Farm Story ― Nicaragua
何もない山を、
親子で拓いた。
ラ・ベンディシオン・ファミリーエステート ヌエバ・セゴビア県モソンテ
生産者 セルジオ・ハキン
2008年、家族で山を切り拓くところから始まった農園です。
セルジオ・ハキンさんは父ホセ・リベラトさんとともに、
量よりも品質を大切に、この農園を育ててきました。

01
手挽きのミルと、ケメックス
代表の田中がセルジオさんと出会ったのは2022年。約1か月ホームステイをしながらニカラグアの産地を回り、たくさんの生産者と会っていたときのことです。
セルジオさんは田中を自宅に招き、手挽きのミルでコーヒーを挽いて、ケメックスで淹れてくれました。特別な商談をするでもなく、コーヒーを飲みながら自然に話をする。その飾らない人柄に、長く付き合っていきたい人だと感じたといいます。
品質の良いコーヒーを毎年日本へ届けるためには、味だけでなく、仕事への考え方を分かち合えることも大切です。セルジオさんは、そういう関係を築けた生産者のひとりです。
長く付き合っていきたいと、
自然に思えた人。
― 代表・田中

02
小屋を建てるところから
土地を買った2008年、そこには拠点になる建物もありませんでした。急な斜面をならして基礎をつくり、木を切って運び、住むための小屋を建てる。コーヒーを植える土地も一から切り拓き、そのほとんどを自分たちの手で進めました。
スペシャルティコーヒーや品種についての知識もまだ十分ではなく、最初に植えたのはカティモールでした。育てながら学び、ブルボン、カツーラ、カツアイ、マラカツーラへと品種を広げてきました。
03
量を追わず、品質を
標高約1,500〜1,800mの涼しい山の中。さまざまな植物や生き物が見られる環境で、セルジオさんたちが大切にしているのは、量を増やすことよりも品質を高めることです。
収穫では実の糖度を確かめながら摘み取り、近年は精製を自分たちで管理するためにウェットミルも入れました。設備には大きな投資が必要ですが、そのために量を増やすのではなく、品質の高いコーヒーづくりに集中しています。コーヒーの木を等間隔に植え、管理や収穫をしやすくする工夫も重ねています。



04
品種と精製を確かめながら
2026年に訪ねたときは、イエローブルボンをはじめ、その年に収穫したいくつものロットを農園でカッピングしました。ゲイシャ、SL28、ピンクブルボンの区画も歩き、品種ごとの育て方や、その年の天候が花や収量にどう影響したかを確かめています。
発酵は、長くすること自体が目的ではありません。発酵による風味と、品種がもともと持つ甘さや特徴とのバランスを見ながら、ロットごとに時間や方法を変えています。
これまでは主にウォッシュドをつくってきました。乾燥場までの山道を考えると、果肉を取り除いて軽く、かさを小さくして運べることも理由のひとつです。今はアナエロビックなどの精製にも取り組んでいます。

Cup of Excellence Nicaragua 2026
No.1187.94 pts
マラカツーラ・ナチュラルで入賞
2018年、父ホセ・リベラトさんの名前でこの農園のコーヒーを初めてCup of Excellenceに出品し、入賞しました。
2025年にはマラカツーラの品評会「The Best of Maragos」で1位に。2026年にはCup of Excellenceで、マラカツーラのナチュラルが11位に入っています。
主な受賞歴
| 2018 | Cup of Excellence 31位・87.09点父ホセ・リベラトさんの名義 |
| 2025 | The Best of Maragos 1位・89.68点ラ・ベンディシオン・ファミリーエステート |
| 2026 | Cup of Excellence 11位・87.94点マラカツーラ/ナチュラル |

05
父と築いてきた農園
この農園の歩みに欠かせないのが、父ホセ・リベラトさんです。切り拓いた当初からセルジオさんとともに働き、長い時間をかけて今のラ・ベンディシオンを築いてきました。2022年に訪ねたときも、セルジオさんと冗談を言い合いながら、農園の仕事を見守る姿がありました。
2022年の出会いから、田中は毎年この農園を訪ねています。一緒に畑を歩き、その年のロットをカッピングしながら、栽培や精製について意見を交わす関係が続いています。
― Milton Coffee Roastery
ラ・ベンディシオン・ファミリーエステートのコーヒー






