親の手を借りずとも済むようになるあたりから、我々は自我に目覚め、自分で選択をするようになるわけですが、子供は自分の気持ちを素直に行動に移せる素質を備えているように見えます。 大人からするとわがままに思えるような行動も、子供は素直に気持ちを表現しているだけに過ぎないのかもしれません。 
 
私も子供だったのに、その頃の事を鮮明に思い出せないのが残念ですが、子供達をみていると改めて自分に無理のない「素」の状態でいる時間が長く、自由な選択をしていることに気付かされます。
 
そして、彼らは大人と同じく、その時、その時の選択をしなくてはならず、必ずどれか一つを選ぶことになります。 今、アイスクリームを食べるべきか、もう少し待って友達と一緒に食べたほうが良いか。 今ご飯を食べるよりも、おもちゃで遊びたいから、この時間は遊びに使おう、とか。 
 
片方の選択を選べば、もう片方の選択は同時には実行出来ないものです。 複数の選択が出来れば、効率良く生きられるのにと思ってもできませんよね。
一回一回の選択が後々の自分の人生に大きく影響するのであれば、選択するという行為は、相当重要になってくるだろうと考えられます。
 
息子との日常会話でも、選択の重要性を身をもって感じてもらうように意識しています。例えば、有名なマシュマロテストのように、今我慢すれば後で得が増えるような選択の場をあえて作ってあげるのです。 更には、自分の選択をした瞬間に再認識する癖付けをするような会話にもっていってあげています。 すると、子供でも自分の意志で決定したのだと自覚出来ますし、今後も意思決定は自分で出来るのだと認識出来るようになります。
 
更に次の段階では、もし異なる選択をした場合にどのような結果が起こっていただろうかと話をすると、くだした選択が今の自分に最良だったのかどうかが判断出来るようにもなります。幼いうちからの役に立つ癖付けはしておいた方が良さそうです。
 
しかしながら、これらの癖付けは、大人になってから出来る部分と、難しい部分に分かれると思いますし、大人になるまでの過程で、無数の選択を既にしているわけですから、それらを覆すことは出来ないでしょう。過去を振り返ることは出来ても、やり直しは効かないわけです。やり直しが効かない人生だから面白いのでしょうし、良い緊張感を持って日々の自分に向き合えるのでしょう。 
 
起業してからというもの自分は何に重点を置き、どうしていきたいのかを考えてきました。意識していたのは、会社のサイズや、売上高を最重要項目に置かないということ。時が来れば、自然とスケールアップ出来るだろうと予想していましたし、その時までに出来る限りの準備をしておいた方が良さそうだと考え、実行してきました。
 
そして、今月から私はチェコ共和国の弊社焙煎工場で技術指導を始めています。会社にとっても私にとっても、ドキドキワクワクの海外進出の始まりです。