Farm Story ― Nicaragua
カツーラを、
もっとおいしく。
エル・ハルディン農園 ヌエバ・セゴビア県ディピルト市
生産者 ルイス・フェルナンド・ルビオ
母から受け継いだ小さな家族農園で、
10年近く発酵の研究を続けてきた生産者がいます。
育てて、精製して、焙煎して、売るところまで。ルイス・フェルナンド・ルビオさんです。

01
母から受け継いだ農園
エル・ハルディンは、ルイスさんの母ローサ・イネス・ルビオさんから受け継いだ家族農園です。1980年代後半から3世代にわたってコーヒーを育ててきました。2005年には、ローサ・イネスさんも参加していたディピルトの生産者グループ「Coop. La Unión」がCup of Excellenceで1位に選ばれています。
ルイスさんは10代のころから、家族のコーヒーを自分たちの手で売りたいと考えていました。「Café Don Luis」というブランドをつくり、焙煎したコーヒーを地元で販売。2022年に代表の田中が初めて農園を訪ねたとき、ルイスさんが最初に見せてくれたのは手づくりの焙煎機でした。

02
10年にわたる発酵の研究
エル・ハルディンは生産量の限られた農園です。大きな農園とは違うやり方で選んでもらうには、はっきりとした味の違いが必要でした。2016年ごろから本格的に取り組んできたのが、発酵です。
アナエロビック、好気性発酵、カーボニックマセレーション。条件を変えては飲み比べることを繰り返し、なかでも長く続けてきたのが、カーボニックマセレーションを応用した精製です。今ではpH、温度、Brix(糖度)、時間を見ながら発酵を管理し、長いものでは240時間ほどかけることもあります。
それだけ長く発酵させても、ルイスさんのコーヒーには重たさが残りません。ワインや熟した果実、メロン、青リンゴを思わせる複雑な香りがありながら、カップは澄んでいます。


03
昔からの品種を、手放さずに
発酵に取り組む理由のひとつが、エル・ハルディンで昔から育ててきたカツーラです。チョコレートのような甘さと穏やかな飲みやすさがある一方、華やかな品種が次々と登場するなかで、品種の特徴だけで強い印象を残すのは簡単ではありません。
それでもルイスさんは、長く育ててきた木を植え替えるのではなく、精製でその味をどこまで広げられるかを試してきました。田中がそれを料理人の仕事にたとえると、ルイスさんは納得したように笑っていました。
良い素材は、
上手に使えば
もっとおいしくなる。
― ルイスさん

04
2022年から続く訪問
田中がエル・ハルディンを初めて訪ねたのは2022年。ニカラグアに長く滞在していた田中に、エウドロ・ギジェンさんがルイスさんを紹介してくれたのがきっかけです。農園のゲストハウスに泊まり、それから毎年訪ねています。
エル・ハルディンでは収穫日や発酵の条件ごとに細かくロットを分けるので、ひとつのロットが半袋から1袋ほどしかないこともあります。今はカッピングして買い付けるだけでなく、どのロットをどう日本へ届けるかも一緒に話し合っています。
主な受賞歴
| 2005 | Cup of Excellence 1位・91.30点Coop. La Unión/カツーラ/ウォッシュド(母ローサ・イネスさんも参加した生産者グループのロット) |
| 2022 | Cup of Excellence 21位・87.18点ロス・クアドロス/カツーラ/ナチュラル(母ローサ・イネスさんの名義) |
※いずれも母ローサ・イネス・ルビオさんに関わる受賞です。

05
訪ねるたびに、新しいコーヒーを
ルイスさんは朗らかで穏やかな人ですが、コーヒーの話になると細かな条件まで話が尽きません。
10年近く発酵を試し続け、毎年その結果を確かめて次の収穫へつなげる。エル・ハルディンを訪ねるたび、ルイスさんはまた新しいコーヒーを用意して待っています。
― Milton Coffee Roastery
エル・ハルディン農園のコーヒー

