【2023/10/1】コーヒー屋イチの重要スキル『カッピング』

「カッピング」とは、簡単に言うと「テイスティング」のようなもので、

コーヒーの味を評価するために最も重要なスキルです。

カッピングスキルがないと仕入れの際に正しい評価が出来ず、自分の扱う豆の判断基準が持てません。ということは、仕入れ価格は業者のコントロール下にあるということになります。

ましてやミルトンは直接取引なので正しく点数が付けられないとフェアな交渉ができません。現地では生産者を目の前にしてカッピング、スコア付けをするのですが現地のカッパー達とかけ離れた点数が付いてしまうと交渉上、不利になってしまうということになりかねないのです。

幸い、ミルトンはオーナーが元国際審査員をしていたこともあり、現地のヘッドカッパーと点数がほぼ揃います。そういったことも現地での信頼関係に繋がっているのかもしれません。

さて、これは個人的な楽しみと言うべきかもしれませんが、生産国に行ってカッピングをさせてもらっていると、アメリカやヨーロッパの有名ロースターが購入したコーヒーとお目にかかれます。または大手チェーン店やインポーターのコーヒーもカッピング出来たりします。
あそこはこのレベルを買っているんだと知ることが出来、ハイスコアなコーヒーであればあるほど、そのブランドのイメージと合っていれば、流石だなと勝手に感じるゲームをしています。ちょっとした自分だけの楽しみのようなものです。


ちなみにこれはサンフランシスコのフォーバレル出荷分。他にも幾つか有名どころの名がありました。

いいコーヒーは海外勢は確実に買い付けていますね。
豆もさることながら、焙煎も流石で、ばっちり決まっていましたのでカッピングが楽しかったです。Joaquín さん、どうもありがとうございます!

こちらは先日コロンビア訪問した際のカッピング結果をホワイトボードに書き出したもの。現地で頻繁にカッピングをしているカッパー達、中にはナショナルカッパーもいて彼らとの擦り合わせもお互いにとって大事な仕事だと思います。
ミルトンの採点が右端のTanakaと書いてあるスコア。Geishaが90点オーバー出ました!

コロンビアはメインの収穫期が年に2回ありますが、その合間もちょこちょこ収穫できたりするわけです。家族経営の農園が多いですし、山も急勾配でなかなか厳しい状況での栽培や収穫の作業となります。 

それらを集めてまとまった量を確保しなければなりません。微妙にスコアも違うものをブレンドしてまとまったロットを作るようなものです。ナノロットであれば、混ぜることもないかもしれませんが、1袋ぐらいしかできないかもしれませんので、せめてマイクロロットぐらいまでボリュームを上げてブレンドしてもらう方が現実的です。

とんでもないハイスコアなコーヒーがあればもちろんナノロットでも買い付ける価値はあると思いますがその分値もはります。
まずは正確な品定めが原則必要となります。

 

 このように、生産地では行く先々でカッピングして回りますが、毎度点数をつける時は集中力を切らさないようにしています。特に一日の終わりの回では疲れで目も充血気味の時もありますが、生産者にこの点数がフィードバックされると思うと真剣に向き合いたくなります。

0.5点の差や1点の差がどこに生じたのかも、一緒にカッピングする現地のカッパーと擦り合わせをします。どちらが正しい正しくないという話し合いではなく、お互いの質の捉え方や、点数をつける上での加減を理解し合う感覚で行っています。

カッピング力というのは自分で身に付けることが出来る人でも、第三者のカッパーの意見を聞くことが多いかと思います。小規模農家さんは乾燥を依頼したり、輸出を依頼している場所にカッピングをお願いするケースが多いですが、若い農園主さんは自分でどんどんやろうという方も多く、自身でQグレーダーの資格取ってカッピングして尚且つ第三者にも意見を求めるパターンが増えていくかもしれません。更には今のところは稀なケースではありますがイカワとか使って自身で焙煎までしたいという方もおり、味が取れること(カッピングスキル)の持つ意味を生産国で急速に重要視され始めているのを感じます。

 

【2023/9/6】ゲイシャって知ってる(゜o゜)!?

ゲイシャ種。

コーヒーの品種の一つですが、ミルトンコーヒーでも毎年福袋に入れたり、最近は立て続けに販売したりと目にすることも多かったかと思います。

パナマを皮切りに世界中で大人気の品種ですが、ゲイシャ自体も30-40タイプに分かれるって知っていましたか?
タイプ別に番号が付帯しているのですが、全部が同じ味ではありません。それぞれのタイプが異なる土地や微気候によって風味特性を変えるわけです。

収穫後の処理も今ではパナマでは天日干しをしていませんし、ゲイシャの木特有の性質上肥料の内容から散布するタイミング、頻度を他の品種とは変えなければいけません。
農地に苗を植えてから早くて2年目から収穫出来るようになりますが、しっかりと本来の風味を出すようになるには5年はかかります。

美味しくなければ売れませんから、育てたゲイシャも伐採し、新たなタイプや品種に植え替えられます。 なかなかの手間のかかる品種なのです。 値段が高くなりやすいのは特徴的な風味だけではなく、とにかく手間とコストのかかる品種だからです。

数年前にパナマのエスメラルダ農園のゲイシャが脚光を浴びてからというものの、コーヒー好きな方であれば1杯何千円とするそれを口にした方も多いかと思います。が、先に言いましたがゲイシャ種のタイプも多く、更にそれを植える国、もっと言えばテロワールが違うので風味としてどんな仕上がりになるかははかり知れません。実際にミルトンで販売したロスピリネオス農園やエルカンバラチェ農園のゲイシャはどちらもニカラグア産でエウドロさんとサミュエルさんはご近所農園なのですが、違った印象。そして今まさに販売中のエルコロッソ農園はエルサルバドル産で、華やかな感じはパナマのものと通じるものがありますが、やっぱりハッキリ違います。

一度基準を作ってしまうと「これはゲイシャではない(ゲイシャっぽくない)」とレッテルを貼られがちですが、決してそういうことではありません。コーヒーに携わる仕事の方はご存じだと思いますが、ゲイシャといえばこの味!とハッキリあるものではなく、色んな要因で色んな特徴になり得るという前提で、楽しんで頂けたらいいなと思います。好みにあうゲイシャ種に出会ったり、出会わなかったりがありますし一概に美味しい、美味しくないとは言えないかも知れませんね。

さて、昨年のエルサルバドルのフェルナンドリマさんを訪ねた際に、まずは昨年の2021年にCOEで3位のプレジデンシャルアウォードを獲得したゲイシャを見に行きました。初めて植えた時に訪問した時点では、ほとんど枯れかけていていましたが、ゲイシャ種の特徴を勉強し、2度目から全く問題なく育ち、結果90点オーバーで受賞するに至りました。しかも一番素の味が分かるウォッシュドで。
この元の種は多くの皆さんがご存知のパナマの超有名農園からだそうで、100%ゲイシャとなります。来年はコンテストに出品せずに皆さんにかって買ってもらおうかなと、言っていましたよ!

 

写真はフェルナンドさんと次男のアンドレスさん。エルコロソ農園でゲイシャについて説明してくれているところです。

とはいえ、ゲイシャを育てる事自体が難しいと、どこの生産者も言います。特に最初の1-2年は試練かもしれません。
あれ?去年植えてたゲイシャはどこ行ったの?と聞いて、1年持たなくて育ちが悪いからパカマラに植え替えたよ!なんて会話もありました。
実際撮影した場所もきっと苗が死んでしまうだろうと、パカマラとゲイシャのダブル植えをしていましたが、思いの外ゲイシャが育ってきたので、残念ながらパカマラはお役目ごめんで切ってしまいます。
それでもゲイシャが育ってくれて笑みも溢れるフェルナンドリマさん。嬉しそうに話してくれるのが印象的。
フェルナンドさんは今年も新たなエリアにゲイシャ種を植えています。
同じ所に成長の早い木と遅い木を植え、どちらがこの土地に合うのか、どのような味わいになるのかを検証しています。
結果がわかるまでには後2.3年かかるでしょう。

こうやって数年先を見据え、より良いものを作る為に農園に投資をしています。

特にゲイシャ種は利益が出るまでには10年かかるそうですが、
それも楽しみながらやっているとフェルナンドさんは話してくれました。

【2023/7/26】シェードツリーってなに!?

「シェードツリー」という言葉は聞いた事がありますか?

シェードツリーとは、コーヒーの木に長時間直射日光が当たらないようにする為にコーヒーの木よりも背の高い木を植え、陰(シェード)を作ってあげる為の木を指します。

もちろんコーヒーの木は植物ですので、他と同様に水も日光も必要不可欠です。ただ、生命維持のための光合成だけでなく、他にも「高品質(=美味しいコーヒー)」になり得るための条件にもシェードツリーは関係してきます。

その理由はこのようにいくつかあります。

①コーヒーの葉が長時間直射日光に当たると日焼けする(葉焼けすると栄養不足となり生育状態が悪くなる)

②地表の温度の上昇を防ぐ

③種目の違う植物を植えることで多種多様な動生物が集まり、有機物の影響で良質な土壌となる

④風や霜などからコーヒーの木を守ってくれる

この写真はコーヒーの木がまだ小さく、シェードツリーが高くそびえたっているので分かりやすいかと思います。

シェードツリーを植えると当然コーヒーの木を植える面積が狭まるので収穫量も減ってしまいます。それでも植えるメリットや必要性は多分にあることがお分かりになるかと思います。

余談ですがミルトンの店舗でも創業当初からコーヒーの木をいくつか育てているのでかれこれ20年近く日本の過酷な環境で育てています。四季があるので出来るだけ現地の環境に近づけるよう工夫はしています。

基本的に冬は室内の日当たりの良い場所へ、暖かくなってきたら外の軒下へ移動させます。

が、3年前ちょっとした事件が起きました。。。

この軒下の向きが西側にあるコーヒーの木が葉が焼けたような枯死したような状態になってしまいました。日中は軒がしっかりシェードツリーの役割を果たしてくれているのですが夕方になると特に花畠店は西日が強く、葉にダメージを与えてしまいました…気づいてからすぐに場所を移動させましたが、この少しの移動も木にとってはストレスになるようで、なかなか回復に時間が掛かりました。

ただでさえ地植でなく鉢植えですので根がはびこるのも窮屈そうですし、やっぱり適所ってあるんだなぁといつも思います。

日本でもコーヒー農園があったりハウスで栽培されているところもあるようですが、並々ならぬご苦労があるんじゃないかと思います。

近年は紫外線がより一層強くなりシェードツリーの重要性が一層増してきたと生産者達は話してくれます。

皮肉なもので、日光を当てた方が生産量も増え収入も増えるわけですが、その分木にはストレスとなり木の寿命が縮んだり、年によっては収穫高が大幅に減産となってしまうなど、彼らの生活までもが安定しないものとなってしまいます。目指すはまずは毎年安定した量を生産する事となりますので、シェードツリーを上手に管理しながら、枝ぶりも調整しながら、陰のコントロールをしていくわけです。

実際の農園は想像をはるかに超える広さなのでシェードツリーの管理だけでも、相当な作業となります。

フェルナンドさんは沢山の苗木を植えていて、更に農園に植えるシェードツリーも沢山種から育てています。
自身の農園に適した木を植え、より良い環境でコーヒーを育てる事が出来るそうです。


そういった細かなこだわりが毎年Cup Of Exellenceで入賞する理由の一つなのかもしれませんね。

【2023/6/16】生産者も本格的に焙煎を始めています

スペシャルティコーヒーが本格的に広まって、生産国でも意識や流れが大きく変わったように感じます。

私たちが産地買付を始めた20年弱前、生産者さん達のほとんどが自分で作ったコーヒーは飲まない(正確に言うと味が取れない=カッピングスキルがない)ために、クオリティの判断が出来ず品評会やバイヤー任せだったところがありました。

自分でジャッジできないということは、コーヒー作りや処理などの生産過程における課題が見えず、改良もしにくいということです。

それがここ20-30年でスペシャルティコーヒーが飛躍的に広まったことに比例し、コマーシャルコーヒーでなくこの分野に農家として、ビジネスとしての可能性がおおいにあるということに気づき、動き始める生産者が増えました。

それには生豆の品質を上げていくことが必須であり、その為には自分たちが理解をしなければなりません。

今までのようにただ物理的に生産し、量で取引をする時代から質で評価され、取引をする方にシフトしていく農家さんが増えると同時にカッピングを学び、焙煎を学び、消費国と同じ土俵で語れなければフェアトレードは叶いません。

同じように私たち消費国側(バイヤー)も、産地を理解する必要があります。どういう条件や環境だとどういう味になり得るのか、取引する上での消費国との認識を擦り合わせることも大切です。農家さんは何年もかけて(時には何十年も)生産の計画を立てます。

一度植えてしまうと長い木で100年も生きるので、いつどのエリアにどの品種をどのくらい植えるのかをテロワールの相性を踏まえながら考えるのです。消費国側は、「この品種のこの処理を〇袋欲しい」などと簡単に言ってしまいそうですが、そんなシンプルな話ではありません。オーダーを受けてくれたところで、本当に輸出するまでは、それがきちんとした品質で商品(生豆)となるかは分からないからです。

さて、生産者の一人であるルビオさん(87点台でCOE1位受賞)は、ロースターでもあり、焙煎機をも自作するエンジニアでもあります。
オーナーが前回訪問時に、焙煎するところを見学させてもらったそうです。とても自作したとは思えない36キロバッチロースターで、今回受賞したロットのカーボニックマセレーションを焙煎。いつもはローカル市場用に焙煎しているそうですが、ニュークロップのしかもカーボニックマセレーションを焙煎する様子は慣れているな〜と感じさせるものがあったようです。しかも年間1コンテナ分を焙煎して販売しているのですから、スーパー生産者です。
自前のエアロプレスで飲んだところ焙煎もクリーンに焼けていて、風味のメリハリこそ弱いもののパパイヤやマンゴー、赤いリンゴにタマリンドを感じるしっかりとした風味がきちんと出ていたそう。

生産国で活躍するバリスタの方が選手権等で目立ちますが、ルビオさんのような器用な生産者もいると言うことも興味深いところです。

 また、Bella Aurora CoE 5位を獲得したルイス ホワキン ロボさんもカッピングに注力されており、産地訪問中も彼から直々に朝からカッピングのご招待。3代目となるルイスさんは16年前からカッピングの重要性を感じ、今ではIKAWAを使って自ら全てのロットごとで焙煎し、カッピングしています。

実際に5位のサンプルも用意してくれていて、なかなかの別格ぶりのマラカツーラ種のウォッシュドでした。余裕で89点は付きます。試しで作ってみたというナチュラルもカツーラ種でしたが、バランスの良さといい、豊かな丸みを帯びた質感といい、ナチュラルを作り始めて2年目とは思えない完成度に驚きです。

生産処理場でカッピングを用意したのは初めてだよと話してくれ、最後にはとても充実した有意義な時間だったと言ってくださり、こちらこそわざわざ全て用意して下さり感謝の気持ちでいっぱいです。

Four Barrel やCafe Ladró、CoavaやCarabelloなどアメリカのロースターをメインに出荷していますが、日本のスペシャルティのロースターにも卸し始めたいという事なので、日本のロースターの店舗に並ぶ日も近いかもしれませんね!

 

CoE4位のロスボルカンシートス農園のセルジオグティアレスさんはコーヒー農園だけでなく、これから自分が焙煎したコーヒーを使ったカフェも始めようとしています。こうした自分のコーヒーを焙煎したり、カフェで提供するスタイルはニカラグアではまだまだ新しい試みと言えますが急速に広がる予感がしています。

 

このように生産者自身が自分のコーヒーを適切に焙煎して、カッピングで正確な評価が出来ることは、その後の品質レベルアップにとても大きな影響を与えます。
先日農園に招待してくれたCOE受賞者達からの依頼で今回の訪問中、半日ほど焙煎のイロハとカッピングセッションを行い意見交換する機会を設けました。
異なる焙煎の温度帯の味の影響や、豆のポテンシャルを出す方法など、自分の舌で感じることが出来たことが収穫だったのではないかと思います。

こうした擦り合わせにより生産国側と消費国側のギャップが減り、取引においても本当にフェアで透明性のあるトレードが出来ると感じています。もちろん良い豆は日本にいながら手に入れることは出来ますが、現地と相違ない品質の善し悪しの判断基準を持ち合わせていることが前提にある気がしています。

【2023/6/7】農薬の本当の話

とっても地味なコーヒー農園の地面の写真ですが、状況がとても分かりやすい写真ですのでご紹介します。

 

左半分は除草剤を使っている生産者の土地で、草が黄色くなっています。そのうち茶色になって枯れていきます。
右半分が薬品に頼らずmachete(マチェーテ)という鉈を使って人海戦術で雑草を刈っている生産者の土地です。

ミルトンでで取引きのある生産者は全員この後者の土地にあたります。

お察しの通り除草剤の散布は簡単に行えますし、短期間で終えれるので人件費削減がメリットと考えられますが、与えるダメージは雑草だけでなく土壌のバクテリアや土地に必要な植物にまで影響を与えます。

コーヒーの木に何も影響が無いとは言い切れないでしょう。

右側の土地の生産者は人件費は一見嵩むように感じますが刈り取った草はそのまま有機肥料となり、微生物の繁殖にも貢献し、土壌が柔らかくなり、コーヒーの根も張りやすくなるなど、メリットがとても大きいのです。

手作業の草刈りをするには広大な農園なので作業が大変ですが、長い目ででみた時には土地が痩せていく除草剤はデメリットが勝り、サステイナブルではありません。

そんな話当たり前じゃないかと思われるかもしれませんが、意外とその簡便性から除草剤を使う生産者は少なくはありません。
こうした地味で細かいところも我々は確認しながら買付けを行なっています。

農園同士の境界線が柵で仕切られているケースばかりではなく、ぱっと見では写真のように境目がわかりにくいのですが、地面を見てみると明らかに土壌の様子が異なるので、そこが境界線だと分かります。

小ネタですが、実は実際の費用を長期間で統計で取ってみるとmacheteで人件費をかけて草を刈った方が最終的には除草剤よりも思った安上がりだという話を実際に聞きました。

正にサステイナブル万歳です。

 

 

少し話が逸れますが、一言で農薬と言っても除草剤・殺虫剤・殺菌剤の総称を「農薬」と呼びます。

そしてこれが厄介な誤解を生んでいるのも事実です。

コーヒーづくりにおいては無農薬は実現できても化学肥料不使用というのはかなり現実的ではありません。

化学肥料が悪というイメージも広がっているようですが、実際は人体や環境に悪い影響はありません。

20年近く農園をまわりながら買い付けをしてきていますが、無農薬は可能でも化学肥料不使用はかなり難しく、現実的に持続可能ではないことが分かりました。

私どもも当初は気にしていましたが、気にしないといけない物質と、気にしなくてもよい物質に分けて考える必要があります。

 気にしないといけないのは、殺虫殺菌剤と除草剤です。

特に除草剤は取引農園では自主的に禁止しています。

殺虫殺菌においては虫捕獲機や天然素材の銅などの散布を行い、被害を最小限に抑えてもらっています。

ほとんど気にしなくて良い物質は化学肥料ですが、その使用するタイミングと有機肥料とのバランスが大切です。

化学肥料は即効性はありますが使いすぎは土を痩せさせ、持続可能な農業に繋がりません。

そこで手間暇とコストのかかる有機肥料作りが出番として出てきますが、効果が見えるまで

最長数年かかるというデメリットも存在します。

 

そこでコーヒーの花の開花前にだけ、即効性のある化学肥料を与え均一な開花を促す生産者がほとんどです。

その物質が木そのものに蓄積されることはなく、ましてや我々の口に入ることはありません。

 

実際、エルサルバドルのリマさんも開花の時期にだけですが、開花を促進させるために化学肥料を利用しています。

逆をいえば、それら完全不使用のコーヒーを作るとなると、効率も悪くかなりコストが上がりますので、我々も従来の何倍も原価が上がり、消費者もコーヒー1杯あたり数千円ということになりかねませんから持続可能とは言えないかなと思っています。

 

最近は情報が蔓延した影響で、誤った知識や思い違いをしやすくなっているとは思うので私たちも色眼鏡で見るのではなく実際に現地へ赴き、自分の五感で正しいものを吸収し、ご提供できたらと思っています。

毎年念のために農薬等に関しては各生産者と農園内を回りながら確認しておりますので、安心してお飲み頂けます。

 

そして、コーヒーの害虫と言えばブロッカ、またの名をベリーボーラーと言います。

乾燥を好み、実の先端から侵入し、徐々に内部を食い荒らしていきます。
手遅れの場合は生豆に到達されてしまい、欠点豆の被害が拡大してしまいます。

早期の処置が要ですが、今年は例年になく雨ばかり降るので、ブロッカの被害が少ないようです。

(※ブロッカと降雨量との関係はかなり密接に繋がっています)

ブロッカのような害虫にとどまらず、菌が付着することで起こるサビ病も重大な問題の一つです。

こういった問題をその場しのぎで対処するのではなく、人体の影響や自然破壊・環境問題などを鑑みながらうまく対処していくことが持続可能な農業だと感じます。

 

参考までに、ミルトンで主に取り扱うコーヒーの情報としてこちらにしるしておきますね! 

【ニカラグア】

殺虫剤  不使用

除草剤  不使用

化学肥料 開花時期だけ使用

 

【エルサルバドル】

殺虫剤  不使用

除草剤  不使用

化学肥料 開花時期だけ使用

※エルサルバドルから購入している取扱い農園は全て活火山のエリアに位置します。

過去の噴火の影響で火山灰が堆積して酸性に傾いている為、より酸性に傾く化学肥料を物質的に与えることが出来ません。

また、標高が高く気温が低めのおかげで害虫が登ってこず、対策等もほとんど必要ありません。

 

 

 

 

 

【2023.5.30】生産国側ではどんなコーヒーを飲むんだろう。。。

日本でもコーヒー作り(農業としてコーヒーの樹を育て、コーヒーチェリーを収穫している)が行なわれていますが、一部を除いた大部分の日本国土ではコーヒー栽培に適していないため、今のところコーヒー生豆はやはり、その殆どが輸入品となっています。

逆に生産国からすると「輸出品」となり、外貨を稼ぐ大切な商材ですので品質の良いものは高値で売れる国へと流れていきます。

では、自分たちが作ったものを良いものは自分たちの口に入りにくいのでしょうか?

私(一社員)が始めて産地訪問させてもらったのは約10年前。

ミルトンとしてもまだ創業10年未満の時期でした。当時は、トップレベル(ハイスコア)=スペシャルティコーヒー品質のものは全て海外のバイヤーが買取り、ハイコマーシャル・コマーシャルレベルのものもある程度のお金になるため、処理過程で弾かれた行き場のない欠点豆などを掻き集めたものが国内消費用として流通していると現地の方が言われていました。(※ミルトンはスペシャルティコーヒーの買付の為、そこでの選別の話です)

では、現在はどうなのでしょうか。10年も経てば、コーヒーの質や各国の景気動向、消費量など大きく変わってくるはずです。

昨年7月より、オーナーがコロンビア・ニカラグア・エルサルバドルへと買付に行ってきましたが、やはり変化してきてるようです。

これまでは消費国側で発展してきたカフェやロースター文化ですが、今では生産国側でも自国のスペシャルティコーヒーを扱う事が当たり前となりつつあります。

その時に訪れたトロピカリアというロースタリーカフェは雰囲気も良し、食事も良し、何よりコーヒーが美味しいことに驚いたそう。


そして、コロンビアではお邪魔したCoE受賞農園のブルボンロサドのマイクロロットをカップさせて頂きましたが、焙煎がとにかく上手!というかほぼ完璧。スペシャルティでありがちなアンダー気味は全くなく、冷めてくると気持ちいいぐらいクリーンさが際立ってくるという印象です。

それでも焙煎しているホセさんは更に美味しくしたいと熱心に焙煎の話をしてくれる。エスプレッソ用とドリップ用と販売用と3パターン同じ豆を焼き分けるところまで行っているのは消費国と全く同じ認識です。しかもこのハイレベルのコーヒーを飲み慣れた消費者はもう元のコーヒーに戻らないのは消費国側でも同じですから、今後自国消費は増えるでしょう。

むしろ、ここのように鮮度抜群のニュークロップを完璧に近い形でお客さんに提供してるあたり、消費国側では難しいですし、生産国ならではの農園や品種などの情報の得やすさもあります。地産地消です。輸入トラブルもなければ為替変動もありません。日本のロースターからしたら羨ましい環境です。

それでもミルトンが直接買い付けを始めた20年近く前は、生産者さんはカッピング(味の評価のためのテイスティングスキル)をほぼ持っておらず、とりあえず「作っては売る」という繰り返しだったのだそう。

それが、量が減ったとしても品質を上げれば売り上げも上がり生活は向上する。これからは品質重視のスペシャルティが増えていくから切り替えた方が経営的にメリットが大きいと思考を切り替える農園主さんが増えていきました。

その為には自分で味を知り、方法を知らなければなりませんので自然と自国で味を評価するスキルを持つ人が増えるほど全体のレベルが上がり、結果的に自国でも美味しいコーヒーに対する需要が伸びたのかも知れません。


改めて日本を見てみると、色んな要因でコーヒーの価格が爆上がりの今、ここで品質を落とす事は追々致命傷になるだろうなと感じざるを得ません。ここ最近は、具合悪くなるぐらいの高騰ぶりですので、円安も相まって多くのロースターにとってはなかなかの踏ん張り時です。



少なくとも消費国側で出来ることは、月並みですが良い品質をこのまま取り扱い、安売りせず、お客様に価格以上の価値を提供することではないでしょうか。もうどこをどう探しても安くて高品質なスペシャルティコーヒーは難しいのですから。

【2023/5/6】シンガポールでもミルトンのコーヒーが楽しめるようになりました!!

今年4月、シンガポールへ出張に行ってきました!

主な目的は、現地の取引先へのバリスタ指導。

実はシンガポールでミルトンのコーヒーが飲める店舗は現在3店舗あります。

(店舗の詳細は後述いたしますね!)

 

その内の1店舗は、パティスリーカフェ”mooi”

パティスリーと名の付くお店なので、クロワッサンを始めデニッシュ系や焼き菓子が本当にハイレベルで、私も始めて食べたとき美味しすぎて驚きました!

シンガポールはクロワッサンやデニッシュは人気のようでどこに行っても見かけましたがmooiのものは贔屓目なしでも絶品です!

さて、ここではミルトンの本店と同じくSYNESSOのエスプレッソマシンとMAHLKONIGのミルを導入し、コーヒーにも本気です。

そして、私たちのコーヒーを扱って頂いているので、抽出してお客様が口にされるまで最高の状態で提供できるようこの度トレーニングをさせていただくことになりました。

ミルトンとお付き合いのある現地企業の社長であるケンさんは、シンガポール内に5店舗飲食店も経営されていますが、とにかく味にこだわるというのはミルトンのオーナーとも一致しています。

ケンさんが始めてミルトンの店舗へ来訪したときにコーヒーに感動し、自分の店でも取り扱いたいと思ったのがきっかけだったそうです。

 

さて、実はmooiはずっとプレオープンの状態で営業していましたが、4月15日の本格オープンに合わせ渡星し、オープンにも立ち会わせて頂きました(^O^)

オープンには現地の他店バリスタや有名シェフ、各界のボス(?)のような方々がたくさん来てくださり、私自身も普段関わらないような方とお話できて貴重な経験をさせていただきました。

そして何より嬉しかったのが、この舌の肥えている方々にコーヒーやカフェラテなど気に入っていただき、豆も買って行って下さったこと。

もちろんシンガポールでもスペシャルティコーヒーは人気で近年スペシャルティコーヒー専門のカフェやロースターも増えています。

面白いと思ったのは、日本と同じで昔ながらの苦い深煎りが好きなご年配層と風味特徴の出たスペシャルティコーヒーを好む若年層に分かれていることです。

酸味に苦手意識のある方も、スペシャルティコーヒーに出会い深煎り派から中煎り派へと変わる方も増えてきたと現地のバリスタも言っていました。

 

山口県周南市のコーヒーがシンガポールへ渡り、現地の方々に美味しいと認めていただけるなんてとても不思議な感覚ですが、同時に”美味しい”という感覚は世界共通だなぁと改めて感じました。

 もっともっといろんな国でセルヒオさんやルイスさん、サミュエルさん、エウドロさん、リマさんなど優秀生産者さんのコーヒーが楽しめるようになってくれる日が来ることを願っています(^^)

 

では以下の三店舗でミルトンのコーヒーを提供しています。

機会があれば是非言ってみられてください。

 

Patisrrie cafe mooi 119967 Singapore 438C Alexandra Rd,#01-06/07 The Hub,Alexandra Technopark

Naked finn 109442 Singapore Block 39 Malan Road,Gillman Barracks

Burguar Labo 159553 Singapore #01-10 Henderson Industrial Park,213 Henderson Rd

【2023/3/12】産地買付とお金事情

日本はおろか世界中で物価高騰の勢いが凄まじく進んでいますね。

先日の中南米訪問時も航空券だけで、しかもLLC使っても例年の倍の費用がかかったので、ひっくり返りそうになりました。

燃油サーチャージが航空券並みにかかることもあるようで、数年前では考えられません。
今も価格高騰は続いているので、今後の産地訪問もどの航路を利用したら安くなるのか模索中ですし、もしかしたら中米間はバスを利用する事になるかもしれないと思い始めました。

生産国側でも、経由地であるアメリカでも物価は上がっていますので、滞在ホテルや食費などもこれから負担が大きくなるでしょう。

また、買付に掛かる費用だけでなく、円安も相変わらず進んでいますし、生産国側の物価高に応じて私たちの取引価格も吊り上げざるを得ません。


さて、10年近く前からミルトンでは卸先のお店スタッフを産地までお連れしたり、一般のお客様や農学部の大学生に同行していただいたこともあります。

もちろんメインは買付の為ですので、観光は一切ありません。

本当に興味があり、尚且つお金と時間(2月に2週間程度)に余裕がないと行けませんので、行きたい気持ちがあってもなかなかハードルは高いでしょう。コロナが始まってからはしばらく同行頂くのは控えていましたし、ミルトン自体も18年の間で初めて1度だけ訪問できない年もありました。

 

2022年あたりからだいぶ規制が緩和され、いよいよ2023年の買付では、関係ロースターの方々をお連れすることができました。

今後も出来るだけ希望される他店ロースターには一度でも現地に行っていただきたいので、今後募集を広げていく予定です。
渡航者が14名程度あつまればミニバスをチャーターした方が良さそうですし、最善策&安全策を検討中です。

私たちがそこまで産地に行って欲しいのには理由があります。

今回お連れした方々は天地がひっくり返るほどの衝撃を受けていらっしゃいました。

今は情報化社会で直接見たり聞いたり体験しなくても、オンラインで何でも入手できます。

それでも、思ってたのとちがう…と何につけても感じます。

特にコーヒーは味覚に関するものなので、こればかりは現地でカッピング(テイスティング)をして、そこでしか学べないことが山ほどあります。

現地のナショナルカッパー(国際審査レベルの味を評価・判断するテイスティングのプロ)と直接、意見交換をしながら擦り合わせて行くことでロースターとしてのスキルが格段に上がりますし、何より意識が変わります。

でもそれは、ロースターだけではありません。

10年前に卸先さんをお連れし、お客様・大学生をお連れした時も意識の変化や衝撃を受けられているのを強く感じました。

一歩外に出てみると、自分の可能性が広がったり、私自身も他者の意見を聞くことでモヤモヤしていた霧が晴れることがよくあります。

海外の資本力のあるバイヤーはこれからもっと加勢していくでしょう。

お客様の舌が急速に肥え、知識もプロ並みに持たれる方が増える中で日本のスペシャルティコーヒーもレベルの高いものを提供し続けるために私たちも日本のバイヤーとして個々のレベルを高め、日本の人々に飲んでほしい!と生産者さんに思ってもらえるようにコツコツ積み上げていきたいと思っています。その為にも、他店のロースターさんと産地訪問をご一緒させていただくことで、ロースターさんと生産者さん、私たちの全てが刺激しあい全体のレベルの底上げにもなると信じています。

 

日本から飛び出し、地球の裏側である生産国で何が起こっているのか、どんな人々がどんな思いで生活しているのか、どんな人生を歩まれているのかは言語が通じなくても感じ取れますし、それこそが最大の価値なんだと思います。

【2023/2/20】コーヒーの品質って何

ただ今、毎年恒例の中米ニカラグア・エルサルバドルへ産地買付に来ています。

毎回のことですが、こちらに来てみると世界で起こっている様々な出来事や課題に直面し深く考えさせられます。

少しだけ思いをシェアさせてください。

私たちコーヒー屋さん(ロースター)にとって「これは譲れない」とか「ブレさせたくない事」が何かしらあると思います。

 

もちろん私個人もロースターを始めた身として譲れないものがあります。それは、「絶対に質だけは下げたくない」というもの。

下げる時は辞める時と決めています。創業当初からお客様にも明言しており、常連さんの間では浸透していると思われます。

実はこの「質」というものが、ミルトンでお付き合いのある生産者達が絶対に拘り続けたいと口を揃えて言うセリフなのです。

それも年々気持ちが増していっている事が伝わってきます。それは生産国内での熾烈な競争も影響しているのではないでしょうか。

どこの誰よりも一点でも高いスコアのコーヒーを作り、品評会でも常に入賞できるようになり、それに見合う対価できちんと買ってくれるバイヤーと繋がっていきたいという強い思いがそうさせているように感じます。

また生産国同士の競争も激しさを増しています。これに関してはその国の政治的環境と政府の関わりが大きく物を影響します。

ニカラグアのような国では国を挙げてコーヒーをアピールする事が難しく、スペシャルティコーヒーの団体も明らかに機能不全を起こしているのが現状です。生産者達の力では外国へのアピールは非常に難しいのが現状です。

だからこそ彼らはハングリーなのです。もっと美味しいコーヒーを、もっと消費者の喜んでくれるコーヒーを作ろうと日々挑戦し続けているのです。

全く人気のなかったニカラグアがここまでの知名度になってきたのは彼らの努力の賜物です。ここまで上がってきた質に目を向けているのは日本人だけではありません。中国勢の買い方も半端ではなく年間世界中のスペシャルティコーヒーを買い続け、香港のトレーダー曰く7000コンテナ以上輸入しているそうです。もちろん現地で買付けをしていると話を耳にします。

量だけではありません。買付け時の金額も日本勢より高値で買います。中国勢だけではありません。オーストラリアも積極的に支払い買付けしていますし、アジア圏のバイヤーも同じ状況です。



このままでは一部のロースター以外は格下のコーヒーしか扱えなくなる気がしてなりません。せっかくコーヒーの品質を認めてくださり、ここまで支えてくださったお客様に今まで同様、またはそれ以上の品質のコーヒーをこれからも飲み続けて頂きたい。

そのような気持ちでお店の経営や買付をさせていただいています。 
もっともっと生産国側の実情と世界の動向に目を向け、今すぐに出来ることから始めていく必要があると感じます。

【2022/12/1】2023年新春新豆福袋の予約受付を開始します!

お待たせいたしました!

店頭でもお電話でも既にたくさんのお問い合わせをいただいておりましたが、ようやく12月1日より毎年恒例の福袋を予約受付いたします!

今年はのラインナップはこちら!!!!!

《一万二千円福袋》※税込

・コーヒー豆(粉) 全13種類

 (シングルオリジン11種、紅白ブレンド各1種)

・ノベルティ ミルトンオリジナル折りたたみ傘

《五千二百円福袋》※税込

・コーヒー豆(粉) 2種類(シングルオリジン)

・ノベルティ ミルトンオリジナルトートバッグ

 

2023年の福袋の目玉は「ゲイシャ種」が合わせて3種入っています!!!!!私も先日3種一度にカッピング(テイスティング)してみたのですが、印象が全部違っていて驚きました。飲まれたことがある方は想像が付くかもしれませんが、フレーバーティーのような分かりやすい華やかさのある特徴的な風味のコーヒーです。今回の3種は、エルサルバド産とニカラグア産がありますが、いわゆる「ゲイシャ」らしい風味のものから、よりどっしりした質感や飲みごたえが出てコーヒーらしい濃さのあるものまで、本当に土壌で変わるんだなぁという発見がありました。その他にも、マルセイエサ種というミルトンでは初、なおかつこの福袋でしか飲めないコーヒーも入っております!

そしてもう一つの目玉は「アナエロビック処理」のコーヒー。

ゲイシャ種は樹の品種の話ですが、こちらは収穫後の実の処理の話です。この処理が出来上がりのコーヒーに大きな味の影響を与えます。

アナエロビック処理は日本語で「嫌気性発酵」と呼ばれる発酵方法を指す言葉ですが、同じ発酵でもそのタネとなる物が必要で、こちらの生産者のリマさんは「イースト菌」を利用しています。嫌気性ということで空気に触れさせずに発酵を行なう方法なので実の水分は放出されない分、凝縮感を感じます。

余談ですが、スペシャルティコーヒーを選ぶポイントとしては、国の名前や農園名よりも、この「品種」や「処理」で選ぶ方がご自身の好みを探るにあたって近道なのかなぁと思います。

近年、ミルトンと長年取引のある農家さんが続々と国際品評会(Cup Of Excellence)で受賞しておられます。今回の福袋でも初登場の農園「El Cambalache エルカンバラッチェ農園」は、2022年国際品評会でも7位受賞の農園なのですが、ミルトンが4年前ハンガリー進出の際に購入させていただいたサミュエルさんのコーヒーの売り上げで、この農園を拡張目的で彼が買い足されたという経緯もあり、私たち自身も思い入れがあるコーヒーです!

長々と書きましたが、そのくらい今回の福袋のラインナップは充実している自慢の福袋となっていますので是非皆さんで楽しんでいただきたいです♪

今年は、お正月に親戚や友人たちで楽しみたい、手土産でプレゼントしたいという要望にお応えし、配送に限り元旦からお届けできるようにいたします(^^)

ご予約時に日時指定が出来ますので是非ご活用ください。

※指定がない場合は、1/1以降順次配送いたします。

【2022/9/7】2022年の秋ブレンドは3種類!!!

恒例の季節ブレンド、9月からは夏ブレンドから秋ブレンドへと替わりました!
年々ブレンドファンが増えていることもあり、今回も3種類揃えております!!
茶の花ーちゃのはなー
どこか和を感じる、奥行きのあるブレンド。
コクがあり余韻までしっかり甘さを感じます。
肌寒い日に飲んで頂きたいです(#^^#)
¥2800/250g
吾亦紅ーわれもこうー
柔らかく立体的な酸と柑橘系の上品なフルーティーさも感じます。
スルスルと心地よい口あたりで、まだ暑さの残る時期におすすめですよ(^^♪
¥2550/250g
金木犀ーきんもくせいー
アーモンド・カカオなどのずっしり濃い香りと甘さながらほんのりフルーティー感も併せ持つ、ほんのりビターなブレンドです。
¥1900/250g
このブレンドづくりですが、毎回季節ブレンドの度にスタッフみんなで確認作業をします。よく冗談で言われがちなのが、余った豆をミックスして売ってるの?などネガティブな印象を持たれているかもしれませんが(笑)ミルトンではトップクオリティの豆しか購入していないため、ブレンドももちろんその中からブレンドすることとなります!ということはもちろん100%スペシャルティコーヒーのブレンド。
また、スペシャルティコーヒーはそのコーヒーの良い所に着目して、正しく評価をしなければなりません。
ですので当然ながら私たちは日頃は自分の主観や好み抜きにして、目の前のお客様の求めているものや好みをヒアリングで探りながらご提案させていただいています。
それでもやっぱりスタッフにもコーヒーの好みがあるので、このブレンドのカッピング(テイスティング)でもしっかり好みは分かれます!
バランスがいいのは大前提なので、「このフローラル感が好き」とか「甘さと重すぎないボディーがちょうどいい」とか「あのお客さんに合いそう」など好きなことを言い合います。
農家さんが農園ごと、ロットごと、処理ごとに細かく分けて味づくりをして下さったものを的確にブレンドしないと台無しになってしまうので、本当にブレンド作りでバランスは重要な要素だと思います。
そこに季節ごとの感じてほしい味わいやお客様の好みも踏まえて作らなければなりませんし、たいていこの季節ブレンドのブレンド作りに取り掛かるのは季節の変わり目です。季節の変わり目は焙煎がとにかく難しいらしく、焙煎担当の者はいつもこの気温や天気や湿度が不安定な時期に焙煎で苦戦しているので、それもあってのブレンド作りはなおさら、想像以上に難しい作業です。
その辺りも知って飲んでいただくと、ブレンドに対する見方やイメージが変わって面白いかもしれません(^^)

【2022/8/7】夏の営業について

【お盆期間の営業および夏季休業】

8月→通常通り営業

9月→12日(月)~16日(金)の間、夏季休業

※8月は木曜定休以外はお盆期間中も営業します!!

 

【通販の発送についてのご注意点】

お休み中は通販のご注文はいただけますが発送作業はしておりませんので

休業前日(9/11)の15時以降のご注文分は、休み明け(9/17)発送となります。

休業中を着日にご指定頂いてもお届け日はズレますのでご了承ください。

 


さて、只今オーナーはニカラグアに滞在中です。

コロナ禍になってから、毎年2月にミルトンのスタッフ全員で産地訪問するという恒例のサイクルが叶わなくなってしまいました。

会社としても2月の買付で選んできた豆を、帰国後オーダーし、現地でオーダー通りに準備をしてくださって夏~秋頃に港へ届くという流れで10数年経営してきましたので何だか調子がくるってしまいますが、長年の付き合いで信頼関係をしっかりと築いていたおかげで今回のような産地へ行けないような事態でも産地側でしっかりミルトンの求めるレベルを理解し、準備してくださいました。

ようやく海外への渡航が緩和されてきたので、例年とは違い日本でいう夏のタイミングでオーナー単独ですが、産地訪問をすることとなりました。

7月半ば~9月上旬の予定でコロンビア・ニカラグア・エルサルバドルの滞在となっております。

それぞれの国で、かつてないほどたっぷり滞在しますし、いつもとは時期も違うのでとてもメリットが多いようで、既にたくさんの現地情報を日本にいる私たちにもリアルタイムで届けてくれています。

今はちょうどニカラグアのタイミングですがこちらの国に関しては特に、1か月もの長い間滞在となるので、四六時中生産者さんと行動を共にし、毎日夜遅くまで語り合うことで生産国に起こる問題や日進月歩のコーヒー豆の品種や精製処理についての理解が格段に深まる!と、興奮気味に連絡が入ります。

とは言っても、異国ですので食生活の違いや冷たいシャワーでなく温かい湯船に浸かりたい。。など、たいていの人は何かしら思いそうですが、何か月でも居れちゃうあたりがさすがだなぁと思わされます(^^;

店頭ではお客様にも産地に関するご質問(コーヒーのこと以外でも!)よく頂きますが、せっかくご縁があってその国と取引させて頂いていますので、皆さんにも農園場や農家さん、コーヒーに関することだけにとどまらず、国やカルチャーなどもシェア出来たらと思っています!

楽しみにお待ちください(^-^)