かれこれ五、六年以上前だっと思いますが、子供が生まれる前に自分が父親になった際、どうやって子供に教育していったらいいのだろうと考えた時期がありました。 その時にスタンフォード大学のキャロルデウィックという教授が講演していた動画と出会います。彼女が説明していたのは、成長型思考と固定型思考の違いと、それが子育てにどう活かせるのかについてでした。
 
何か問題に直面した時に、もっと突き詰めれば更に良くなるかもしれないという思考を持っている人は、成長型思考を持ち、もうこれ以上はダメだろうという思考にすぐに陥ってしまう人は、固定型思考だと言うのです。 
 
しかも、子供に対してのセリフでは、うまくいったことに対して褒めるのではなく、その努力した過程を褒めてあげる方が良いというものでした。 上手に絵がかけたね~ 上手に作れたね~ 凄いね~ というセリフは子供に対しては悪影響らしく、ある一定の枠の中でしか力を発揮しなくていいと勘違いさせてしまう要因になるそうです。 
 
ある一定の枠内でしか考えられない思考がまさに、固定型思考なのですが、この思考のままでは冒険をしませんし、冒険したことによる失敗、そして失敗によって恥を感じてしまうと更に冒険をしなくなるというスパイラルにはまるわけです。
 
私は口癖で、「なんで?」と「どうして?」を子供の頃から言っていましたし、頭の中では今でも何でだろう?と考え続けている自分がいます。 なぜだかわかりませんが、もう永年の癖のようなもので、きっと好奇心から来る産物だと思われます。 
 
子供が大きくなるにつれ、工作が出来るようになってくると、自慢げに自分の作った作品を見せにきます。厚紙と注射器とチューブで作ったエレベーターの模型を五歳の息子が見せに来た時は、見た目の完成度は子供らしいレベルでしたが、エレベーターの機能としては、きちんと一階と二階に動くように作られていましたので、まず完成させたことを褒め、その次になぜここをこうしたのか? どうしてそういう発想に至ったのかを聞き、完成までに至った過程を一緒に話しながら褒めたわけです。 その会話の中で、次はこう工夫すればいいね!なんて話も出ましたから、次回の作品は精度も独創性もレベルアップしているかもしれません。
 
自分の周りを見渡しても、やはり成長型と固定型に見事に分かれています。あることを理解したつもりでいても、まだ先があるかもしれないと思う好奇心は無くさないようにしたいと思いますし、逆にガチガチの固定型思考とは自分は距離を置きたいですね。 発展性のない固定の思考は、聞いてるうちにこちらが窮屈に感じてしまいます。 枠に囚われない生き方を選びたいものです。