日本語を話さない環境となり早50日が過ぎようとしています。中南米のコーヒー生産者達に会いにきているわけですが、コロンビアに始まり、ニカラグア、エルサルバドルと渡り歩きながら出張という名の旅をしています。もちろん主要言語はスペイン語ですが、中には英語が通じる人もいるので、なんとか意思疎通をする上で助かっています。日本語が話せても、英語が話せても、結局のところは現地の母国語が話せないと深い理解まではできないわけですから、滞在中積極的にスペイン語で会話するように努めました。その甲斐もありこの短期間でリスニングの力が格段に向上した実感があります。会話によっては日常会話の半分以上理解出来る感覚があります。
また15歳の時の単独で留学した時の言葉が伝わらない心細さが何度か蘇ったのも新鮮な感覚でした。そうそう!言いたいことが片言過ぎて伝わらないもどろっかしさってこんな感じだったな!と思いだすわけです。30年以上も前のことなのに、最近のことのように思い出すわけですから、記憶としては深いものだったのでしょう。
実は今回の中南米訪問には自分なりのミッションがありました。幾つかの仕事上のミッションと、個人的なミッションに分かれます。仕事上のミッションの中でも、最も重視したのが現地の人とのコミュニケーションと信頼の確認、そして信頼を確認した上での次へのステップアップです。結論からお伝えすると、この16年余りの生産者との関係性は思った以上に現地の人には浸透していて、その噂までも他の生産者に伝わっていたことが判明しました。そして今回の長期滞在のおかげで、日本人の信頼できるロースターと会いたいと言って下さる生産者の皆さんが沢山時間を作って会いに来てくれたり、農園に連れて行ってくれたり、一緒にカッピングといってテイスティングをしてくれたりと、信頼の輪がかなり大きく広がりました。
日に日にスペイン語も上達してきていますから、当然新規で知り合う生産者達との会話も楽しいものになり、お互いの理解も深めることができ、たがいに満足のいく時間が過ごせている実感があります。この充実感は言葉ができるからだけではなく、この16年間の蓄積してきた信頼関係と、誘われれば積極的に会い、こちらからも誘う積極性があっての濃密な時間なのだろうと感じています。こうして過ごしてみると、昔から結果がどうなるのかわからないけど、取敢えずやってみる、チャレンジしてこみることが好きなんだなと改めて思いました。
チャレンジすることで小さな失敗から大失敗と呼べるものも遠慮なくぶつかってきますが、それもこれも全ては自分が呼び寄せているものですし、一回一回が経験値となって蓄積されているわけですから、個人的には動かないよりは行動してみて経験を積んでみるという選択をし続けているのでしょう。個人的には、気になるのならやらずに後悔したいくないという気持ちが強いのだと感じています。
時々思います。自分ってバカだなと。もっと上手に生きればもっと楽に生きれるものをと。そうは分かっていても、チャレンジし続けないと何だか生きている感覚がないから、バカでい続けるのだと自分では思っています。いつか訪れてくる人生の最期に、「あー楽しかった!色々あったけど内容の濃い人生だったな」と思ってあの世に行きたいですね。恐らく皆さんも悔いのない人生を望んでいるのではないでしょうか。