Farm Story ― Nicaragua
父の名に、
恥じないように。
ロス・ピリネオス農園 ヌエバ・セゴビア県ディピルト市 エル・カンバラチェ地区
生産者 エウドロ・ギジェン
1965年、父エウドロさんがこの土地を買い、カツーラを植えたのが始まりです。
同じ名前を受け継いだ息子のエウドロさんが、
妻のノルマさんとともに、この農園を育てています。

01
父の代から続く付き合い
ギジェン家との付き合いは、今のエウドロさんより先に、同じ名前をもつ父との出会いから始まりました。最初のころは、農園を訪ねてもなかなか本人に会えなかったといいます。海外の買い手が来ても、写真を撮って帰るだけで取引が続かないことが珍しくなかった時代です。
それでも私たちは毎年訪ね、コーヒーを買い続けました。大学でビジネスを学んだエウドロさんが地元に戻って約2年後、父が他界。若くして農園を継いだエウドロさんも、はじめは半信半疑だったそうです。今では子どもを連れてホームステイし合うほど、家族ぐるみの付き合いになっています。
ただ守るだけではなく、
父ができなかったことを、
自分たちの代で。
― エウドロさん


02
栽培から精製、味の確認まで
以前は外に任せていた精製も、今は自分たちで行っています。農園には自前のウェットミルとドライミル、排水の処理施設があり、処理した水は再利用し、出た廃棄物からは有機肥料をつくっています。
除草剤は使わず、草はマチェーテ(山刀)で刈ります。地面をむき出しにしないよう、あえて草を残すこともあります。IKAWAのサンプルロースターも入れ、その場で焙煎して味を確かめながら、次の判断につなげています。
24時間発酵のウォッシュドやハニー、ケニア式の発酵を取り入れたナチュラル、12日間のカーボニックマセレーションなど、精製の試験も重ねています。

03
農園で見つかった、ニカトピア
ロス・ピリネオスで、ほかとは違う特徴をもつ一本のコーヒーの木が見つかりました。その実を摘んで味を確かめ、少しずつ増やしてきたのが、今「ニカトピア」と呼んでいるコーヒーです。
遺伝子を調べると、エチオピアの在来品種につながる特徴をもちながら、ゲイシャやチロソ、シドラなど、知られている品種のどれとも一致しませんでした。今はウォッシュドのほか、カーボニックマセレーションなどの精製にも取り組んでいます。
Cup of Excellence Nicaragua 2021
No.390.21 pts
カツアイ・ナチュラルで3位
2021年、この農園のカツアイ(ナチュラル)が90.21点を獲得し、3位に入りました。ギジェン家の農園は父の代からCup of Excellenceで入賞を重ねていて、同じ年には母シルビアさんの名前で出品したサン・ホセ農園のコーヒーも7位に入っています。
主な受賞歴
| 2008 | Cup of Excellence 11位・86.60点サン・ホセ農園/父エウドロさんの名義 |
| 2015 | Cup of Excellence 13位・87.08点サン・ホセ農園 |
| 2018 | Cup of Excellence 29位・87.38点ロス・ピリネオス農園/レッドカツーラ/ウォッシュド |
| 2021 | Cup of Excellence 3位・90.21点ロス・ピリネオス農園/カツアイ/ナチュラル |
| 2021 | Cup of Excellence 7位・89.71点サン・ホセ農園/カツーラ/ナチュラル(母シルビアさんの名義) |
| 2022 | Cup of Excellence 18位・87.35点カツーラ/ナチュラル |
| 2022 | Cup of Excellence 19位・87.32点カツーラ/ナチュラル(妻ノルマさんの名義) |
04
同じ尾根の生産者たち
ロス・ピリネオスのあるエル・カンバラチェ地区には、サミュエル・サバラさんのラ・エスペランサ農園や、ルイス・ホアキン・ロボさんのベヤ・オーロラ農園もあります。同じ尾根で、それぞれ個性の違うコーヒーが育っています。

05
ノルマさんと、二人で
エウドロさんの農園経営には、妻のノルマさんが深く関わっています。静かに考えてから動くエウドロさんと、明るくエネルギッシュなノルマさん。長く付き合ってきた生産者の中でも、夫婦がそろって農園の中心にいることが印象に残る二人です。
2022年のCup of Excellenceでは、二人がそれぞれの名前で出品したカツーラ(ナチュラル)が、18位と19位に並んで入賞しました。最近は娘さんも農園の仕事に加わっています。
― Milton Coffee Roastery
ロス・ピリネオス農園のコーヒー








