成人している方ならば実家暮らしで親と一緒に住むより一刻も早く家を出た方がいい。これは私の見解ですが、昔からそう思っていました。大抵の場合は県外の学校に入学するタイミングで一旦家を出ますので、否応なしに親元を離れることになりますが、一旦親元を離れたにも拘わらず、戻って同居しているパターンは余計に厄介かもしれません。そう感じるのは私自身、早くに家を出て生活していたことも関係しているかもしれません。
何が言いたいかというと、若いうちにある程度の自立する癖が付いている方が良いと感じているからです。親は子がかわいいものです。子も親元で暮らすのが楽ですし、安心できます。それは百も承知ですが、その子の成長を考えると一刻も早く家を出た方がいいと思います。若いうちに家を出れば得られる物の数、所謂経験値が親元暮らしの同級生と比べても圧倒的に多いことは、その後の人生の大変有効な肥やしにもなりますし、若い時に得られるものだからこそ重要なのです。今の私のように中年になってからでは到底手に入る事は出来ない貴重な経験が若いうちには出来るのです。
この話を大人にしてもあまりピンとくる人は多くないかもしれません。何故なら若かりし頃の経験を忘れてしまっている可能性があるからです。そりゃ何十年も経っていれば忘れて当然かもしれませんね。しかし子供達を見ることで思い出すことは大人でも出来ると思います。眺めていても未来への可能性しか感じません。経験値は低くても可能性は無限大です。それってとてつもないことと思いませんか。そんな大事なこととは知らず子供の頃は当たり前のように過ごし、大人になれば忘れてしまい、挙句の果てには我が子の可能性を想像することも出来なくなってしまっているなんてことも起こりえます。
大人には可能性がないのか。そんなことはありませんが、それまで生きた経験値が邪魔をして思い切った行動に移せないなんてことは良くあることです。下手をすると、行動さえも起こさずに憶測だけで判断してしまい、経験値を稼がない傾向が強くなります。それを続けていくとネットやテレビで見た情報や知識だけの頭でっかち人間の完成となってしまいます。情報や知識は逆に検索すれば今の世の中容易く探せるわけですし、簡単に手に入らない経験値というものは私の中では大事なんじゃないかなと常々感じています。若い時に出来る事もありますが、大人だから活かせる経験もあり、一歩を踏み出す勇気を出して前進してみるのもいいかなと。守るべきものが増えたとしても、それを理由に諦めるよりは、死にはしないので挑戦してみる価値はあると思います。子供にそういう指導をするなら尚更大人が率先して挑戦する姿を見せ、様々な可能性があることを示しても良いと感じます。
大人になっても子供の頃の可能性を自分の中に温め続け、新しい体験を次々とこなしていきながら、面白おかしく生きていくと人生の経験値もアップしていき、結果的に充実した生活を送れるのではないかと推測しています。その最初の第一歩が学生時代の親元をまずは離れて、ぬるま湯の楽な生活から、自分で動かなければ飯も食えない状態に持っていくことかなと思います。自立という言葉ひとつで片づけて良いものか分かりませんが、どっちみち親は先にいなくなりますし、我が子よりも自分が先にこの世を去るわけですから、中学生ぐらいから外に出してみても良いかもしれません。きっと親が驚くほどの成長をしていくことをその後目の当たりにすると思います。そして若いほどその試練を面白がりながら日々を送れるでしょう。可能性にかけてみることは、大人には大変に思えても子供にとっては意外と容易いことなのです。