コーヒー豆の袋や説明で「COE入賞」という言葉を見かけたことはありますか。ミルトンが豆を買い付けている13人の生産者は、全員がこのCOEで入賞したことのある人たちです。私自身も2006年から審査員として関わってきました。今日は、COEとはどんな品評会なのか、そしてミルトンがなぜそこにこだわるのかを、できるだけかんたんにお話しします。

COEは「カップ・オブ・エクセレンス(Cup of Excellence)」の略で、1999年にブラジルで始まったコーヒーの国際品評会です。いまはニカラグア、エルサルバドル、ブラジル、コロンビアなど、中南米やアフリカの生産国ごとに毎年開かれています。その国の農家が自分のコーヒーを出品し、審査員が味だけで順位を決めます。

審査のいちばんの特徴は、誰のコーヒーか分からない状態で味を確かめることです。カップには番号しか付いておらず、生産者の名前も、農園も、品種も、審査員には知らされません。有名な農園かどうかは関係なく、その年のその1杯がどれだけおいしいかだけで評価されます。審査は6回に分けて行われ、最初はその国の審査員が、後半は私のような海外の審査員が加わって、何度も同じコーヒーを飲み比べます。100点満点で86点を下回ったものは途中で外れ、最後まで残って87点以上を取った上位のコーヒーだけが「入賞」になります。90点を超えたものには、大統領賞(プレジデンシャル・アワード)が贈られます。外部の監査の会社が最初から最後まで立ち会い、公平さが守られています。

入賞したコーヒーは、そのあと世界中のコーヒー店が参加するインターネットのオークションにかけられ、売上の大半は生産者に渡ります。小さな家族の農園でも、おいしいコーヒーを作れば世界から正当な値段で買ってもらえる。COEは、そういう道を生産者に開いた品評会です。実際に、ミルトンが取引しているニカラグアのサバラさんの家では、お父さん、お母さん、本人、妹さんの名前で20回以上入賞していて、賞金は農園や精製の設備、地域の子どもたちの支援に使うと話しています。

私がCOEの審査員として初めてニカラグアに行ったのは2006年です。その会場で出会ったのが、いまも取引を続けているセルヒオ・オルテツさんでした。そこから入賞した農園を訪ね歩き、畑と精製の場所を自分の目で見て、カッピング(味の確認)で納得したロットだけを毎年買い続けています。

ただ、ミルトンは点数だけで豆を選んでいるわけではありません。点数は、その生産者がどれだけ手をかけているかを知る、大切な手がかりです。それでも、同じ畑のコーヒーでも年によって、またロットによって味は変わります。だから毎年産地で味を確かめて、そのなかからミルトンが大切にしている「甘さ」がいちばんよく出たロットを選んでいます。入賞する力のある生産者と、20年かけて同じ関係を続けてきたこと。それが、ミルトンのコーヒーの土台になっています。

COEのことを知ると、1杯のコーヒーの向こうに、名前のある生産者と家族がいることが見えてきます。13人の生産者のCOEでの成績と、いま買える豆は「COE入賞生産者のコーヒー」にまとめています。それぞれの農園の物語は「生産者と農園」で読めます。どれから飲めばいいか迷ったら、好みのタイプから2種類を選べる「はじめての方のお試し」からどうぞ。

ミルトンコーヒーロースタリー 田中大介

MILTON COFFEE ROASTERY

“中南米の生産者を毎年訪ね、
20年以上、直接買い付けています。”

毎年、中南米の農園を訪ね、生産者と一緒にカッピングして豆を選んでいます。
スタッフも産地へ行き、畑や精製の現場を自分たちの目で確かめています。

スペシャルティコーヒーの目安は80点。ミルトンの豆は、そのほとんどが
カップ・オブ・エクセレンスの審査基準で86点を超えます。
価格は国際相場ではなく、生産者が続けていける経費と利益を考えて決めています。
生豆は自社で輸入し、周南市の焙煎所で、豆ごとに
甘さがいちばん出るところまで焙煎しています。