きっと多くの起業した人達は、なぜその職種を選んだのか多くの人に聞かれるでしょう。 私の場合で言えば、「なぜコーヒー屋を始めたのか?」という質問になります。 コーヒーを選んだ理由は幾つかあるのですが、そもそもの起業の動機が「社長になること」 だったので、商材は何でも良かったのです。
当時私が飲み物として好きではなかったコーヒー を選んだ理由は、コーヒーが石油に次いで二番目の貿易額を生み出しているということと、 国や宗教に関わらず、ほぼ全世界で愛されている飲み物であること、そして流行りではな く、時代が変わっても相変わらず飲まれ、これはコーヒーには何かあるぞ!と当初思ってい たものです。
コーヒーに候補を絞った後、調べれば調べる程、奥が深い歴史や事実が見え始め、同時に 「コーヒー」という商品が世に溢れていることも知ることとなります。 しかし、何かあると直 観したわけですから、その感覚を大事にしたかったですし、ハードルが高い方が挑戦し甲斐 があります。 世に溢れている商品を取り扱うということは、「同質的差別化」が頻繁に行われ、価格競争 による薄利多売のビジネスを強いられる可能性が大! こういう商品は、消費者から見て も、他のお店や会社のコーヒーと何が違うの? 違いが分からないし、安いコーヒーでいいよ、 となってしまうわけです。
スペシャルティコーヒーも普及してしまえば特別感が失われてしまうので、事業計画を練っている最中にどうしようか考えていたものです。 コーヒー業を始める前から決心していたことがあります。 それは自分でビジネスを始める なら人が簡単に真似できるようなことはしないこと、資本のある企業でも真似出来ないこと をし、流行りに便乗しないこと。
機械に出来ることは機械に任せ、人にしか出来ないこと に徹すること。 仕入先からお客様に至るまで、全員が満足いく方法を率先して導入する こと。 そうすることで、少しでも競合他社に負けない付加価値の高いビジネスができるよ うになると考えていましたし、今でもそう思っています。 とは言っても、当初はお金はないけど暇は持て余してる状態で、高価な自動化の機械を買え るわけではなく、夜な夜な家族総出で手作業を繰り返す時期もありました。
理想はあっ ても、現実はそう簡単ではないことも身に染みて実感しています。 今となっては良い思い出 です。 起業当初も話題だった人工知能やロボットなどの自動化の波が、このハイペースで押し寄せて くるとは驚くばかりですが、これから五年、十年は目まぐるしく変化があるでしょうし、 益々人でないと出来ない仕事が重要になることは間違いないのではないかと考えています。 この先我々もどうなっていくのか、正直楽しみです。 最終的に楽しんだもの勝ちかなと。