久米店を任せている従業員に、それぞれ本を貸し出して、毎晩読めるところまで読んでもらい、本に書いてある内容のまとめと、今の自分の業務と照らし合わせた気付き、そしてそれを更に掘り下げて考えてみて、思う事があればノートに書いてもらっています。
 
翌日、空き時間をみて、前日に読んだ部分の内容のあらすじと、自分がノートに書き出したことなどを何分かかけて会話するようにしています。 強制ではありませんが、本人がなるほど!と自己の成長に繋がる発見があれば自然とこのまま続くでしょう。
 
本を通して少しずつ今の状況やお客様との接し方、そもそも何の為に仕事しているのかについても、職場を離れた自宅で復習し、翌日私と腹に落とし込むまでディスカッションするわけです。 本人が不足だと思えば、同じトピックを繰り返す場合もあります。
 
二十歳であれば、物心付いてから今までの積み重ねがその人を作り上げている訳で、年齢が上がれば上がるほど積み上げた物も大きいわけです。積み上げてきた今までの考え方を変えるというのは思った以上に大変です。少しずつでも成長したいなと思う従業員にとって、習慣を変えるきっかけ作りになればいいなと思うのと、本を読むことの大切さも若手には気付いてもらいたくて。 実は私にとっても気付かされる良い機会になっています。
 
この会社で働く上で、最低限心に留めておいてもらいたいものなどを、第三者的な存在である本というものを使って、共通点などを探し、自分の考えや想いと一致するのか、相違するのかを考える癖をつけてもらうのです。 相違点があれば、それについて話します。
 
昨日は仕事って何だろうねという話になり、彼らの素直な意見を聞きました。 当初はお金を稼ぐ事が仕事だと思っていたようですが、今はお客様が喜んでくれる姿が役に立てていると思うようです。しかし同時にお客様に自分を認めてもらいたいという承認欲求もまだ持ち合わせているようで、時には利己主義的なコーヒーのご提案をしてしまい、後で反省しているみたいです。 自分が良いと思っていることが必ずしも相手にとっても良いこととは限りませんから、その辺も少しずつ学びです。 押し付けるものではないですしね。
 
仕事って会社での仕事だけが仕事じゃないですし、家の掃除も、料理を作ることも子供のお迎えに行くことも全て仕事だと思います。 全ての仕事を丁寧にすることで、何となく自分が磨かれていくような気がするよねという話になりました。
 
お金を仕事の目的にするのではなく、お客様をはじめ相手の大満足に繋げれたらいいな、店頭で例えれば来店時よりも退店時の方が楽しそうになってもらえたらいいなと、心に留めておいてもらいたいですね。 全ての方に満足を感じてもらえないとしても仕方ない。
 
仕事全般、やらされていると思うか、自発的に出来るかは、そのあたりの気付き次第で、どうにでもなるような気がしています。