【2023.5.30】生産国側ではどんなコーヒーを飲むんだろう。。。

日本でもコーヒー作り(農業としてコーヒーの樹を育て、コーヒーチェリーを収穫している)が行なわれていますが、一部を除いた大部分の日本国土ではコーヒー栽培に適していないため、今のところコーヒー生豆はやはり、その殆どが輸入品となっています。

逆に生産国からすると「輸出品」となり、外貨を稼ぐ大切な商材ですので品質の良いものは高値で売れる国へと流れていきます。

では、自分たちが作ったものを良いものは自分たちの口に入りにくいのでしょうか?

私(一社員)が始めて産地訪問させてもらったのは約10年前。

ミルトンとしてもまだ創業10年未満の時期でした。当時は、トップレベル(ハイスコア)=スペシャルティコーヒー品質のものは全て海外のバイヤーが買取り、ハイコマーシャル・コマーシャルレベルのものもある程度のお金になるため、処理過程で弾かれた行き場のない欠点豆などを掻き集めたものが国内消費用として流通していると現地の方が言われていました。(※ミルトンはスペシャルティコーヒーの買付の為、そこでの選別の話です)

では、現在はどうなのでしょうか。10年も経てば、コーヒーの質や各国の景気動向、消費量など大きく変わってくるはずです。

昨年7月より、オーナーがコロンビア・ニカラグア・エルサルバドルへと買付に行ってきましたが、やはり変化してきてるようです。

これまでは消費国側で発展してきたカフェやロースター文化ですが、今では生産国側でも自国のスペシャルティコーヒーを扱う事が当たり前となりつつあります。

その時に訪れたトロピカリアというロースタリーカフェは雰囲気も良し、食事も良し、何よりコーヒーが美味しいことに驚いたそう。


そして、コロンビアではお邪魔したCoE受賞農園のブルボンロサドのマイクロロットをカップさせて頂きましたが、焙煎がとにかく上手!というかほぼ完璧。スペシャルティでありがちなアンダー気味は全くなく、冷めてくると気持ちいいぐらいクリーンさが際立ってくるという印象です。

それでも焙煎しているホセさんは更に美味しくしたいと熱心に焙煎の話をしてくれる。エスプレッソ用とドリップ用と販売用と3パターン同じ豆を焼き分けるところまで行っているのは消費国と全く同じ認識です。しかもこのハイレベルのコーヒーを飲み慣れた消費者はもう元のコーヒーに戻らないのは消費国側でも同じですから、今後自国消費は増えるでしょう。

むしろ、ここのように鮮度抜群のニュークロップを完璧に近い形でお客さんに提供してるあたり、消費国側では難しいですし、生産国ならではの農園や品種などの情報の得やすさもあります。地産地消です。輸入トラブルもなければ為替変動もありません。日本のロースターからしたら羨ましい環境です。

それでもミルトンが直接買い付けを始めた20年近く前は、生産者さんはカッピング(味の評価のためのテイスティングスキル)をほぼ持っておらず、とりあえず「作っては売る」という繰り返しだったのだそう。

それが、量が減ったとしても品質を上げれば売り上げも上がり生活は向上する。これからは品質重視のスペシャルティが増えていくから切り替えた方が経営的にメリットが大きいと思考を切り替える農園主さんが増えていきました。

その為には自分で味を知り、方法を知らなければなりませんので自然と自国で味を評価するスキルを持つ人が増えるほど全体のレベルが上がり、結果的に自国でも美味しいコーヒーに対する需要が伸びたのかも知れません。


改めて日本を見てみると、色んな要因でコーヒーの価格が爆上がりの今、ここで品質を落とす事は追々致命傷になるだろうなと感じざるを得ません。ここ最近は、具合悪くなるぐらいの高騰ぶりですので、円安も相まって多くのロースターにとってはなかなかの踏ん張り時です。



少なくとも消費国側で出来ることは、月並みですが良い品質をこのまま取り扱い、安売りせず、お客様に価格以上の価値を提供することではないでしょうか。もうどこをどう探しても安くて高品質なスペシャルティコーヒーは難しいのですから。

【2023/5/6】シンガポールでもミルトンのコーヒーが楽しめるようになりました!!

今年4月、シンガポールへ出張に行ってきました!

主な目的は、現地の取引先へのバリスタ指導。

実はシンガポールでミルトンのコーヒーが飲める店舗は現在3店舗あります。

(店舗の詳細は後述いたしますね!)

 

その内の1店舗は、パティスリーカフェ”mooi”

パティスリーと名の付くお店なので、クロワッサンを始めデニッシュ系や焼き菓子が本当にハイレベルで、私も始めて食べたとき美味しすぎて驚きました!

シンガポールはクロワッサンやデニッシュは人気のようでどこに行っても見かけましたがmooiのものは贔屓目なしでも絶品です!

さて、ここではミルトンの本店と同じくSYNESSOのエスプレッソマシンとMAHLKONIGのミルを導入し、コーヒーにも本気です。

そして、私たちのコーヒーを扱って頂いているので、抽出してお客様が口にされるまで最高の状態で提供できるようこの度トレーニングをさせていただくことになりました。

ミルトンとお付き合いのある現地企業の社長であるケンさんは、シンガポール内に5店舗飲食店も経営されていますが、とにかく味にこだわるというのはミルトンのオーナーとも一致しています。

ケンさんが始めてミルトンの店舗へ来訪したときにコーヒーに感動し、自分の店でも取り扱いたいと思ったのがきっかけだったそうです。

 

さて、実はmooiはずっとプレオープンの状態で営業していましたが、4月15日の本格オープンに合わせ渡星し、オープンにも立ち会わせて頂きました(^O^)

オープンには現地の他店バリスタや有名シェフ、各界のボス(?)のような方々がたくさん来てくださり、私自身も普段関わらないような方とお話できて貴重な経験をさせていただきました。

そして何より嬉しかったのが、この舌の肥えている方々にコーヒーやカフェラテなど気に入っていただき、豆も買って行って下さったこと。

もちろんシンガポールでもスペシャルティコーヒーは人気で近年スペシャルティコーヒー専門のカフェやロースターも増えています。

面白いと思ったのは、日本と同じで昔ながらの苦い深煎りが好きなご年配層と風味特徴の出たスペシャルティコーヒーを好む若年層に分かれていることです。

酸味に苦手意識のある方も、スペシャルティコーヒーに出会い深煎り派から中煎り派へと変わる方も増えてきたと現地のバリスタも言っていました。

 

山口県周南市のコーヒーがシンガポールへ渡り、現地の方々に美味しいと認めていただけるなんてとても不思議な感覚ですが、同時に”美味しい”という感覚は世界共通だなぁと改めて感じました。

 もっともっといろんな国でセルヒオさんやルイスさん、サミュエルさん、エウドロさん、リマさんなど優秀生産者さんのコーヒーが楽しめるようになってくれる日が来ることを願っています(^^)

 

では以下の三店舗でミルトンのコーヒーを提供しています。

機会があれば是非言ってみられてください。

 

Patisrrie cafe mooi 119967 Singapore 438C Alexandra Rd,#01-06/07 The Hub,Alexandra Technopark

Naked finn 109442 Singapore Block 39 Malan Road,Gillman Barracks

Burguar Labo 159553 Singapore #01-10 Henderson Industrial Park,213 Henderson Rd

【2023/3/12】産地買付とお金事情

日本はおろか世界中で物価高騰の勢いが凄まじく進んでいますね。

先日の中南米訪問時も航空券だけで、しかもLLC使っても例年の倍の費用がかかったので、ひっくり返りそうになりました。

燃油サーチャージが航空券並みにかかることもあるようで、数年前では考えられません。
今も価格高騰は続いているので、今後の産地訪問もどの航路を利用したら安くなるのか模索中ですし、もしかしたら中米間はバスを利用する事になるかもしれないと思い始めました。

生産国側でも、経由地であるアメリカでも物価は上がっていますので、滞在ホテルや食費などもこれから負担が大きくなるでしょう。

また、買付に掛かる費用だけでなく、円安も相変わらず進んでいますし、生産国側の物価高に応じて私たちの取引価格も吊り上げざるを得ません。


さて、10年近く前からミルトンでは卸先のお店スタッフを産地までお連れしたり、一般のお客様や農学部の大学生に同行していただいたこともあります。

もちろんメインは買付の為ですので、観光は一切ありません。

本当に興味があり、尚且つお金と時間(2月に2週間程度)に余裕がないと行けませんので、行きたい気持ちがあってもなかなかハードルは高いでしょう。コロナが始まってからはしばらく同行頂くのは控えていましたし、ミルトン自体も18年の間で初めて1度だけ訪問できない年もありました。

 

2022年あたりからだいぶ規制が緩和され、いよいよ2023年の買付では、関係ロースターの方々をお連れすることができました。

今後も出来るだけ希望される他店ロースターには一度でも現地に行っていただきたいので、今後募集を広げていく予定です。
渡航者が14名程度あつまればミニバスをチャーターした方が良さそうですし、最善策&安全策を検討中です。

私たちがそこまで産地に行って欲しいのには理由があります。

今回お連れした方々は天地がひっくり返るほどの衝撃を受けていらっしゃいました。

今は情報化社会で直接見たり聞いたり体験しなくても、オンラインで何でも入手できます。

それでも、思ってたのとちがう…と何につけても感じます。

特にコーヒーは味覚に関するものなので、こればかりは現地でカッピング(テイスティング)をして、そこでしか学べないことが山ほどあります。

現地のナショナルカッパー(国際審査レベルの味を評価・判断するテイスティングのプロ)と直接、意見交換をしながら擦り合わせて行くことでロースターとしてのスキルが格段に上がりますし、何より意識が変わります。

でもそれは、ロースターだけではありません。

10年前に卸先さんをお連れし、お客様・大学生をお連れした時も意識の変化や衝撃を受けられているのを強く感じました。

一歩外に出てみると、自分の可能性が広がったり、私自身も他者の意見を聞くことでモヤモヤしていた霧が晴れることがよくあります。

海外の資本力のあるバイヤーはこれからもっと加勢していくでしょう。

お客様の舌が急速に肥え、知識もプロ並みに持たれる方が増える中で日本のスペシャルティコーヒーもレベルの高いものを提供し続けるために私たちも日本のバイヤーとして個々のレベルを高め、日本の人々に飲んでほしい!と生産者さんに思ってもらえるようにコツコツ積み上げていきたいと思っています。その為にも、他店のロースターさんと産地訪問をご一緒させていただくことで、ロースターさんと生産者さん、私たちの全てが刺激しあい全体のレベルの底上げにもなると信じています。

 

日本から飛び出し、地球の裏側である生産国で何が起こっているのか、どんな人々がどんな思いで生活しているのか、どんな人生を歩まれているのかは言語が通じなくても感じ取れますし、それこそが最大の価値なんだと思います。

【2023/1/22】コーヒー産地ではピッカー不足が問題となっています

今日はピッカーについてのちょっと真面目なお話です。

コーヒーに関わる人々にとってのピッカーとは、農園でコーヒーの実を摘み取る収穫人のことを指します。

スペシャルティ―コーヒーを生産するにあたり、このピッカーの仕事はかなり重要な役割を果たしています。

大量生産のコーヒーとは違い、人の手で一粒一粒摘み取っていく作業は今のところAIには代われないのです。

いまだに人の手で行わなければならない難しさはいくつか理由があります。

まず、標高の高い所で採れるスペシャルティコーヒーのコーヒーチェリーは山の斜面に位置しており、中にはかなりの急斜面になることもあります。

また、収穫に適した熟度も人の目で判断し、色で判別しているので未熟も過熟も避けなければなりません。

1本の木でも数か月の間に約4回に分けて収穫をし、チェリーの熟度を揃えていきます。

私たちも産地訪問時に収穫体験をさせていただきましたが、収穫スピードでいうとプロピッカーの方が10倍は早いですし、精度もレベルが違い驚きました。

 さて、今まさに収穫時期なのですが、この時期は季節労働者でもあるピッカー(収穫作業員)であちこちの農園が溢れます。

個人や家族で移動している場合もあれば、小さな村の住民ごと移動して稼ぐ場合もあります。最近は収穫よりも楽で高額な仕事が増え始め、アメリカへ出稼ぎに出た方が世帯収入が増えるといったことから、ピッカー達の確保が難しくなってきています。

少しでも稼ぎたいピッカーはどこの農園はいくら払ってくれると値段交渉をし、条件の良い農園で働きます。

給料だけではなく、食事や寝床などの福利厚生も比較対象になりますから、生産者としてはコーヒーの生産を始める段階から出費がこれまで以上にかかっています。

ある程度摘み取ったチェリーは80-100kgある袋を山の麓まで運び、重さを計ります。その重さによって収入が決まるわけです。スペシャルティコーヒーを作る上では、完熟したチェリーのみを収穫するようにピッカーに指示または教育している為、緑色の未熟豆などを含めてはいけません。

その分多くの量を摘み取らなければ収入に響くため、ピッカーはその分単価アップを生産者に要求します。

生産者としては摘み取ってもらわないと困りますし、放っておけば商品になりませんし、単価アップに従わなければ他の生産者の元にピッカーたちが流れていってしまうかもしれません。

ピッカーにしてみれば、ここ時期に出来るだけ稼ぐことが家計維持には必要具不可欠ですから、妥協するわけにはいきません。

なかなかシビアな世界です。

 

農園主とってみれば質の良いピッカーを揃えることは容易ではありません。

農園を経営する上でピッカーの存在がどれだけ影響を与え、スペシャルティコーヒー生産国ではこういった現状があることを消費国側でも知ると、また見方が変わります。

 

【2023/1/18】2023年福袋のご購入ありがとうございました!!

今年も無事限定の新春新豆福袋を皆様の元へお届けすることが出来ました!

今まさに楽しんで下さっている真っ最中の方から、既に飲みきられた方まで

おられると思います。

そして、残念ながら完売のため購入いただけなかった方は申し訳ございません

毎年12月初めから予約を開始するのですが、お問合せ自体は秋頃からいただきます。

ミルトンの公式アプリではアプリ会員特典として、優先予約を受け付けておりますので

是非この機会にアプリをインストールされてくださいね!

 

さて、今年はご案内の時点でおおよその内容は公開していましたが、詳しい銘柄は受取ってからのお楽しみとさせていただいておりました(^^)

参考までに今年のランナップをご紹介させていただきますね!

 

【一万円福袋】※¥12,000税込商品

①ラスラデラス農園パカマラ種ハニー処理

  Las Laderas Pacamara Honey

②サンタエレナ農園ブルボン種スペシャルトリートメント処理

  Santa Elena Bourbon Special Treatment

③ラスヌベス農園ブルボン種イーストアナエロビック処理

  Las  Nubes Bourbon Yeast Anaerobic

④サンホセ農園カツーラ種ナチュラル処理

  San Jose Caturra Natural

⑤アイレフレスコ特級畑(エルポルベニール農園)パカマラ種オレンジハニー処理

  El Polvenir Lot.Aire Fresco Pacamara Orange Honey

⑥ラベンディシオン農園SL34種ウォッシュド処理

  La Bendicion SL34 Washed

⑦エルカンバラッチェ農園ゲイシャ種ウォッシュド処理

  El  Cambalache Geisha Washed

⑧ロスピリネオス農園ゲイシャ種ウォッシュド処理

  Los Pirineos Geisha Washed

⑨エルカンバラッチェ農園マラカツーラ種ハニー処理

  El Cambalache Maracaturra Honey

⑩エルポルベニール農園パカマラ種5日発酵ナチュラル処理

  El Polvenir Pacamara 5days Fermentation Natural

⑪ラベンディシオン農園マルセイエサ種ナチュラル処理

  La Bendicion Marcelleza Natural

⑫紅ブレンド

    Red Blend

⑬白ブレンド

  White Blend

⑭ノベルティ:ミルトンオリジナル折りたたみ傘(収納ケース付き)

 

【五千円福袋】※¥5,200税込商品

①エルコロソ農園ゲイシャ種ウォッシュド処理

  El Corozo Geisha Washed

②ラベンディシオン農園パカマラ種ウォッシュド処理

  La Bendicion Pacamara Washed

③ロスピリネオス農園カツアイ種ナチュラル処理

  Los Pirineos Catuai Natural

④ドリップパック5種

  Drip Bag 1Pac*5

⑤ノベルティ:ミルトンオリジナルトートバッグ

※③④をドリンクチケット10枚に交換可

 

 

ミルトンでも初めて買付させていただいたマルセイエサなどの珍しい品種や、ゲイシャ種も3種類揃っていることはなかなかないので、100gという少しづつ色々飲み比べが出来るのは福袋だけの魅力です!!

毎年2月には中米に買付に行くので、皆様からの福袋の感想を農園主さんたちに直接お伝えできるのが、私たちもとっても楽しみです(^^♪

 

また、今年から、配送に限りお正月三が日にお届けが可能になったこともあり、元旦から

家族や親戚、友人みんなで美味しいコーヒーが飲めたと、とっても喜んで頂けました♪

 

来年の福袋も是非楽しみにしていただけると嬉しいです。

【2022/12/6】ニカラグア新豆2種と生産者さんのご紹介

2022年12月より販売開始となる「ラピコナ農園 La Picona」と「エルカンバラッチェ El Cambalache農園」。

どちらもお馴染みのサミュエルさんの農園です。

今日はサミュエルさんを初め、ニアラグアの農家さんたちのちょっとリアルなお話をさせてください。 

今年はオーナーの田中も長期にわたり中南米へ買付で滞在することが出来たので生産者たちとも多くの時間を共にし、なんとニカラグアのカップオブエクセレンスのオークション会場へ行くこともできました!

今回からオークションのインターフェースが新装されてリアルタイムでスマホで状況確認ができるようになり、より見易くなりました。
どの生産者達も自分のスマホを見ながら自分のコーヒーの金額が上がっていくのを見守っています。

緊張の瞬間かと思いきや、なかなかのリラックスぶり。
とは言え会場で6、7人の生産者に話を聞くとコロナ禍でのオークションですし、ニカラグアのブランド力の心配もあるので、金額がどこまで上がるのかが、みんなの心配事のようです。
私たちミルトンは、オークションロットに近い品質をいつも輸入しているので、安心して生産者達とお付き合いさせていただいています。

また、継続的なお付き合いのできるロースターと繋がりたいと言うのが彼らの願いでもあります。

今年の品評会ではなんと、全26農園のCOE受賞農園中、2つの受賞農園を輩出したサミュエルさん!

エルカンバラチェ農園、ラピコナ農園、ラエスペランサ農園をメインにコーヒ栽培をしている優秀な生産者です。

不作の年と言いながらもきちんと受賞するあたりハイポテンシャルです。

実はヨーロッパで人気の彼のコーヒですが、日本のロースターにも引き続き使って欲しいし、日本への販売に比重をおきたいと言っています。

ゲイシャを始め様々な品種を試し栽培していますが、私がコロンビアかから持ってきたブルボンチロソの種が彼の農園での今後どうなるかも楽しみです。

ニカラグアのラエスペランサ農園とサンホセ農園は両農園ともCOE受賞歴が多数あり、その高い品質を疑う余地はありません。

隣同士に位置しているその両農園は、生産者同士も頻繁に情報交換をしている仲。

元々はカツーラ種が主に栽培されていましたが、サビ病の影響も大きく、近年の新種の人気ぶりから、カツーラ種の収穫高は年々減っていっています。

さて、コーヒーは種を植えてから収穫できるまで早くて3年が必要で、その間は収穫(=収入)がないので経費ばかりがかかります。

3年後美味しくなければ伐採して次の品種を植えるということになります。

ロースターとして目新しい品種が販売しやすいと考えがちですが、生産者側の利益を本当の意味で考えられたとしたら、今のマーケットドリブンのような動きをロースターは支持しないような気が個人的にはしています。

抽出や焙煎のことも大事ですが、生産者側の気持ちに寄り添う事も同じく大事だと考えます。
COEオークション会場で聞いた生産者達のリアルな声を聞いてとても不安になりました。

「こんなハイリスクで大変なコーヒー作りに未来があるのだろうか?子供には継がせたくない」という声を聞いて私たちも考えざるを得ません。

コーヒーの木は毎年沢山のチェリーが熟し、収穫されるのを待っています。

しかし作業に大変さから収穫作業員は年々減少傾向にあります。

もう何年も前から問題になっていました。

高い賃金でも集まらないのです。

多くはアメリカへ移住し、ニカラグアの家族へ仕送りし始めています。

収穫出来なければコーヒー産業の危機です。

様々な部分で今の世の中の歪みが出てきているなと感じています。

僕たちに出来ることは、生産者の方にも常に目を向けておくということではないでしょうか。生産者が成り立たなければロースターもカフェも成り立ちませんから。

少しシビアな話にはなりましたが、こうして結果を出してくださっている農家さんの豆をより多くの方にお届けすることが私たちの役割ですので、皆さんに美味しく飲んで楽しんでいただけると嬉しいです!

【2022/12/1】2023年新春新豆福袋の予約受付を開始します!

お待たせいたしました!

店頭でもお電話でも既にたくさんのお問い合わせをいただいておりましたが、ようやく12月1日より毎年恒例の福袋を予約受付いたします!

今年はのラインナップはこちら!!!!!

《一万二千円福袋》※税込

・コーヒー豆(粉) 全13種類

 (シングルオリジン11種、紅白ブレンド各1種)

・ノベルティ ミルトンオリジナル折りたたみ傘

《五千二百円福袋》※税込

・コーヒー豆(粉) 2種類(シングルオリジン)

・ノベルティ ミルトンオリジナルトートバッグ

 

2023年の福袋の目玉は「ゲイシャ種」が合わせて3種入っています!!!!!私も先日3種一度にカッピング(テイスティング)してみたのですが、印象が全部違っていて驚きました。飲まれたことがある方は想像が付くかもしれませんが、フレーバーティーのような分かりやすい華やかさのある特徴的な風味のコーヒーです。今回の3種は、エルサルバド産とニカラグア産がありますが、いわゆる「ゲイシャ」らしい風味のものから、よりどっしりした質感や飲みごたえが出てコーヒーらしい濃さのあるものまで、本当に土壌で変わるんだなぁという発見がありました。その他にも、マルセイエサ種というミルトンでは初、なおかつこの福袋でしか飲めないコーヒーも入っております!

そしてもう一つの目玉は「アナエロビック処理」のコーヒー。

ゲイシャ種は樹の品種の話ですが、こちらは収穫後の実の処理の話です。この処理が出来上がりのコーヒーに大きな味の影響を与えます。

アナエロビック処理は日本語で「嫌気性発酵」と呼ばれる発酵方法を指す言葉ですが、同じ発酵でもそのタネとなる物が必要で、こちらの生産者のリマさんは「イースト菌」を利用しています。嫌気性ということで空気に触れさせずに発酵を行なう方法なので実の水分は放出されない分、凝縮感を感じます。

余談ですが、スペシャルティコーヒーを選ぶポイントとしては、国の名前や農園名よりも、この「品種」や「処理」で選ぶ方がご自身の好みを探るにあたって近道なのかなぁと思います。

近年、ミルトンと長年取引のある農家さんが続々と国際品評会(Cup Of Excellence)で受賞しておられます。今回の福袋でも初登場の農園「El Cambalache エルカンバラッチェ農園」は、2022年国際品評会でも7位受賞の農園なのですが、ミルトンが4年前ハンガリー進出の際に購入させていただいたサミュエルさんのコーヒーの売り上げで、この農園を拡張目的で彼が買い足されたという経緯もあり、私たち自身も思い入れがあるコーヒーです!

長々と書きましたが、そのくらい今回の福袋のラインナップは充実している自慢の福袋となっていますので是非皆さんで楽しんでいただきたいです♪

今年は、お正月に親戚や友人たちで楽しみたい、手土産でプレゼントしたいという要望にお応えし、配送に限り元旦からお届けできるようにいたします(^^)

ご予約時に日時指定が出来ますので是非ご活用ください。

※指定がない場合は、1/1以降順次配送いたします。

【2022/9/7】2022年の秋ブレンドは3種類!!!

恒例の季節ブレンド、9月からは夏ブレンドから秋ブレンドへと替わりました!
年々ブレンドファンが増えていることもあり、今回も3種類揃えております!!
茶の花ーちゃのはなー
どこか和を感じる、奥行きのあるブレンド。
コクがあり余韻までしっかり甘さを感じます。
肌寒い日に飲んで頂きたいです(#^^#)
¥2800/250g
吾亦紅ーわれもこうー
柔らかく立体的な酸と柑橘系の上品なフルーティーさも感じます。
スルスルと心地よい口あたりで、まだ暑さの残る時期におすすめですよ(^^♪
¥2550/250g
金木犀ーきんもくせいー
アーモンド・カカオなどのずっしり濃い香りと甘さながらほんのりフルーティー感も併せ持つ、ほんのりビターなブレンドです。
¥1900/250g
このブレンドづくりですが、毎回季節ブレンドの度にスタッフみんなで確認作業をします。よく冗談で言われがちなのが、余った豆をミックスして売ってるの?などネガティブな印象を持たれているかもしれませんが(笑)ミルトンではトップクオリティの豆しか購入していないため、ブレンドももちろんその中からブレンドすることとなります!ということはもちろん100%スペシャルティコーヒーのブレンド。
また、スペシャルティコーヒーはそのコーヒーの良い所に着目して、正しく評価をしなければなりません。
ですので当然ながら私たちは日頃は自分の主観や好み抜きにして、目の前のお客様の求めているものや好みをヒアリングで探りながらご提案させていただいています。
それでもやっぱりスタッフにもコーヒーの好みがあるので、このブレンドのカッピング(テイスティング)でもしっかり好みは分かれます!
バランスがいいのは大前提なので、「このフローラル感が好き」とか「甘さと重すぎないボディーがちょうどいい」とか「あのお客さんに合いそう」など好きなことを言い合います。
農家さんが農園ごと、ロットごと、処理ごとに細かく分けて味づくりをして下さったものを的確にブレンドしないと台無しになってしまうので、本当にブレンド作りでバランスは重要な要素だと思います。
そこに季節ごとの感じてほしい味わいやお客様の好みも踏まえて作らなければなりませんし、たいていこの季節ブレンドのブレンド作りに取り掛かるのは季節の変わり目です。季節の変わり目は焙煎がとにかく難しいらしく、焙煎担当の者はいつもこの気温や天気や湿度が不安定な時期に焙煎で苦戦しているので、それもあってのブレンド作りはなおさら、想像以上に難しい作業です。
その辺りも知って飲んでいただくと、ブレンドに対する見方やイメージが変わって面白いかもしれません(^^)

【2022/8/7】夏の営業について

【お盆期間の営業および夏季休業】

8月→通常通り営業

9月→12日(月)~16日(金)の間、夏季休業

※8月は木曜定休以外はお盆期間中も営業します!!

 

【通販の発送についてのご注意点】

お休み中は通販のご注文はいただけますが発送作業はしておりませんので

休業前日(9/11)の15時以降のご注文分は、休み明け(9/17)発送となります。

休業中を着日にご指定頂いてもお届け日はズレますのでご了承ください。

 


さて、只今オーナーはニカラグアに滞在中です。

コロナ禍になってから、毎年2月にミルトンのスタッフ全員で産地訪問するという恒例のサイクルが叶わなくなってしまいました。

会社としても2月の買付で選んできた豆を、帰国後オーダーし、現地でオーダー通りに準備をしてくださって夏~秋頃に港へ届くという流れで10数年経営してきましたので何だか調子がくるってしまいますが、長年の付き合いで信頼関係をしっかりと築いていたおかげで今回のような産地へ行けないような事態でも産地側でしっかりミルトンの求めるレベルを理解し、準備してくださいました。

ようやく海外への渡航が緩和されてきたので、例年とは違い日本でいう夏のタイミングでオーナー単独ですが、産地訪問をすることとなりました。

7月半ば~9月上旬の予定でコロンビア・ニカラグア・エルサルバドルの滞在となっております。

それぞれの国で、かつてないほどたっぷり滞在しますし、いつもとは時期も違うのでとてもメリットが多いようで、既にたくさんの現地情報を日本にいる私たちにもリアルタイムで届けてくれています。

今はちょうどニカラグアのタイミングですがこちらの国に関しては特に、1か月もの長い間滞在となるので、四六時中生産者さんと行動を共にし、毎日夜遅くまで語り合うことで生産国に起こる問題や日進月歩のコーヒー豆の品種や精製処理についての理解が格段に深まる!と、興奮気味に連絡が入ります。

とは言っても、異国ですので食生活の違いや冷たいシャワーでなく温かい湯船に浸かりたい。。など、たいていの人は何かしら思いそうですが、何か月でも居れちゃうあたりがさすがだなぁと思わされます(^^;

店頭ではお客様にも産地に関するご質問(コーヒーのこと以外でも!)よく頂きますが、せっかくご縁があってその国と取引させて頂いていますので、皆さんにも農園場や農家さん、コーヒーに関することだけにとどまらず、国やカルチャーなどもシェア出来たらと思っています!

楽しみにお待ちください(^-^)


 

【2022/7/17】ただ今、産地買付中。でもお店は営業してます!

2019年以来、中止していた産地買付ですがようやく行くことが出来ました!

といっても今年はオーナーのみの訪問です。

ただ今、コロンビアに滞在中。

今回の買付はコロンビア、ニカラグア、エルサルバドルの3か国をトータル2か月半滞在する予定です。

毎年スタッフみんなで訪問していた中米ニカラグア・エルサルバドルに比べコロンビアは格段にハードなのだそう。

でも、コーヒーのカッピング(テイスティング)では、ひっくり返る程おいしいコーヒーがいっぱいあった!と連絡がありました。

ここで買い付けた豆を実際に皆さんに飲んでいただけるのはまだまだ先になりますが楽しみにお待ちください(^-^)

さて、オーナーはこの後中米ニカラグア、エルサルバドルに飛びますが、2022年収穫の中米の豆が今まさに日本へ向けて海の上です。ややこしいのですが、こうして買い付けに行って選んだ豆は、実はまだ収穫中なことが多いので今から収穫を終えて処理して乾燥させて寝かせて水分値を下げて輸出の手続きをして…というなかなかの行程を踏んで私たちのもとに届くので、半年程度はかかってしまいます。

コンテナ船に乗せて輸送しますので、2-3か月(コロナ禍の序盤にはもっと)かかってしまいます。そんなこんなで来月到着予定ですので、こちらの方は秋ごろから順次販売できるかと思います。

そして新豆が届いたころには現地では既に実を付け初め、収穫の準備が始まります。

それと共に、私たちも次の買付に向けて現地とのやりとりや航空券の手配などの準備が始まり、収穫や買付が年に一度とは言え息つく暇がないような感覚です。

正直なところ、今年は世界的にもコーヒー豆が減産傾向で特にニカラグアは、ミルトン17年の中でも最も採れ高の少ない年となってしまいました。更に新型コロナウイルスやロシアとウクライナの戦争の影響ももちろんあります。燃料高騰・円安、そして国内でも全てにおいて物価高騰しており、直輸入で製造小売業という私たちのような商売には大打撃です。

日本国内のロースターさんは皆さん同じように影響を受けられていると思いますが、折角コーヒー産地側が年々レベルをあげられているのに、こちら側で質を落とせませんし、その思いはどこのロースターさんも同じだと思うので今は苦しい時ですが、美味しいコーヒーを提供し続けるために色々踏ん張り時なのかなと思います。

やっと少しづつ海外に出られるようになり、また能動的に仕入れや活動出来ればいいなと思っています

【2022/4/10】SL34種、パライネマ種の販売開始します!

【2022/4/10】SL34種、パライネマ種の販売開始します!

福袋で先行販売しました新豆ですが、少しづつ一般販売もしていっております。今年の福袋も本当に贅沢なラインナップで、店頭で福袋の感想を聞くとお客様からは「本当に全部美味しくて選べない!」と言われるほど、どれも好評でした!
そしてそして、その中でもミルトンコーヒーでは珍しい初の取り扱いとなる品種が登場いたします!SL34はコーヒーの木の品種の名前です。もともとはアフリカ原産の品種なんですが、風味は上品でとにかく甘さとトロっとした舌触りが印象的です。

ラベンディシオン農園ではパカマラを多く取り扱わせていただいていたので今回皆さんの反応がとっても楽しみです!!!
パライネマも品種名。
こちらはオーナーも「ミルトンのお客様は好きな方多いんじゃないかな?」と言うほどバランスよく甘いスパイスを思わせるエキゾチックなコーヒーです(゜-゜)

香りもハッキリ、ボディーもしっかりなので飲みごたえあります!ラピコナ農園でもミルトンでお馴染みのマラカツーラ種ではなく、初登場品種の新豆となります。
さて余談ですが、ミルトンの取引農家さんは皆さん「美味しいもの」を作るのにどん欲です。

正直なところ、従来のコマーシャルコーヒーと呼ばれる安価なコーヒー豆の生産して薄利多売になるよりも、スペシャルティコーヒーレベルのもの時間と労力を作って少量でも本当に評価してくれて高値で売る方向性に希望を見出している生産者たちも増えているようです。一昔前は、作り手自身が味の善し悪しが解らずにただ生産していたことを思うと、生産国側にしても消費国側にしてもコーヒーに求めるものがまるっきり変わってきているのを感じます。

毎年の買付訪問でも、1年の間にどんな変化や工夫・挑戦があったのかを話してくださいますし、様々な品種にも毎年のように挑戦しておられます。品種に挑戦と簡単に言いましたが、コーヒーの木は植えてから収穫できるまで早くて3年~5年はかかります。

その間はもちろん収穫できない(=収入にならない)ですし、育ったところで味の保証はないわけですから農家さんにとっても大きな賭けなのだと思います。


近年、コーヒーの品種や処理に消費者の注目があつまり、品評会向けに注力されたりと様々ですが、ミルトンでは特に受賞豆に拘らず、買付時は品評会ジャッジ方式で点数化して相応のハイレベルな豆を買わせていただいています。

農家さんが1年もかけて作られたコーヒーを正当な価格で取引し、今回のような新しい品種や処理などもストーリーごと皆さんに楽しんでもらえると嬉しいです♪

【2022/1/4】新年あけましておめでとうございます。

皆さま、新年あけましておめでとうございます。
ミルトンも本日1月4日より2022年の営業がスタートしました!!!

毎年のことながら初売りの日は、年末にご予約頂いていた新豆福袋の受け渡し初日でもあるので多くの方にご来店いただきました♪

実際、予約の時点で本当に楽しみにしてくださり、今日も開店前から待っててくださるお客様も!!!
早くみなさんに飲んで頂きたいです!(^^)!
また混みあうことが予想されるため配送もおススメしており、通販のお客様や自宅配送ご希望の方への発送の準備も着々と進めております(^-^)
通販の方はご注文の順に順次発送いたしますので、2-3日かけて発送完了の予定です。 楽しみにされている皆様、もうすぐ届きますので今しばらくお待ちくださいませ。


皆さんはどんな年末年始を過ごされましたか!?
まだまだコロナ禍ですので派手なことは出来ませんが、私は友人の家に行ったり家に招いたりで、外出こそ控えたものの久々に会ったり話したり、充実した休みを過ごしました(^-^)
仕事始めでは他のスタッフとも5日ぶりに会い、(とっても久しぶりの感覚です笑)みんな気が済むまで寝たり、家族で過ごしたりと思い思いの休みを過ごしているようでした。家族親戚が集まるのはお正月がメインだと思いますが、そんな時にミルトンのコーヒーやドリップパックを手土産にして下さる方が本当に増えたと思います。

12月はお歳暮はもちろんですが、大人数で楽しむためのコーヒーを買い求めて来られる方が多いので、私自身もお正月は家族みんなでコーヒーを飲みながら、ミルトンのお客さんも今頃みんなで飲んでるのかなぁと思ったりして過ごしていました(^^)

さて、ミルトンは今17年目の年となりますが、コロナの影響で初めて産地に行けないという事態となりました。
それでも今回の福袋のラインナップを見ていただけると分かると思いますが、通常では手に入らないようなコーヒーや珍しいコーヒー、ミルトンのお客様に喜ばれそうなコーヒーを農家さんはたくさん提供して下さいました。

セルヒオさん、ルイスさん、エウドロさん、サミュエルさん、フェルナンドさん、エルネストさん。これらの取引農家さんはこれまでのお付き合いによりミルトンのお客様が求めているレベルをとてもよく理解して下さっています。今年も最高品質のコーヒーを皆さんに無事お届けできることに本当に感謝しかないです。そしてコロナが落ち着いてまた会えた時にそれを伝えたいですね!


では今年もミルトンコーヒーロースタリーをどうぞよろしくお願いいたします。