学ぶということは大切なんだなと、上の空で口笛をふーふー吹く息子を眺めながら思うことがあります。
さて、ミルトンでは毎年恒例になっていますが、二月の後半に従業員達は中米のニカラグアやエルサルバドルに研修に行ってきました。 積み立てをしながら自分たちも身銭を切って研修に挑むわけですが、百聞は一見に如かずなわけで、日本で何度と教えても必要性を感じられなければ頭にも入らないわけです。
しかし、現地で実際肌で感じるものはリアルです。リアルにリアルを感じると深く脳みそに刻まれます。 今回は大学生も一名同行していますが、特に若い人には旅をして、日本以外を肌で感じてもらい、大人になる前に視野を出来る限り広げて欲しいと願います。 それは一生の財産になります。
私は産地に行く皆に、ありのままをそのまま受け取って欲しいと思います。しかし、小さい子供が山岳地を片道1時間以上かけて学校に通う姿を見て可哀そうと思ってほしくはないですし、おもてなしをしてくださる生産者達と目の前の豪勢な食事を食べながら、結構いい生活してるじゃない!と勘違いしないでほしいですね。
ありのままとは目に見える表面的なことだけでなく、彼らが置かれている状況や環境を把握し、その中で見る情景がどういう意味をなすのかを察して、感じて欲しいと願います。
子供に大人が教えることは本来あまりないのかもしれません。むしろ教わることの方が多いと思いませんか。 それと同じように従業員に教わることが多いですし、生産者に教わることが多いように感じます。 大人が出来ることは教えるより、伝えることが大切かなと思いますし、従業員や子供には何でも教えてもらえるまで待つなと伝えたいですね。