ワークライフバランスとは、「仕事と生活の調和」と訳され、「国民一人ひとりがやりがいや 充実感を持ちながら働き、仕事上の責任を果たすとともに、家庭や地域生活などにおい ても、子育て期、中高年期といった人生の各段階に応じて多様な生き方が選択・実現でき る」ことを指すと言った定義があります。

日本では仕事のし過ぎで、このバランスが崩れていると各メディアでも指摘されていますが、実際のところどうなのでしょうか。 私は仕事柄海外に行く機会が多く、それも先進国から途上国までを満遍なく見ることが出来ています。 そして間違いなく言えるのは、海外でも働き盛りの人達は、日本のみんなと同じか、それ以上仕事に時間を割いています。 よく働いているなというのが、正直な私の感想です。

アメリカのロースター達から、中南米の農家達まで猛烈に仕事をしています。では、彼らはプライベートを疎かにしているのでしょうか。 家族をないがしろに しているのでしょうか。 それはほとんど感じません。 むしろ、家族も働き盛りの人に対し、一定の理解を示しながら、それぞれができることを模索し続けながら、生活しているように見えます。 彼らは忙しいのに、プライベートも充実させているというのが、 私の率直な感想です。

日本でよく耳にするのは、日本人は働き過ぎだ、私生活を犠牲にしている、自分の時間が持てない、家族との時間を長時間労働が奪っている、などなど。 日本人は「頑張る」ことは得意ですが、果たして脳みそを使って生活しているのかは定かで はありません。 優先順位や時間配分も考えながら頑張ることが苦手なのかもしれま せん。

得意であれば、やるべき仕事を定めた時間內にきちんとこなし、守るべき家族や友 人との大切な時間も作り、今すべき仕事が多いのであれば任務を遂行し、家族ともきち んと話し合い、理解を得ながら、その後自由になれる時間を作れるように動いていくで しょう。 バランスを上手に取ると、私生活も充実し仕事にも集中できる為効率も上がり ます。 スタッフ達にもメリハリのある時間を過ごしてもらいたいと願っています。

余談ですが、私はサラリーマン時代、だらだら残業が大嫌いで、定時の五時十五分きっか りに上がれるように仕事をしていましたが、居残る上司からは良い印象は得られませんで した。 しかし私には目的がありましたので、帰宅した五時半から、将来起業する為の準備に連日深夜まで時間を割いていたのは今でも良い思い出です。