日本はおろか世界中で物価高騰の勢いが凄まじく進んでいますね。

先日の中南米訪問時も航空券だけで、しかもLLC使っても例年の倍の費用がかかったので、ひっくり返りそうになりました。

燃油サーチャージが航空券並みにかかることもあるようで、数年前では考えられません。
今も価格高騰は続いているので、今後の産地訪問もどの航路を利用したら安くなるのか模索中ですし、もしかしたら中米間はバスを利用する事になるかもしれないと思い始めました。

生産国側でも、経由地であるアメリカでも物価は上がっていますので、滞在ホテルや食費などもこれから負担が大きくなるでしょう。

また、買付に掛かる費用だけでなく、円安も相変わらず進んでいますし、生産国側の物価高に応じて私たちの取引価格も吊り上げざるを得ません。


さて、10年近く前からミルトンでは卸先のお店スタッフを産地までお連れしたり、一般のお客様や農学部の大学生に同行していただいたこともあります。

もちろんメインは買付の為ですので、観光は一切ありません。

本当に興味があり、尚且つお金と時間(2月に2週間程度)に余裕がないと行けませんので、行きたい気持ちがあってもなかなかハードルは高いでしょう。コロナが始まってからはしばらく同行頂くのは控えていましたし、ミルトン自体も18年の間で初めて1度だけ訪問できない年もありました。

 

2022年あたりからだいぶ規制が緩和され、いよいよ2023年の買付では、関係ロースターの方々をお連れすることができました。

今後も出来るだけ希望される他店ロースターには一度でも現地に行っていただきたいので、今後募集を広げていく予定です。
渡航者が14名程度あつまればミニバスをチャーターした方が良さそうですし、最善策&安全策を検討中です。

私たちがそこまで産地に行って欲しいのには理由があります。

今回お連れした方々は天地がひっくり返るほどの衝撃を受けていらっしゃいました。

今は情報化社会で直接見たり聞いたり体験しなくても、オンラインで何でも入手できます。

それでも、思ってたのとちがう…と何につけても感じます。

特にコーヒーは味覚に関するものなので、こればかりは現地でカッピング(テイスティング)をして、そこでしか学べないことが山ほどあります。

現地のナショナルカッパー(国際審査レベルの味を評価・判断するテイスティングのプロ)と直接、意見交換をしながら擦り合わせて行くことでロースターとしてのスキルが格段に上がりますし、何より意識が変わります。

でもそれは、ロースターだけではありません。

10年前に卸先さんをお連れし、お客様・大学生をお連れした時も意識の変化や衝撃を受けられているのを強く感じました。

一歩外に出てみると、自分の可能性が広がったり、私自身も他者の意見を聞くことでモヤモヤしていた霧が晴れることがよくあります。

海外の資本力のあるバイヤーはこれからもっと加勢していくでしょう。

お客様の舌が急速に肥え、知識もプロ並みに持たれる方が増える中で日本のスペシャルティコーヒーもレベルの高いものを提供し続けるために私たちも日本のバイヤーとして個々のレベルを高め、日本の人々に飲んでほしい!と生産者さんに思ってもらえるようにコツコツ積み上げていきたいと思っています。その為にも、他店のロースターさんと産地訪問をご一緒させていただくことで、ロースターさんと生産者さん、私たちの全てが刺激しあい全体のレベルの底上げにもなると信じています。

 

日本から飛び出し、地球の裏側である生産国で何が起こっているのか、どんな人々がどんな思いで生活しているのか、どんな人生を歩まれているのかは言語が通じなくても感じ取れますし、それこそが最大の価値なんだと思います。