9月から当社にとって新しい期を迎えました。19期目となります。20期目という節目を迎える前の今期がとても大事な時期だと認識しています。紆余曲折の年月を経ての今がありますし、支えて下さっているお客様に感謝の気持ちしか浮かびません。20年を迎えるにあたり、今年長期にわたってコーヒー生産国に滞在させてもらいました。自分なりのミッションがあったことは前回のオーナーレターに書きましたが、改めて滞在を振り返ってみても、当初予定していたミッション以上の成果と自信に繋がったと実感しています。

最大の自信に繋がったことは、これまで自分が良いと信じていたことが強ち間違っていなかったということです。修正しなければいけない部分はありますが、ほとんど誰もやっていないなら自分でやってしまおうという観点から始めたコーヒー生産者との直接的なつながりと、取り扱い商品全部を産直にすること。そしてそれを継続させていくことの大切さをしみじみ感じたわけです。特に資金繰り的に苦しい時もあり、購入を見送ろうかとした年もありましたが、それぞれの生産者から少しずつでも頑張って購入し乗り越えました。

またヨーロッパ事業展開の時には、大量に仕入れを起こしましたが、そのおかげで農地を開拓したり、新たな農地を購入できたと未だに感謝されます。ニカラグアでは生産者から直接買い付けをする日本のロースターとしてはパイオニア的な存在としてミルトンが認識されていることを知り驚きました。そして、さらに驚いたのはまだ買い付けをしていない優秀な生産者達からも同じように認識されていたことです。実は周囲の生産者達は、様子を見ながら信頼できるのかどうか、自分が関わるべきなのかを見定めていたようです。

そうやって様子をみていた彼らが、今回私が長期滞在したことで、一斉に私と時間を過ごしたいと連絡をくれ、日本に自分のコーヒーを広めたいという強い気持ちを伝えてくれました。なんでそんなに日本に売りたいのか聞いたところ、「これまでの様子を見てきて信頼できると感じるから」だそうです。皆が皆同じことを言ってくれました。これには流石に胸の奥が熱くなりました。大変だったけどやってきて良かったと本当に思った瞬間です。

信頼を獲得するのは本当に時間がかかるなと感じる旅でもありました。今まではその間も果たして自分の進んでいる方向はあっているのだろうか、お客様はそこまで求めていないのではないか、生産者もどこまで直接的な繋がりを重視しているのだろうか、などなど不安になる時もありました。しかし、そんな不安は今回の旅で払拭され、モヤモヤしていた頭にあった濃霧が綺麗に晴れていく感覚が旅の後半にはあり、現在では以前にも増してエネルギーが溢れています。

この19期は様々な意味で大切な期だということはお伝えしました。これまでのミルトンが培ってきたことをリフォームして、新たなミルトンとして始動する期でもあります。これまで上手く行かなかった事も、再チャレンジしようと試みている最中です。もう少し形になってから、それぞれのチャレンジを公式にお伝えしようと思いますが、是非これからも応援のほど宜しくお願いします。お客様あってのミルトンです。生産者あっての美味しいコーヒーです。その間を取り持ってくれるスタッフにも感謝感謝です。スペシャルティコーヒーを切り開いた先人にもいつも感謝。 さぁ何が起こるかご期待ください。